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紙からデジタルへ/ぷちキャリアチェンジの振り返り(後半戦)

どうも、後半戦です。

SansanでMobile版アプリのデザインを担当しております”ゆずる”です。
前半戦のハイライトはこちら↓

ハーフタイム中になぜ「プチキャリア」じゃなくて「ぷちキャリア」なのか誰からも聞かれなかったので勝手に説明すると、若干「プリキュア」に見えるからです。「プリキュアチェンジ」に見えるからです。

さて、色校時にダーマトで多めに指示入れするのがプロっぽくて好きだったデジタル原人の私が、UI・UXデザイナーとして逞しく前進していこうとするも、引き続きしくじっている後半戦にどうぞお付き合いください。(延長戦もあります…)


1.気になるのは
エンジニアの顔色

これは良くない話なのですが、ユーザーを見ずにエンジニアだけを見そうになっていた時期がありました。前半戦で記載した通り、「エンジニア」という職種の方とはじめて仕事をした私は、彼らを悪気なしに常に困らせていたわけです。そして、みんなをこれ以上困らせたくないマインドにシフトしていくのでした。

# エンジニアファースト思想

##ネガティブな共感能力
紙媒体のデザイナーだった当時、入稿ギリギリに編集やクライアントから修正依頼を受けた時に「イラッ」としたことがある。キャリアチェンジ直後、それと近い感情をエンジニアに与えてるのが分かり、豆腐メンタルの自分は若干の萎縮。過度に気を使うきっかけになっていった

##まずは開発が円滑に進むのか
-エンジニアの「そのデザインはちょっと厳しいです」に対して、対等に議論できる材料・知識を持っていなかったため、裏側のシステムの構造をよく知らないまま技術的にできないものと決めつけてうなだれていた(本当は聞けば優しく噛み砕いで難儀な理由を分かるように説明してくれるのに…)

-開発のしやすさ、工数の安さばかり気にするようになる(負の沼)

-新機能を開発する上で、コストは低ければ低い方が良いのは確かだが、ユーザビリティや体験を置いてけぼりにした機能は誰も幸せにならない。体験ちゃんの耳元で「未来でまってる」といって消えてはならないのである

もちろんこの思想で設計した機能はプロダクトとしてGOが出ません。(当時はデザイナー同士はもちろんCEOからのデザインレビューもありました)エンジニアの顔色を伺うだけの愚かさに運よく早々に気づいた「時をかけるおじさん」は「体験」と「コスト」のバランスに向き合うことからスタート。少ないコストで優れた体験と新しい価値をユーザーにお届けできちゃう神の一手の存在を意識し始めていくのでした。(なかなかそううまくいかないのだけど)

曇りなきまなこで顔色をうかがってる自分です

以上、後半戦の終了です(はやっ!)ライトな内容すぎて怒られるやもですが、前半・後半に分けて赤裸々に振り返りました。当時は分からないことが分からなすぎて、キーボードのさらに奥の方を見つめる時間が多めでした。おちこんだりもしたけれど、私はげんきです。これからUI・UXの領域に挑戦していく方の勇気に繋がれば嬉しいです。

ここまで悲しい過去しか共有できていないので後半を短めにして、最後に延長戦で現在デザイナー間で繰り広げられているとある営みをポジティブに共有してお別れとさせてください。明るくいきましょう!


2.自分の作っているプロダクトを
自分は使わない

出だしからネガティブなタイトルやんけという感じですが、おそらく自分が関わってるプロダクトのメインユーザーは自分ではなかったり、クライアントワークの場合であれば、自分が使ったことのないサービスを手がけるパターンの方が多いのではないかと思ってます。

自分が使ってるサービスのデザインを担当することは逆に珍しいと思うのです。(たぶん)

弊社のプロダクト「Sansan」でいうと、名刺をスキャンしてデータ化するところから体験はスタートするのですが、制作会社から転職した自分は名刺をもらうシチュエーション自体がほぼなくなっていたんです。

ビジネス的パッションでゴリゴリ案件を進めなければならない状況もあるのですが、自分がユーザーを知らないでいい理由にはなりません。

そんな中、我々はユーザーの理解を深めるための素材を集めながらユーザーになりきる筋力つけていこうと現在進行形で奮闘中です。

# リサーチとウォークスルーと私

##UXリサーチ部隊との連携
-まずはユーザーを知るとこからスタート。必要があればインタビューやアンケートなどをおこなう

-設計しようとしてる機能は本当にニーズがあるのかPdM、UXリサーチ部隊と連携し調査

-作ったPrototypeを顧客に触ってもらいユーザビリティをチェック

##ウォークスルー
-ここで言う「ウォークスルー」は立ち稽古、リハーサルなどの意味合いが強い。簡単に弊社のウォークスルー文化を説明する

1_Prototypeを作成
自分が設計した機能を、自分以外の人物に触ってもらえる環境を整える

2_状況設定
自分以外の誰かに協力してもらい、実際に利用するシーンを解像度高めにお伝えし、Prototypeを触ってもらう前に「状況」を設定する

3_フィードバックをもらう
ウォークスルーを依頼されたメンバーは、設定された状況の中の登場人物になりきってPrototypeを触り感想をシェア

-簡単に言うとイタコのようなイメージである。(怪しい)実際に利用するユーザーの魂を自身に憑依させ、そのユーザーの言葉で設計したデザイナーにフィードバックするのだ。(怪しい)
イタコ側のスキルもかなり重要だ。様々な職種の帽子をかぶれるようになれるのがベストだが、そんな人物は稀であり、それはもう本物のイタコだ。あとはもう想像力を最大限に使って憑依させるしかない

-もちろん社内外でターゲットユーザーに近い人物を探し出しウォークスルーしてもらうのがベストだが、時間は有限だ。手っ取り早くデザインをブラシュアップさせる手法として、デザイナー同士でウォークスルーし合う時間を週一で儲けている。我々デザイナーは設定された人物にリアルになりきる筋力も同時に鍛えており、イタコ側のスキルが高いと「ハッ」とするフィードバックを手に入れることができる

-ウォークスルーでもらったフィードバックを機能に反映し、時間が許す限りブラシュアップする

-これによりデザイナー間での承認をえるような「レビュー」は廃止された

延長戦はリサーチで足りない情報を補いながら、ウォークスルーで機能を叩いていくStyleを長々とシェアさせていただきました。このような営みで自分がユーザーになれないアドバンテージを埋め合わせています。(皆さんもだいたいそうですよね)この営みをフローとして取り入れたのは最近の話でして、他に良いStyleはないかまだまだ模索中ですし、これからもまだまだ確実に変わり続けていくんだと思います。


3.〆

前半・後半・延長と、お付き合いいただき有難うございました。兎にも角にも私は、UI・UXデザイナーとしてまだまだ道半ばなので、絶対にこんなシチュエーションは無いですが、道端なんかでいきなり「なんなんだよ!お前!」なんて言いがかりをつけられて、「デザイナーだよ馬鹿野郎!」って早く言えたらいいなと思っています。(浅草キッドに影響されてます)それでは、またお会いできる日まで、さよなら・さよなら・さよなら


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