「理解しあえる三人」のドラマ
こんにちは、柚希泰夢です。平凡な大学生をやっています。
今回はYouTubeドラマ『主人公』に登場する、芦田茜、岸拓巳、池田勇次郎の仲良し陽キャ三人組について。前回のnoteとは違いネタバレと解釈を多分に含みます、ご了承下さい(前回はこちら→ https://note.com/yuzuki_taem/n/na65bfa97bdf2 )
元々の関係性
三人は主人公の純太と同じゼミで、美男美女のキラキラトリオ。一話では三人連れ立って行動していたり、呑みの約束をしていたりという描写があります。作中ではっきり言及されてはいませんが、元々は同じ高校の同級生のようです。
深すぎる繋がり
さて、この見た目は陽キャ三人組。序盤はカースト上位組がつるんでいるような印象を受けたのですが、あまりにも、あまりにも三人の関係性が深過ぎて途中から目が離せなくなりました。ギャップ萌え、というやつでしょうか。
まず何よりも思うのが、茜ちゃんが二人に与えてきた影響が恐らく物凄く大きいんです。前半は岸くんと勇次郎のシーンが少なかったこともあり、より茜ちゃんを挟んだ繋がりが強いように思えました。二人とも茜ちゃんの、興味のあるものに一直線、裏を返せば"空気が読めない"、"配慮が足りない"性格に救われた部分も傷ついた部分もあったのだと思います。
特に茜ちゃんに助言する時の勇次郎からは、これまで彼が茜ちゃんに救われた部分と傷つけられた部分の両方が見え隠れして、それがもう…堪らなかったです。ずっと秘密にしていたことがあったからこそ、茜ちゃんに救われたことも傷つけられたことも、もしかしたら岸くんより多いんじゃないのかな、と勝手に思っています。これは完全に主観ですが、茜ちゃんといる時の勇次郎、めちゃくちゃかっこよく見えるんです。元々彼は茜ちゃんへの対応が大人びていますし。対照的に岸くん、ラストのゼミを除けば茜ちゃんと一緒にいてかっこいいシーンが少ない気が…それが「付き合ってる」ってことならどうすりゃいいんだ!!(笑)
ただ、凄くまっすぐで全く周りが見えていなかっただろう茜ちゃん。その気質は「どう思う?私ってダメかな?」と尋ねた時の勇次郎の若干驚いたような表情に現れていると思うのですが、勇次郎の以前の忠告には聞き耳さえ持たなかったのに岸くんに拒まれて初めて自分を省みるところで、やっぱり岸くんのことが好きなんだなあ、とは思いました。
茜ちゃんが与えた影響の話に戻しますと、勇次郎の「放っておいてくれ」精神の形成にも茜ちゃんの存在が関わっているような気もします。岸くんと茜ちゃんの付き合い始めた時期は分かりませんが、勇次郎はカップルとしての二人を見守り続けてきたわけで、彼の恋愛に関する発言の下地にはこの二人の存在があるのかな…と、妄想が止まりません。
そして彼氏としての岸くん。「茜といるのがしんどい」から距離を置くというのが、物凄く現代的で好きでした。茜ちゃんを一方的に責めたいわけではなく、「余裕に合わせる余裕がない」自分への苛立ちが伝わってきました。岸くんが「茜にどう映ってる?」と尋ねるのも良いなあと。いつも通りなわけがないと気付いて欲しかったのか、と訊かれるとまた違うのかもしれませんが。
恐らく勇次郎は気付けると思うのですが、自分のことで色々あったから放っておいたのかもしれませんね。彼は茜ちゃん以外にはあまり干渉しない印象があります。
男の友情の形
前半は岸くんと勇次郎のシーンが少ないと書きましたが、六話の岸くんと勇次郎が座って話すところは自分の中で一、二を争う大好きなシーンです。ずっと一歩ひいて余裕を持って周りを見ているか、大介相手には一歩先を強引に歩いているイメージしかなかった勇次郎が、「ビビリで強がり」と言われ素直な表情を出していて、しかもそんな彼にはやけに対応が大人な岸くんも可愛いし…やっとこの二人の関係性が見えた気がしました。
勇次郎は茜ちゃんに比較的具体的な助言を度々していますが、岸くんへの助言には"同じ男として気持ちは分かるけど"という前提が見えます。この男の友情感、お互いがお互いを理解しているから故に干渉しない感じ、最高です。ミステリアスな立ち位置で「放っておいて」欲しい勇次郎ですが、岸くんに対しては意地でも隠し通す気はなかったんじゃないのかなあ。このシーンまで岸くんと勇次郎の関係が良く見えず、茜ちゃんを挟まないと繋がりが感じられなかったので、もっと序盤で二人の絡みを見たかったです。
あ、最後のゼミで勇次郎が大介と前に出て話している時の岸くんの表情、あれも最高ですよね。
理解しあい、変わっていける関係
ここまで書いてきたようにこの三人は中学高校で言うところのクラスカースト上位系集団かと思いきや、関係が深すぎます。だからこそこの三人が絡む問題にだけ純太は関わっていません。絶対過去に何かあったでしょと邪推したくなりますし、確かに三人とも欠点はありますが、それを欠点にしない付き合い方が上手いなあと。
岸くんは就活という壁にぶつからなければ本気で茜ちゃんの「空気の読めないところが好き」でいつづけたんでしょうし、勇次郎も自分から指摘しようとはしなかったと思います。しかし就活という壁があり、岸くんと茜ちゃんはすれ違ってしまった。でもこのすれ違いは遅かれ早かれ訪れていたでしょうし、すれ違いを乗り越え関係性を考え直すことで、相手に依存しない、もっともっと素敵なカップルになれると思います。作中では自分を見失ったり、自分を見つめ直すことをしいられていたりしますが、元々はしっかりとした"自分"を持っている印象が強い二人なので。ただ何だかんだすぐには復縁しないのでは…勇次郎がもう自分の口出しは要らないだろうというスタンスで見守るのか、それとも発破をかけるのか、気になるところです。
「理解しあえる三人」の話は以上です。作者の勇次郎推しが顕著に出てしまった気がするのですが、いかがでしたか?(笑)
勇次郎好きです、解釈のしがいがあるというか考えれば考えるほど目が離せなくなるというか。お洒落キャラが好きなので、単純にタイプなだけかもしれませんが(笑)
最後に。岸くん酒屋になっていましたが、数ヶ月に一度で良いので三人でお店のお酒買い込んで宅呑みしてもらえれば自分は満足です。あの大きなベッドのある某勇次郎宅とかどうかなと思ったのですが、彼は岸くんと茜ちゃんでさえ部屋に上げそうにないので岸くんのお宅で。酒代も全部岸くん持ちで良いので、お願いしますね。