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真夜中の空、そして朝と今。


目が覚めた真夜中に、秋の星を見た。
 

昼間中私を苦しめていた頭痛は、一度眠るとおさまっていて、すっきりしていた。
立ちあがって窓を開ける余裕もある。
夜風が気持ちいい。

ここ最近の週間予報では、月曜日にずっと雨傘マークが付いていた。
すでに一面曇り空だろうと予想して窓を開けると、小さい雲が所々に浮かんでいるだけで快晴だった。
秋の星がちらちらとくっきり光って、東の空には半月に近い月まで昇っている。

どんな時でも、星空は私を元気にする。

まだ夜は長いし、体調的に寝ていなくちゃいけないのに、こんなに星が見えているのだからもったいないと窓際にぺたんと腰を下ろす。

南の空で目立つ明るい星が、夏の一等星ではないのはすぐに分かった。
明るい星がひとつ足りなくて、大三角形を描けない。

だとしたら、秋の星座の中で唯一の一等星である「フォーマルハウト」ということになる。別名、「秋のひとつ星」。

もうこんなに高く?

元々空の低いところで輝く星だから、南の窓から見えはじめる頃は、家々に隠れるか隠れないかのぎりぎりの高さなのだけれど、今は堂々と姿を見せて圧倒的な光で輝いている。

フォーマルハウトは「みなみのうお座」の星。
星座絵を見ると、1匹の魚がお腹を上に向けている。
今夜は数年ぶりに地元の夏祭りが開催されていたから、美味しいものを食べて飲んで、いい気分になっているのかもしれない。

時刻は0時を少し過ぎた頃。
まだまだ夏の星で賑わっているかと思っていたけど、次の季節の準備が着々と進められているようだ。

ということは、フォーマルハウトの真上で光るあの星は、位置的にみずがめ座の星ということになるけれど、それにしては明るくて目立ちすぎるのでは?

知識として星座を知っていても、実際の星空で辿るのは難しい。

意外と星が暗かったり、同じ明るさの星が多くてどれが正解の星か分からなかったり。本やプラネタリウムで見るよりも実際の星座の方が大きく見え、全体像がつかみづらかったりもする。
とくに、秋の星座は暗い星が多く難しい。

分からない時に頼りにするのが、国立天文台が提供する「今日のほしぞら」。

【今夜 星空】といったワードで検索すれば、そのページが上位に表示される。
私はブックマークに追加しているので、すぐに開くことができる。

窓を閉めて布団に潜り、答え合わせ。

検索条件 8/7 0:00

やっぱり、南の空に見えていたのはフォーマルハウト。
その西寄りにはやぎ座も見えていたようだ。あの寄り添った2つの星は、やぎ座の星だったのか。

フォーマルハウトの真上は......土星!

位置としてはみずがめ座になるけれど、惑星だった。
しかも0.5等級の明るさ。あんなに目立つはずである。

みずがめ座は一番明るい星でも三等星だから、土星の明るさに遮られて今年は探すのが難しいかもしれない。
みずがめ座を探す目印、三ツ矢マークの星の並びは、次回挑戦してみようと思う。

土星の形は、お菓子みたいで可愛くて好きだ。縁の付いた鈴カステラみたいなイメージが浮かぶからだろう。

以前に木星と土星が仲良く並んでいた年は、ふたつの美しい光を飽きることなく毎晩のように眺めていた。

手持ちの小型望遠鏡で、何とか土星の横に伸びた形を見てみたいと頑張ったこともあったが、低倍率にするとただの明るい点。
高倍率にすると、視野に入れるのが大変で、苦労して入れても形は判別できないほどぼやけていた。

(性能の良い望遠鏡が欲しいけれど置くスペースが無いから、近所に天文好きのお友達でもいないかなぁ、と思う。
友人が数年前に購入していたが、今は子育てに忙しくてゆっくり天体観察する時間は取れていないかもしれない。)

以前、noteの記事で“月は手に届かないからよい”というような文章を書いた。

もちろん知らないことを知ることができるようになるのは素晴らしいし、嬉しい。
だけど、想像力は時に実物よりも美しいものを見ることができると思っている。
(私は月にうさぎが住んでいると信じているし、その方がずっと楽しい。)

千年以上前に和歌に詠まれていた頃の月と、現代の私が眺める月の美しさは、果たして同じなのだろうか。



朝、さらにすっきりした頭で目覚めれば、空は青くてやはり快晴だった。
それからは、さっと空が暗くなったかと思うと一瞬だけ降って、すぐに止んだかと思うとぱっと陽が差し込んだりと、忙しい空もようを繰り返した。

午後になって安定した晴天が続き、入道雲が太く大きな腕を太陽に向かって突き出して、太陽も負けじとギラギラした光線を空いっぱいに、そして私の部屋にまでいっぱいに広げている。

(こうして投稿するか迷っている間にも、太陽が隠れたり出てきたりと常に変化しているのだけれど。)



今夜は、どんな星空が私に喜びをあたえてくれるだろうか。


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