カンボジアの空気を感じて~桐野夏生『インドラネット』読了
オンラインコミュニティのお仲間が読まれていてお薦めされてたので、装丁も目を引いた桐野夏生さんの『インドラネット』を読んでみました。
語り手・晃のかつての親友、空知(そらち)の父の葬儀がきっかけで、空知が行方不明であることを知った晃。非正規で働き、いい加減な日々を送る自分にもケリをつけるべく、カンボジアへと旅立ちます。
カンボジアでの出会い、空知の美人姉妹も絡んだ出生の秘密、カンボジアの重く暗い歴史…etcがスリリングに展開し、読んでいて一体どうなるのかとハラハラし、一気にのめり込んで読みました。
人探しという謎解きもありつつ、その背後にあるのはカンボジアの歴史的な部分。なんとなく、断片的にしか知らなかったカンボジアという国についても知ることができました。
これまで縁がなく桐野さんの作品を読むのはこの作品が初めてでしたが、これをきっかけに他の作品にもチャレンジしてみたいです。