サマータイムサマータイム ~花火見逃しからの空港ぶらぶら~
2018年8月某日《ぼうじつ》、花火大会に行こうとした。
肉眼で花火を見るのは、2016年の冬以来。
間に合うだろうか……?
別の用事を済ませてからの移動。
綱渡りのスケジュールだった。
……綱を渡り切れなかった。
ちょうど終わった頃に、会場最寄り駅に着いてしまったようだ。
あ~あ、ガックリ。
そうだ、もう少し先に行けば空港がある。
せっかくここまで来たなら、空港まで行くことにしよう。
電車を降りたホームに戻り、空港行きの電車を待った。
電車が来るのは20分先。
少し長く待たなくてはいけないけど、反対側のホームの込み具合を見ると、なおさら戻る気にはならなかった。
「中部国際空港」駅の改札を出て「スカイタウン」に向かうと、階段のラッピング広告にピカチュウとイーブイが居た。
喉を潤《うるお》そうとフードコートに行き、特急列車の中でお弁当を食べたことを、少し後悔した。
お馴染《なじ》みのチェーン店に、空港限定メニューがあったからだ。
次に来る時には、その季節のメニューに変わっているだろうな……。
外を眺められる席で、ゆっくりとアイスティーを飲んだ。
夜なので、窓ガラスに自分の姿が映ってしまい、思ったほどいい眺めではなかったけれど。
目的の「スカイデッキ」に出た。
夜風《よかぜ》が心地いい。
会場最寄り駅に向かうことしか考えていなかったけれど、きっとここからも花火が見えたんじゃないかな?
地元の人によると、会場最寄り駅と空港の間の駅付近でよく見えるという話だけれど。
案外、みんな考えることは似ていて、その3つの駅周辺は混雑するんだろうなぁ。
外を眺められる席が空いていたのは、花火大会が終わったあとだったからかもしれない。
タラップから飛行機に乗り込む人達の姿が見える。
どこに向かう飛行機だろうか?
飛行機が停まっているエリアよりも海側のほうは、青や緑のライトで埋まっていて、綺麗だった。
少し、雨がパラついた。
傘は晴雨《せいう》兼用のものを持っていたので、困りはしなかった。
パラついた雨はすぐに止んだけれど、ノースリーブの服から出ている腕だけが冷えてきて、スカイデッキを後にした。
飲食店などが立ち並ぶスカイタウンでは、もう殆《ほとん》どの店が営業を終えていたものの、お酒が飲める一部の店は賑《にぎわ》わっていたし、通路にも結構、人が多かった。
ターミナルビル1階のコンビニは、レジ待ちの行列が店の外にまで伸びるほどの繁盛《はんじょう》ぶりだった。
そんなだから、帰りの電車も予想より込んでいた。
たまには、郊外《こうがい》の夜景を眺めてみるのも悪くない。
ネオンライトや街灯《がいとう》だらけの夜景に慣れた私には、灯りがまばらに見える夜景は新鮮だった。
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