しさく/観測
観測 ゆずりはすみれ
あの ひとつひとつに
数え切れないほどの
知らない 営み があって
それぞれに光っているのだと思うと
しずかに 恐い
砂粒 それ以下のちいさな いのち
育んで (育まれ)
ぼくもまた あそこからは同じ
砂粒 それ以下の
ちいさな いのち
恐いのは
生きている そのものが
あまりにも 広すぎるから
ぼくのこの ちっぽけなからだに
おさめきれないから
出会うことのない 星々
別れることのない 月日
それでも それぞれがそこに光って
しずかに 生きている と言う 意味
伸ばした手のさきで
ざりざりと 触れる
感触がした
見詰める 目のなかでも
痛いくらいに 散らばって
ぼくを埋めて行く
ぼくを包んで行く
数え切れないほどの
いのち