ばらの妖精 〜「ひと色展2023」に寄せて〜
悲しんでいるあなたに会いにきました。
あなたの家の前で、だいじに育ててもらっていたばらです。
工事のために根本から掘り返されて、地面に埋められてしまった時は、怖かったです。
あなたのお母さんが、
「自分で元の場所に植え直すから、ばらだけでも、どこかによけておいて欲しい」
と言ってくれたのに、工事の人はそんな余計なことはできないと、断りました。
真っ暗な世界で、私はどうなるのかと思いました。
でも、やさしい微生物さんたちのお陰で、静かに土になることができました。
今ではほかの草花や木々を育てています。
ずっと私のことを覚えていてくれて、ありがとう。
あなたの優しさが、いろんな人やものに向けられていること、私はちゃんとみています。
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イシノアサミさんとのコラボ作品です。
子ども時代の思い出を基に書きました。
【色】キナクリドンマゼンタ“大好きを守る色”
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