コンビニスイーツの思い出
コロナに罹ったかもしれない。
出社してから、隣の席の同僚が休んでいる理由を聞いて、自分の咳が気になり、早々に帰路に着いた。
太陽は1番高いところに上がっていて、直射日光を浴びたら焼けてしまいそうに暑い。
晴雨兼用とはいえここまでの暑さを想定していない折り畳み傘を、仕方なくさしながら歩く。
反対の手にはパソコンの入ったバッグを待ち、のろのろと歩いた。
ふと、家の最寄駅について、駅前のコンビニに新作のアイスが出ていることを思い出す。
数日前、気になっていた2種類のアイスがあったので、ここと、もう少し家に近いコンビニの両方を見て帰ったのだ。その時は面倒だからとまとめて家に近い方で買おうと思って駅前のコンビニでは何も買わなかったのだが、残念ながらそれぞれのコンビニにそれぞれ別の、ほしいアイスが売っていた。
結局片方の気になったアイスしか買えていなかったことをぼんやり思い出して、今日はこっちで買おう、と、駅前のコンビニに寄った。
コンビニに入ると、2、3人のお客さんが、各々棚やケースを見て回っていた。
私はほしいものが決まっているので、一直線にアイスのコーナーへ向かう。
ふと、ほしいアイスの隣にある別のものも気になる。一個だけじゃ、同居人に悪いから。体調すぐれないし、アイスボックスにポカリ入れて飲もうか。
そんなこんなで欲しかったもの以外に2つ、ほしいアイスひとつ、カゴに入れてレジへ向かう。
レジでは若い人がお会計中だった。
ふと、デザートの棚に目がいく。
クリームどら焼き50円引き。
いいな、でも今日はどら焼きの気分じゃないし、他にもないかしら。
50円引き…50円引き…、プリンパフェ。
こんな暑い中、これだけを買うとドロドロになっちゃいそうだけど。
今日はアイスも買うから、買っちゃおうか。
帰る時、暑すぎて荷物が多いことが煩わしく思う。
なぜ、こんな荷物の多い日に。
しかし、家について仕舞えばそんなもの、あまり気にならなかった。
ふと、プリンパフェを見て思い出す。
そういえば、わたしが体調を崩した時、母はいつもゼリーではなくてプリンパフェを買ってきていたな。
特段、ゼリーがいいとか言わない限り、母はコンビニやスーパーのプリンパフェを買ってきた。
中学生の頃、スポーツをやっていて、肺の辺りがぎゅうっと痛くなることがあった。
紹介状を書いてもらって、日赤病院へ通っていた時のこと。
大きい病院には長期入院している人も多く、地下一階にはクリーニング屋さんやコンビニなんかが入っていて、小さい病院しか行ったことのなかった私には不思議な感じがした。
検査の日は学校を休んで朝から病院へ行き、検査後にコンビニで買ったベルギーチョコプリンパフェだったかを食べて、帰ってからもゆっくり過ごした。
母は「今日はもう学校行かなくていいよ」と言った。
母がプリンパフェを買うのは、そういうことがあったからだろうか。
今日の自分が買ったのは、偶然のようでもあるし、何となく「体調の悪い時はプリンパフェ」が引き継がれているような気もする。
私が中学生の頃は、夏の大会の地区大会決勝戦、全国でも最高気温となる37℃を記録していた。
今では40℃を超えることもザラだが、今の学生たちはこんな最中に屋外活動をやっているのだろうか。
夏というのは本当に頭がぼうっとするのでいけない。
とりとめのないことをぼんやりと考えて、書き連ねてしまうそんな午後。