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意識低くない系大学生の休学日記:3 (2022年1月25日)

昨日の日記があまりに内容が酷いので、今日は真面目に筆を取ろうと思う。

とはいってもそこまで真面目に書くこともないので、後輩のnoteに載っていた議題に対して勝手に答える。ネタ乞食乙。

<議題>

人間を含む特定の何かしらを愛することで得られるモノが、そのために払う代償よりも大きいことってあるんだろうか?


まず大前提。

この話をするならば、この議題は「愛」の定義から始めなくてはならない。

とはいえ、そんなことをここに記すには余白が狭すぎる。

この人もそんなところの話をしたいんじゃないだろうから、ここでの「愛」は『「恋愛」や「結婚」や「推す」といった行動全般』としてざっくりと定義したい。

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①に対する結論。

・代償よりも大きいリターンを「認知すること」は十分に可能であり、そういう意味ではそれは存在し得る。

・しかし、その場合において実際に釣り合っているかどうかは捨象されている。

・払った代償の多寡を定性的に評価することで、客観的に判断することは可能だが、当事者の主観では判断が不可能。

(解説)

基本的に「愛」はDNAに刻まれた本能的な行為であり、それから逃れることは原則的にはあり得ない。もちろん一定確率でそれから逃れてしまう人が人類全体で見渡した時には発生してしまう。それは人間としては一種のバグだったり、進化だったりするのだろうが(ここではその是非善悪については問わない)、大抵の人間は逃れられない。

人間誰しもが何かしらの形で「愛」に溺れている。

そして、「愛」は突き詰めると「生殖本能」と言い換えても良い。

「愛」によって「生殖(種の保存)」というリターンを得るのだ。

「本能」というと二元論的に「理性」と相反する要素として「反理性」という形で理解されがちだが、それは半ば間違いと言える。

実際の「本能」というやつは、「生存競争において種が獲得してきた自動生存システム」であり、それを支えているのは、「種の保存という観点における究極的な理」である。また、「本能」がすべての行動の下支えになっており、「理性」というのは人類が発現した特異な能力である。

人間以外の種を見てみればわかるが、彼らには人間における「理性」がない。それでも立派に生存競争を生き抜いているのだ。人間が生み出した「理性」というのは、あくまであった方が都合が良いというだけであり、なかったとしても生きていけたはずだった。”高度な理性を持ちえなかった私たち”というifの姿が、猿だったりオラウータンだったりするのだろう。

少し話が脱線するが、

「俺は三次元無理、二次元LOVE」という言葉がオタク界隈では日常茶飯事にやり取りされているが、それはあくまで「三次元での生殖不可能性」によって生じた生殖本能との矛盾を「後付け」で埋め合わせたにすぎないと私は考えている。それがアイドルであれ、小説の登場人物であれ、無機物であったとしても変わらない。「本能」は究極的な理であるが故に、矛盾を許せない。

 「後付け」というのもミソである。

「後付け」という話については後輩も指摘していたことであったが、それについては私も同意しておく。

ただ、社会心理学や心理学をかじっている人間として、少しばかりのエビデンスを提供しておこう。

ご存じだろうか。人間には「後付け」にまつわる心理がたくさん存在していることを。

一例を挙げよう。以下はwikipediaより引用した。

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(フェスティンガーによる喫煙者の実験)

①喫煙者が喫煙の肺ガンの危険性(認知2)を知る。
認知1: 私、喫煙者Aは煙草を吸う
認知2 :煙草を吸うと肺ガンになりやすい

このとき、認知1と認知2は矛盾する。「肺ガンになりやすい」(認知2)ことを知りながら、「煙草を吸う」(認知1)という行為のため、喫煙者Aは自分自身に矛盾を感じる。そのため喫煙者Aは、認知1と認知2の矛盾を解消しようとする。

②自分の行動(認知1)の変更
認知3:(認知1の変更) 私、喫煙者Aは禁煙する
認知2 :煙草を吸うと肺ガンになりやすい

一番論理的なのは認知1を変更することである。「喫煙」(認知1)を「禁煙」(認知3)に変更すれば、「煙草を吸うと肺ガンになりやすい」(認知2)と全く矛盾しない。

これが小さなことならば、自分の行動を修正または変更することで足りる(例えば、漢字を間違って覚えていたならば、正しい漢字を覚えなおせばよい)。しかし、喫煙の多くはニコチンに依存する傾向が強いため、禁煙行為は苦痛を伴う。したがって、「喫煙」(認知1)から「禁煙」(認知3)へ行動を修正することは多大な困難が伴い、結局は「禁煙」できない人も多い。その場合は、認知2に修正を加える必要が生じてくる。

