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あり得ない日常#77

「マスコミが適当な事を言ってるからって、じゃあ個人も適当な事を言っていいっていう免罪符にはならないんだよね。」

 由美さんが珍しくそんな本音を語っているところだが、それはそうで、そんな人に集まる人もどうかと思う。

 あれから事務所を出て、せっかくだから3人で何か食べていかないかという話になって、ちょっと高そうなお店に入ったのだ。

「まあ過去のぬぐえない失敗をどうにかしようと、そんなふうにしか言い逃れ出来ないくらいに人間が浅いのは明らかだから、まだかわいい方じゃないの?」

 うん、かわいいかわいい。
まだいろんなのがいるから。

「基本的に関わらないのが正解だけどね。」

いやほんとそう。
「いやほんとそう。」


「――批判自体は仕方ないんじゃないの?」

まったく無いのも不自然だよねえ。

「一番格好悪いのは批判するだけ批判して、代替案を全く出せないクセに、なんかやってやった気になってるやつでしょ。」

「え?そんな頭悪いやついるの?」

「それも関わらないが正解じゃない?」

「そう。」
それはそう。


「――心理として褒めて欲しいのかなあ。」

「さあ?」
わかんないよね。

「すごいって思われたいとか?」

知らない 笑
「どうなんだろうね 笑」

 そうすることで、得られる何かがあるのかなあ。

「さあ?」
さあねえ。

 つまんなくない?


「大体、そんな人たちがまともにお金持ってるわけないでしょ。」

「それはそう。」

「やるだけいろんなものを無駄にしそうだね。」

「証拠だけ取って片っ端から裁判かけるとか?」

「あったね昔そういうの。」

「あったあった。」


※この物語はフィクションです。登場する人物や団体は架空であり、実在する人物や団体とは一切関係がありません。


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