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    コミュニティメンバーによるワークショップ関連の記事を投稿する場所。

最近の記事

人間関係:コミュニケーションは刺激

1 導入今回は合同チームの共通テーマである「人間関係」を題材にしたnoteを書く。 人間関係の話をする場合、普通は人間関係の「悩み」を扱うのが一般的だと思うが良くも悪くも私は現在においてそのような悩みがない。人間関係の悩みは相当なストレスであるからなるべく問題化しないように心掛けてきており、「人と深く関わり過ぎないこと」や「コミュニティ多く持つこと」でこれを回避してきた。(正直これはこれでやや問題だとも感じるが、社会に出れば人間関係の問題なんて無数に湧いてくるであろうから今は

    • 『星の王子さま』サン=テグジュペリ

      コバさんから紹介頂いた『星の王子さま』(サン=テグジュペリ)に関する追加note記事である。 1 はじめに『星の王子さま』(原題:Le Petit Prince)はアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリによる名作で世界中に幅広く愛されている。 私自身大昔に読んだ記憶がある。ただ、覚えているのはSFかつメルヘンチックな雰囲気のみで内容は断片的にしか記憶にない。今改めて読むと柔らかい世界観の中にも確固たるメッセージが含まれていることに気付く。 結論からいうとこの物語は「人間関係

      • 『この星の絵の具で』小林正人

        1. イントロダクション現代美術とは一体なんなのか。 芸術に強い関心があるわけではないが、「現代美術」というものが気になっており、最近だと村上隆や猪子寿之(彼を芸術家に分類するのはやや違うかもだが)などのコンテンツを観ている。 私は幼少期の10年程をイタリアで過ごしそこで多くの「美しいもの」を観てきた。それらは実に素晴らしかったし、歴史的な価値を越えて私を感動させてきた。 対して、一般的に現代美術と呼ばれるものにはそれ程のものはなかった。無論、私の感覚にも何か要因があるの

        • 芸術の鑑賞について【基礎教養部】

          今年度から、複数のグループを統合し、その中で得られたことを記事として書くという活動が開始した。私達チームAはチームGと協同している。チームGは『短歌のガチャポン』(穂村弘)を扱っており、我々が題材とした『音楽の哲学入門』(セオドア・グレイシック)とは「芸術・美学」といった点で共通しているため本記事では「芸術・美学の鑑賞」に関して考察したい。 1  芸術について芸術の一つの性質として「言葉では表現出来ないものを鑑賞者に伝える」ということがある。これは特に短歌を通じて思ったこと

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        記事

          『音楽の哲学入門』(セオドア・グレイシック)【基礎教養部】

          この記事は同じチームメンバーであるNaokimenさんが扱った『音楽の哲学入門』(セオドア・グレイシック)に関する追加記事です。Naokimenさんによる書評・記事は下から。 本書の感想・まとめ本書は「音楽」を芸術たらしめている要素を考察する。美学や芸術論的な話である。 全部で4章から構成されるが全体の流れとしては、 ①音楽は人間独自の「芸術」活動である ②そもそも音楽を言葉でとやかく語ることは良いことなのか? ③音楽経験に関する知覚や情動、美的性質そのもの:表出説と喚起説

          『音楽の哲学入門』(セオドア・グレイシック)【基礎教養部】

          『午後の恐竜』(星新一)

          1 はじめに:小説の楽しみ方 本書の紹介へ入る前に「小説の楽しみ方」に関して今一度書いてみたいと思う。 個人的な話をすると大学以降、小説を読む機会は極端に少なくなった。課題で出される論説文などが読書の基本的な範囲となり、娯楽はYouTubeやゲームで埋まっているので小説などの文学作品を楽しむエネルギーがなくなってしまったのだ。 しかし、こうしてまた久しぶりに優れた文学作品に触れると面白さを痛感する。なんて刺激的なのだろうと思う。文学に思想や哲学を求める向きもあるだろうが、

          『午後の恐竜』(星新一)

          『#真相をお話しします』追加note記事

          所感この本はミステリー・サスペンスの短編集である。一つの作品当たり二十数ページで読むことができる。そのため、人物や情景描写は極端に薄くストーリーの骨格だけを感じるものとなっているがそれはそれでありだなと感じた。短いページ数で起承転結を上手く簡潔させるのはそれなりの技術が必要であると思われるが、これは良く出来ている部類だと思う。 ちなみに、短編集として心に残っているものには星新一のショートショートなんかがある。これは非常に面白かった。短いながらもこんなに素敵なストーリーを組み上

          『#真相をお話しします』追加note記事

          『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 』【追加note記事】

          本書は同じチームの蜆一郎さんに紹介して頂いた。そちらの記事も参照して頂きたい。 本書は体系だった理論のうえで論文の如く緻密に運動の効果を説くわけではないが、「運動」がどれだけ素晴らしいかはなんとなく知らしめてくれる。その点ではタメになるというか面白いものであった。ここでは実際に、筋トレを始めてみた私が運動の効果について少し語ってみたいと思う。 1 筋トレの効果僕の身の回りの人達がラグビーやら柔道やらで身体が大きく、「身体を鍛えたら自分はどんな姿になるのか」という好奇心が強

          『脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方 』【追加note記事】

          苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡毅)

