君がいるだけで 心が強くなれること
その曲を聴くと、かつての自分を思い出して、涙が浮かんでくるものが1つや2つあるかと思いますが。
私にとってそれは、米米クラブさんの「君がいるだけで」になります。
これは中森明菜さんが出演していたドラマ「素顔のままで」の主題歌でした。
デビューした時から中森明菜さんのファンでしたから、この曲が主題歌だったドラマを見ているうちにとても好きになりました。
このドラマが流行っていた頃、私は幼い長男を、ほぼワンオペで育てているような状態で。
21歳で結婚してすぐにお母さんとなりまして。
結婚するまでは、私のことを大切にしていてくれていたはずなのに、結婚して一緒に暮らして3日目に、顔の側面を殴られて、そのまま壁に激突して意識がブラックアウトしました。
その時私は妊娠の7ヶ月。
人生に心から絶望した瞬間でした。
理不尽なことを要求されても、人格を否定されても、私の意思が何一つ反映されない日々でも、どこに地雷があるかわからないので、ずっと笑顔を貼り付けて受け入れる一択の生活。
若くて経済的にも厳しい中で共働きでしたし、なのに家事をおろそかにすると叱責されるので、すべてにおいて手が抜けない日々。
いつも人生にどこか絶望していたのですが、この歌を歌うと本当に心が強くなれたのです。
幼い頃から、母親に生きる価値がないとか、生まなければよかったとか、役立たずとか言われて育ったため、自分はこの世界に生きていて良い人間じゃないとどこかで思っていました。
誰かが私のことを好きだと言ってくれても、それは私が無意識で作り出した表面的な何か(なんなのかは自分でもわからないけれど)を見て、勘違いしただけで、きっと母親のいう「あんたの本性は腐っている」的なもの(それも何かよくわからないけれど)を見たら嫌いになると思っていました。
問題は普通に生きているつもりだったので、自分が何を表面的に作っているのか、また、母親の言う性根が腐っている部分が何かわからず、どうすればちゃんと生きられるのか困惑していたところですが。
ちなみにこの呪縛は、鬱病でカウンセリングに通った時に、一番最初に母にこの言葉を言われた記憶は四歳くらいであるとつたえると、
「そんな幼児に母親がそんなセリフを言っているシーンを思い描いてみて」と言われたことで、あ、母親がおかしいと気づけて(笑)呪縛から解放されました。
でもそれまではずっと自分が性根が腐っている,生きていては行けない人だと思って暮らしていたので。
そんなふうに生きてきて、初めて、この世界で私のことを心から必要としてくれる存在ができたのです。
長男は、リアルに私と言う存在がいないと生きていけませんでした。
なぜならワンオペでしたから(笑)
でも少なくとも私はこの子の役に立っている。
この子にとって私は必要な存在なんだと言う思いが、少しだけ私を肯定してくれたのです。
こんなママでごめんねとは思いましたが、だからこそこの子のためにできることをしていこうと一生懸命になれたのです。
どんなに理不尽なことをされても、どんなに暴力を振るわれても、その翌朝、保育園に行くために子供を自転車の後ろに乗せて、この歌を大声で歌うと元気が出ました。
だから今でも、この歌のイントロを聞くだけで涙が出ます。
次男や長女との思い出の歌もありますが、それはまた別の機会に。
ちなみにあまりにも好きすぎて、この歌と世界に1つだけの話は、出だしで泣いてしまうため、フルで歌えません(笑)