新たな認知(認知4または認知5)の追加
認知1: 私、喫煙者Aは煙草を吸う
認知2: 煙草を吸うと肺ガンになりやすい

認知4: 喫煙者で長寿の人もいる 認知5 交通事故で死亡する確率の方が高い

「喫煙者で長寿の人もいる」(認知4)を加えれば、「煙草を吸う」(認知1)と「肺ガンになりやすい」(認知2)との間の矛盾を弱めることができる。そして「交通事故で死亡する確率の方が高い」(認知5)をつけ加えれば、肺ガンで死亡することへの恐怖をさらに低減することができる。

なお、アメリカの煙草会社はキャンペーンで以下のように主張する。

煙草を吸う人が肺ガンになりやすいのは、煙草が肺ガンを誘引するのではない。ストレスを抱えている人がストレスを和らげるために煙草を吸うだけであり、ストレスが要因となって肺ガンを引き起こすだけで、煙草と肺ガンの間に因果関係はない。

この主張は「煙草を吸うと肺ガンになりやすい」(認知2)を変化させることで、認知的不協和状態を解消させようというものである。


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このような現象は社会心理学において、

「認知的不協和」

と呼ばれる。人が自身の認知とは別の矛盾する認知を抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す心理のことを指し、人はこれを解消するために、矛盾する認知の定義を変更したり、過小評価したり、自身の態度や行動を変更すると考えられている。

他にも「後付け」にまつわる心理としては「後知恵バイアス」などと呼ばれるものもあったりする。

とにかく、人間は矛盾したものを「後付け」で修正する機能が備わっている。

話を戻そう。

・代償よりも大きいリターンを「認知すること」は十分に可能であり、そういう意味ではそれは存在し得る。

と上記では述べた。

「愛」は「生殖(種の保存)」というリターンを得る行為であったのが、そのリターンが得られないときに、人間はどうするか。

認知を歪めるのである。

例えば「三次元無理、二次元LOVE」もその一種だろう。本来は三次元に向いていた「愛」の対象を変更することで、行き場のない「愛」を後付けで埋め合わせている。

そして「愛」が深まれば深まるほど(代償が大きくなればなるほど)、その「愛」との釣り合いを取るために(矛盾を無くすために)、得られたリターンを大きなものとして誤って認知してしまう。

だからこそ、「認知する」ことはできる、なのだ。

・しかし、その場合において実際に釣り合っているかどうかは捨象されている。

・払った代償の多寡を定性的に評価することで、客観的に判断することは可能だが、当事者の主観では判断が不可能。

これは「ソシャゲのキャラに何十万課金する」という行為を見てみればわかりやすい。それ自体の是非善悪は置いておいても、釣り合っていると評価する人間は、客観的に考えて多くない。

とはいえ、その判断も容易ではない。“定性的”と書いたのは、このような認知は個人差が大きい所であり、支払った代償が定量的に判断できないケースも多々あるからだ。

また、「愛」を実践する当事者には判断がつかないということに関して、「恋は盲目」という言葉がある。

これはかなり的を射ていて、実際に恋愛感情を抱いている人と対面した時に、人間は「30分先のことまでしか予測できなくなる」という実験結果がある(どういう実験だったかは忘れた)。思考力の低下が著しいので、理性が働かなくなるのである。

これで私の出した結論①に対する解説は以上となる。

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なんだか昨日までの記事とは打って変わって真面目に話をしてしまったな。

一応述べておくが、テキトーに理屈をこねくり回しているだけで、全部が全部正しいわけじゃない。あくまで私の持論であることに留意してほしい。専門家でもない奴の意見なんて「そうなんだー」くらいに思っておけば良い。

考え込んで長い時間執筆してしまった。非常に疲れた。

私の生気がnoteの紙面上から滲み出て、読者の脳を破壊してくれそうな気がする。

本当はこれに加えて続いている質問があったのだけど、それについてはまた別の形で答えようと思う。明日かな。

今日の話?

・期末試験一個を受けたよ。

・激ムズの期末試験をサボり落単確定となった講義の教授からメールが来た。出席率を勘案して、一部の人は課題提出することで単位を認めるとのこと。試験以外は全部出席していることが功を奏した。しかし、文字量と内容がエグい。金曜までとか言ってるし、無理だろこれ。

・マスターデュエルをTCGサークルの先輩とやった。

・Eランをやる予定だったのにサボったことに今気づいた。

(おわり)


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