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小久保柚香短歌集(2021年1月~2022年10月) 

はじめに 
 大松達知先生と穂村弘先生の影響で短歌を作ることに興味を持つようになりました。
 2020年10月末にNHK学園の短歌入門の受講を開始して、紆余曲折はあったものの投げ出さずに修了することができました。
 終了後も細々と短歌を作っています。
 「一年の計は元旦にあり」ということで、今まで細々と造った短歌をnoteにアップすることにしました。
 あまり上手くありませんがご笑読ください。
 今年2023年は一首でも多く短歌を作っていきたいです。

~小久保柚香短歌集~(2020年11月~2022年10月)

コロナ禍に配信で観る落語会演芸場に行ける日願う

賀状来ぬわかってはいるでも寂し喪中の我を慰む蜜柑
深夜2時眠りに入る我を刺すカブの音追う猫の鳴き声
死にたいとつぶやく私今ここに一年前と変わらず生きる
(2021年1月作)
昼下がり客のまばらな西武線骨壺を抱く老父に日射す
桜・梅・桃のほころぶ散歩道何があっても季節は巡る
(2021年3月作)
病ある我を案ずる友人に短く強く生きると誓う
コロナ禍にありて止まりし掲示板見つつ演奏響く日願う
(2021年9月作)
コロナ禍は様々なもの遮断する道で寝転ぶ猫に触れず
スーツ着てパンプスはいて面接に五十路を前に新たな私
パン屋さん・寿司屋・居酒屋・仕出し屋に顔出し生きるたくましき猫
勧められ染めた髪色父が持つペンのインクのブルーブラック
(2021年10月作)
亡くなったポップスターのバースディ歯を食いしばり生きるを誓う
エアコンが私の代わり涙したそんな気がして愛おしくなる
(2022年8月作)
どうしても黄身が片寄る目玉焼きそれもいいかと思えるように
心臓は真ん中にないあの人が教えてくれた命の不思議
(2022年9月作)
ハクビシン君に似てると言う貴方ほほえむ私実は害獣
バクとバグ音は似てるがエサ違うバクは夢食べバグは時間を
(2022年10月作)