夢見たポップコーンと生ジュースのお店
夫が生ジュースを作ってくれた時、次はポップコーンを食べながら生ジュースを飲みたいと言った。
願いは、翌週叶った。
包丁さばきの良い夫が、ぬるつくアロエには苦戦しているのが微笑ましいのと同時に、ケガをしないか少し心配だった。
「トゲだけ切って、皮はそのままにしたら? ミキサーで細かくなるよ」
と提案したら、首を振った。皮を剥いて入れたいという。
先に生ジュースを作り、ポップコーンを作っている間に冷蔵庫で冷やしておいた。
ポップコーンを作る夫は、やはり楽し気だ。
見ている私も楽しくなる。
夫は、本当に可愛らしい。
ポップコーンは順調に完成した。
生ジュースをコップに注(つ)ごうとした時、ジュースの水分が少ないように感じて、水を足してから、もう一度ミキサーを回した。
程よくサラッとしたジュースを注(つ)ぐと、夫は満足そうにポップコーンとジュースを運んだ。
ポップコーンもジュースも、美味しくてたまらない。
ますます夫が愛おしくなる。
「ねぇ、ふたりでお店やりたいね。ミキサーで作ったジュースは、安くても1杯300円くらいで売れるよ」
「売れんかった分は捨てることになるろ?」
「お客さんにジュースにしたいフルーツ持ってきてもらえば、もう少し安く売ることになるけど、無駄にする分がなくていいんじゃない? 一緒にポップコーンも売ろうよ」
「そうだな。ポップコーンは作って置いといてもいいし」
ふくらむ夢。
頭の中では、すっかりお店ができあがっていた。
***
三部作の3作品目です。
1作目 『ポンポン♪ ポップコーン』
2作目 『生フルーツジュース』
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