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あり得ない日常#82
「お、もういい時間だよ。」
オーダーストップ過ぎちゃった?
「まだ言われてないけど、ずいぶん話し込んじゃったね。」
「それでどうしようか。」
「オーダー?」
チーズケーキ食べたいな。
「そっちもだけど。」
「ああ、会社の話ね。」
「メディアサイトをまとめるのはどう?」
「それだと確かにイチからやらなくていいね。」
わたしもそれなら手伝えるかも。
「失敗したらどうしよう。」
「逆逆、失敗が普通。」
「そっか。」
そうなの?
「こういうのは10個やってみて1個うまくいくかいかないかだって。」
「そうかあ。」
由美さんは自分でもうある程度やってるじゃん。
「そうだけども。
共感してくれる人に助けてもらってるだけだよ。」
「だからいいんじゃない。」
「…なんかグッときちゃった。」
苦労した話、ずいぶん聞いたもんなあ。
あれ?わたしお邪魔かなあ。
「そんな、ことはないよねえ。」
「先輩には聞いててもらわないと。」
ずいぶん年下の先輩だけどね。
「あはは。」
「たまに鋭いですよね。」
なあに?いい雰囲気じゃん。
もしかして付き合ってたりするの?
「…んん、どうなのかなあ。」
「僕は嬉しいけどなあ。」
いいんだけど、仕事は仕事だからね。
「はい」
「よろしくお願いします」
「仕事ってさ、ある程度リスク取るじゃん。」
「そうね、単純作業ほどリスク取らないから安いんだよ。」
社長もその辺はわかってるでしょ。
「リスクなしにリターンなんか無いからね。」
「そうだね。リスク取らないでリターンだけ取ろうなんて考えが甘すぎるんだよなあ。」
「バレなければという考えが信用うんたらとか甘すぎ。」
なに?またハゲの話?
「そうそう。」
「時にはお客さんの代わりにリスク取るのも仕事なんだよねえ。」
「あれだよ?犯罪的なものは受けないけどね。」
それはそう。
「そうだね。そのリスクをどれだけ細かく分析して、ここまでならいけるって見積もりを出すのも仕事なんだよなあ。」
「もういっそ踏み込んじゃって相手と交渉したりもするしね。」
「本当に経営者なの?」
まさかエアプ?
「それは笑う。」
「笑える。」
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※この物語はフィクションです。登場する人物や団体等は実在する人物や団体等とは一切関係がありません。