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『3月9日』
3月9日にこの曲を思い出したのは、
きっと私だけではないはず。
レミオロメン 『3月9日』
私の大好きな曲です。
学生の頃にクラスで合唱したこともあって、この曲を思い出すと当時がよみがえります。
流れるようなきれいなメロディーは、始めから終わりまで心地よく、爽やかです。
サビの部分の高音は感情をのせやすく、聴き手としても歌い手としても気持ちが高まります。合唱したときのハーモニーも特に美しいのが、このサビです。
例えるなら、そっと私たちに寄り添ってくれる風のような曲。
この曲に出会って、私の中の3月のイメージが変わりました。
それまでは、卒業式や年度末を意識した“終わりの季節”だったり、冬ではないけれど春というにはもの足りない“中途半端な季節”だったりと、切なさと曖昧さを合わせ持った、宙ぶらりんなイメージを抱いていました。
この曲を聴いて、3月は“終わり”ではなく、新たな“始まり”であること、
切なさではなく光が射す希望を感じられるようになりました。
また、3月特有の“淡い春”が巧みに表現されていて、情景が浮かびやすく
“3月ってこんなに美しい季節だったんだ”
と、ハッとさせられました。
当時は、大人びたその歌詞を何度も何度も反芻して、自分なりに解釈を深めていきました。
今は、当時よりもすんなりと受け入れることができているように感じられます。
流れる季節の真ん中で
ふと日の長さを感じます
せわしく過ぎる日々の中に
私とあなたで夢を描く
3月の風に想いをのせて
桜のつぼみは春へとつづきます
溢れ出す光の粒が
少しずつ朝を暖めます
大きなあくびをした後に
少し照れてるあなたの横で
新たな世界の入口に立ち
気づいたことは 1人じゃないってこと
瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい
*私独自の解釈です。
1番は、流れゆく季節の儚さに過ぎ去った思い出を重ね、淡くはっきりと目に見えない春を意識することで、いつもそばにいてくれた人の大切さを噛みしめます。
そして光の描写は、春のやわらかさやあたたかさだけでなく、「その人」がいるからこその、心の温もりを表現しています。
1番を一言で表すなら「希望」です。
2番では「不安」が見え隠れします。
砂ぼこり運ぶ つむじ風
洗濯物に絡まりますが
昼前の空の白い月は
なんだかきれいで 見とれました
上手くはいかぬこともあるけれど
天を仰げば それさえ小さくて
青い空は凛と澄んで
羊雲は静かに揺れる
花咲くを待つ喜びを
分かち合えるのであれば それは幸せ
1番があたたかい黄色のイメージだとしたら
「空」や「風」、「月」などが出てくる2番は、青・白・透明などのイメージ。
どこか寂しげな印象を与えます。
“昼前の空の白い月”、
“羊雲は静かに揺れる”
日々生きていくうえでの不安、孤独。
それを、そばにいるあなたに分かってもらえたら嬉しい。
臆病になってしまうこともあるけれど、勇気を出して歩み寄り、分かってくれる人がそばにいる。
小さな、だけど大きな幸せを感じさせる歌詞です。
私は2番の方がとくにお気に入りです。
負の感情が、身近な風景を切り取って美しい言葉で表現されていて、切ない美しさが胸の中に広がり、聴くといつも、少し泣きたくなります。
この先も 隣で そっと微笑んで
瞳を閉じれば あなたが
まぶたのうらに いることで
どれほど強くなれたでしょう
あなたにとって私も そうでありたい
皆さんは「あなた」に誰を思い浮かべますか?
最後まで読んでいただきありがとうございました!
2023.03.10 朝