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【出雲神話を巡る】神々がやってくる砂浜~稲佐の浜

2023年5月20日から24日まで「出雲神話」を巡る旅 にでました。
まずは最初に行くと良いとされる稲佐の浜へ。

実はバスで巡るつもりでしたが、出雲に住む友人とお茶をする予定になっていて、時間を決めようとこの日のスケジュールを送ったら、
「車出します。1日案内します。行きたいところ全部言ってください」
と言ってくださり。
バスの便が悪くて諦めたいくつかの場所に行けることになりまして。
出雲市駅にまで迎えにきてくださり、稲佐の浜まで車でひとっ飛びでした。

ここは出雲大社の正門から西へ1kmほど進むとある海岸です。

稲佐の浜にある弁天島。

今は砂浜になっていますが、ここはかつて海だったので、「海岸にある岩」ではなくあくまで島なのです。かつては稲佐湾のはるか沖にあったため、「沖ノ御前」とか「沖ノ島」と呼ばれていました。

弁天島のそばまで来ました。
島の上部には、神仏習合の頃までは「弁財天」が祀られていましたが、明治時代以降、「沖御前神社」 として、豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)が祀られています。

ここは古事記に出てくる「国譲り神話」や、出雲風土記に出てくる「国引きの神話」が行われたとされる浜。

出雲市駅にあった「国引き」のイラスト
この浜のすぐそばにある奉納山の展望台から見た須佐の浜

弁天島があるあたりから浜の奥へ15分ほど行くと、大国主大神と建御雷之男神が「国譲りの交渉」をしたと言われる屏風岩があります。
今回は時間の都合でそこまでは行けなかったので展望台から眺めました。

うんと小さく見えているようです(遠くからなのでよくわかりませんでしたが、ここがそうだと看板が出ていた位置を撮影しました)
奉納山展望台はこんな感じ。
稲佐の浜を一望できるので、せっかくだからこちらにもぜひ足を運んでみてください。
稲佐の浜から徒歩5分ほどの場所にある「出雲大社摂社上の宮」
ここで八百万の神々が集まって会議をするのです!!

ちなみにその全国の神様が集まる会議は「神議り(かみはかり)」と呼ばれています。

実は311の直後に夢で、神様が海から砂浜のある場所に集まって会議をする場面を見たのです。

目が覚めて、あの場所は行ったことがないけれど、神々が集まるとされる「稲佐の浜」なのかもと思いました。
実際に訪れて、そうそう、こんな白砂の浜だったと。
あの時の色に空気がとても良く似ていた。

やっと来れたよ、神様!

初めて浜を見た時の感動再び😆

出雲大社に行く前にこの浜に来て身を清めるのが正しい順序です。
そんな浄化の海水ですので、早朝に海水を汲み上げて3日間釜で焚いたお塩が神門通りの「かみしお」さんで売っていました。
なので買って帰りました(笑)


お土産用にたくさんいただきました。

この浜の砂を頂き、ビニール袋などに詰めて出雲大社にお参りし、本殿後ろの素鵞社の社の下にある砂と交換して持ち帰ると、願いが叶うと言われています。

海岸に行くと皆様、この弁天島の周りの砂を掘っておられるみたいで。
私もそこで頂くことにしました。

岩のそばの砂を掘り、札幌から持参していたジップロックに入れました。

稲佐の浜から出雲大社までは「神迎の道」という神様が通られる道があるのですが、それより一本山側にある道にも摂社がたくさんありまして。
ちなみにその通りは歌舞伎で有名な出雲阿国の石碑などがあるため、「阿国の道」と呼ばれています。

空港にあった阿国の像

稲佐の浜のマニアック情報なのですが。
(あくまで個人的な怪しい意見と読んでください)

実はこの稲佐の浜「砂鉄」が取れます。
子供の頃、磁石にビニール袋を被せて砂をガーッとこすると、砂鉄がビニール袋にくっつく実験をしませんでしたか?
小樽は砂鉄が多い土壌なのか、その辺でよく砂鉄がくっつくため、調子に乗ってあちこちで探して、とれる土壌と取れない土壌がなんとなくわかりました。(子供の頃からマニアック)

稲佐の浜で取れる砂鉄は純度も高く、特有のタタラ製法で純度の高い「玉鋼(たまはがね)」ができるのです。
その玉鋼を叩いて伸ばして日本刀を作ります。
「鬼滅の刃」で選定試験の後、日輪刀を作るための玉鋼を選んでくださいという台詞が出ていましたよね。(見てない人には伝わらないけど)
あの、玉鋼です。
それを叩いて日本刀を作るのです。
鬼滅の刃の鍛冶師たちが被るひょっとこのお面にも深い意味があります。
あれは「火男」と書くのですが。
ひょっとこで有名な安来節は、島根の安来市のもの。
純度の高い「玉鋼」が取れるのは島根のこの辺だけとされ「ドジョウすくい(安来節)」は「土壌すくい(砂鉄をすくう)」の変化したものでは?と言われています。
ひょっとことタタラ(製鉄)が関係ある説は長くなるのでいつかの機会に書きますが。

この浜で砂鉄が取れるのは、国造りの上で大変重要なのです。
武器の原料の純度の高い鉄が、自分の領土で取れる場合と、敵の領土でしか取れない場合を考えてみてほしいのです。
その武器の原料が取れる土地をどんな卑怯な手を使っても欲しくなるでしょう?
国譲りっていうか、国譲らせっていうか、国譲らんとこ〇すぞっていうか(あ、叱られること書いたかも)。
これが古事記と出雲神話の奥にあるテーマ。
これもまた別の機会に(笑)

島根県立古代出雲歴史博物館に展示されていた銅鐸(これは鉄ではなく銅)

稲佐とは「鋳成(イナリ)」つまり製鉄から来た名前とも言われますし。
実はね、全国の稲荷と名のつく場所は鉄が取れる場所があるとされます。
銭洗いも砂鉄をすくっている説あるし。

つまりこの稲佐の浜の砂を持ち帰ると豊かになるのは、「古代の人々に豊かさをもたらしてくれた砂鉄が含まれる砂」を持ち帰るから、人々にも富が約束されるのかな?と。
穿った意見かもしれませんが、私はそう睨んでいます(笑)

さあそれでは、途中の摂社をお参りしながら出雲大社を目指します。

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