【感想】『花畑と別れ話』小嶋ララ子先生感想
※ネタバレを含みますので、『花畑と別れ話』を読んだことがある方を拝読したことがある方向けの記事になります。
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小嶋ララ子先生の『花畑と別れ話』を拝読しましたので、感想を綴ります(*^^*)
表紙に惹かれて購入しました🌸
水彩の淡い色合いや雰囲気が素敵…✨
タイトルの一部が桃色なのもいいなぁ
この作品は前半と後半に分けて、2組の恋を描いた作品でした。
前半は、失恋と同時に恋をされる側の痛みを知る、幼馴染のセンチメンタルラブ。
『花畑と別れ話』
仲の良い幼馴染3人組のたくや、ゆいじ、あきの物語。
あきに彼氏ができて、あきに密かに恋をしていたたくやが失恋して泣いてしまったたくやに告白するゆいじ
っていう流れが切ないもののキュンとしたなぁ…
特に、ゆいじの「ーーってか いいかげん おまえも気づかねぇもんかなぁ」「たくやはさ 俺がおまえを好きなんだってことなんでわかんねぇのかな」とかの台詞からのキスがやばい……💘たくやの反応も可愛い…
“恋をされる側の痛み”という言葉が良いなぁと思いました。
ゆいじを大切に想いつつ、幼馴染としての、友達としての関係性が変わっていくことをこわがるたくやの心理描写が丁寧に描かれていて素敵。
後半は、後輩×先輩と後輩の腹違いの弟の物語。
『バイバイベイビー』
遼太郎(後輩)と腹違いの弟ディディ、そして遼太郎の恋人である野々山さん(先輩)。
お互いを想ってるからこそケンカしてしまう2人をあたたかく見守りつつ、2人のために行動する弟ディディが可愛かったなぁ。
特に、ケンカしてるふたりを仲直りさせようとシロツメクサのお花をたくさんつんできて、おまじないをする様子とか可愛すぎる…🍀
ディディが大切にしてるロップイヤーのしらすも可愛い🐰
それから、野々山さんにディディが、「なんでいつも二人はケンカばっかりしてるの?ホントはもうお互いのこと好きじゃないの?野々山さんは遼太郎とバイバイするの?」と聞くシーンが良かった〜
そんなディディに対して、野々山さんが応えた台詞がめちゃくちゃ良かった……
「オレたちは若くて未熟だから どーでもいいことで腹立ったりつっかかったりしないと お互いの好きを確かめらんないんだよ」
“好きを確かめる”手段としてのケンカって、なんかあたたかくて良いなぁ。この先も一緒にいたいって想ってるからこそのケンカ、良い…
あとは、野々山さんのお姉さんの結婚のお話や、遼太郎の卒業式のお話も良かった〜
野々山さんを好きなのに、さびしくて傷つけるようなことを言ってしまう遼太郎の葛藤も切なくて…
そして、最後の「野々山さんとこうやって一緒に暮らせて 幸せなはずの距離にビビってうまくなじめなくて」「怖くて 不安で 勝手にさびしくなってた」という、遼太郎の台詞…めちゃくちゃ良すぎて…💕
この作品は、全体的に“好き”を丁寧に描いている感じが好きだなと思います。
恋愛感情としての好き、友達としての好き、家族としての好きなど…
徐々に関係性が変わっていく様子や心理描写が丁寧で、言葉選びも素敵でした😊
兄とその恋人を大切に想うディディやお姉さんを大切に想う野々山さんなど、家族愛も丁寧に描かれていてあたたかいなぁと思います。
この作品の登場人物はみんな、優しい人ばかりで読んでいてほっこりします(*^^*)