          Ⅰ 本書の内容この本の主題をまとめるなら、「好きなことで自分の強みを研け。そうすれば楽しさも評価も報酬も全部後から付いてくる。」である。前半3章分は自分の強みを探すこととそれを研くことを啓蒙している。話の主題としてはここで終わっているが、後半3章分ではもう少し具体的な就職での突破口・苦労話やそこからの立ち直り方について書いている。具体的な章立ては以下のようなものである。参考程度に。 第1章 やりたいことがわからなくて悩む君へ 第2章 学校では教えてくれない世界の秘密 第3

          苦しかったときの話をしようか ビジネスマンの父が我が子のために書きためた「働くことの本質」(森岡毅)

          ジェイラボワークショップ第67回『リベラルアーツ輪読WS版』【哲学部】[20231030-1112]#JLWS

          今回のWSは『大人になるためのリベラルアーツ: 思考演習12題』というあるテーマに対する東大生の議論についてまとめられた本を模しています。 ★印は司会の投稿です。 Day1■コバ 本日から哲学部WSスタートです。皆さん2週間よろしくお願い致します。 ★YY12 【はじめの挨拶】 こんにちは。前半1週間をYYが担当いたします。 哲学部では「大人になるめのリベラルアーツ」を輪読しています。(所長が「読書のおと」で紹介してたやつです。) 本書は、あるテーマのもと学生がディベ

          ジェイラボワークショップ第67回『リベラルアーツ輪読WS版』【哲学部】[20231030-1112]#JLWS

          人はなぜ「美しい」がわかるのか【サブ記事】

          *本記事はイスツクエ氏が選んだ本・記事をもとに記されています。* 橋本治『人はなぜ「美しい」がわかるのか』|イスツクエ (note.com) 美しいとは、人々が個別的に「美しい」と感じるその共通項であると思っている。 「美しいとは何か」系の話は、色々考えていけるがあんまり抽象的な話に持ってこようとすると、寧ろ本質を掴み損ねる気がする。 そんなものは人によって当然バラつきがあるからだ。 本書にあるように「合理的」なものに「美しい」と感じる場合もあるだろうし、逆に非合理的なも

          人はなぜ「美しい」がわかるのか【サブ記事】

          【ビットコイン】『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【追加記事】

          本書は同じジェイラボに所属ゆーろっぷさんに紹介して頂いた本です。ゆーろっぷさんの記事は下に張っておきます。普段触れない分野の本を紹介して頂き感謝致します。 【読書】野口悠紀雄『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【基礎教養部】|ゆーろっぷ (note.com) チームであるイスツクエさんも同じ著書で記事を書いていますので読んでみて下さい。 1.デジタル通貨/ブロックチェーン・ ビットコインの理念 ビットコインの基本理念とは、「プライバシーが保護された分散型の通貨」であ

          【ビットコイン】『CBDC 中央銀行デジタル通貨の衝撃』【追加記事】

          ジェイラボワークショップ第62回『働くということについて』【哲学部】[20230821-0903]#JLWS

          今回のWSは「なぜ働くのか」について悩むコバ青年(社会人コバさんが大学3年生の頃の自分に扮する)がジェイラバーとの対話を通じて、その悩みを解消していくストーリーです。 各ジェイラバーの持論とそれに対するコバ青年の反論を重点的に見て貰えれば面白いと思います。(なお、対話形式がはっきりするようにコバ青年のコメントには★印を付けています) Day1■コバ おはようございます。今日から哲学部WSです。文章は夜から投稿していきます。よろしくお願いします! ■コバ それでは哲学部

          ジェイラボワークショップ第62回『働くということについて』【哲学部】[20230821-0903]#JLWS

          【『能力』の生きづらさをほぐす】就活と「能力」【勅使川原真衣】

          Ⅰ この本を選んだ理由この本を選んだ理由は、最近「能力主義」について考えているからだ。 どうやらこの社会では「能力主義」というものが一つの大きな問題になっており、それを解消・緩和することがより良い未来の実現に繋がるということであるらしい。「らしい」としたのは、その問題を自分で的確に捉えている自信がなく、その向かうべき先もきちんと見えているわけではないためだ。 ただ、最近になって若干その輪郭が見えてきたようにも思う。そのきっかけとなったのは「就活」である。 Ⅱ 就活と「能力」

          【『能力』の生きづらさをほぐす】就活と「能力」【勅使川原真衣】

          【現在と古典】『だから古典は面白い』(野口悠紀雄)

          1.簡単な所感 本書はいわゆる読書論とエッセイのハーフ的なものである。読書論における考察では、タイトルからも分かる通り、「古典」を進めている。著者曰く、古典は自然淘汰を乗り越えている点で必然的に価値が高いということらしい。それは直感的にもそう思う。ただ、著者の言う「価値」とは何なのか。そこを簡単にでももう少し触れたかった。そして、(著者は軽々とやっているが、)古典から「価値」を得るのはそう簡単なことではないので、その前段階についても軽く触れてくれたら親切だったように思う。

          【現在と古典】『だから古典は面白い』(野口悠紀雄)

          【推薦図書を読んで】『AIの時代と法』 (小塚荘一郎)

          まえがきchiffon cakeさんが薦めて下さった『AIの時代と法』という本を読みました。 (note記事は下からチェックできます) 『AIの時代と法』(小塚荘一郎)|chiffon cake (note.com) 1.雑多な所感 まず、AIの問題とはなんだろうか。 私の中でAIとは簡単に言えば「人の知的活動を極限までシミュレートしたシステム」のことである。その生産過程では、大量のデータを使い、機械学習といった手法を用いながら、与えられた入力に適切な出力が出るように調整

          【推薦図書を読んで】『AIの時代と法』 (小塚荘一郎)