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【第二回】一人関ジャム。アカツキの詩 / スキマスイッチ編


もうね。スキマスイッチのアカツキの詩が好きすぎてしんどい。


好きなメロディと好きな歌詞ってバラバラだったりするんだけど、アカツキの詩に関しては違う。

一番好きなメロディに一番好きな歌詞が乗っちゃったら好きになるしかないやんけ。

守ろうとした手のひらで握りつぶしてしまうよ

ココ。

同じ手のひらでありながら、守ることもできるし、握りつぶすこともできるっつー、手のひらの諸刃の劔感。

「言葉は笑わせることも悲しくさせることもできる」に通ずるジレンマを感じる。

「握りつぶす」っつーワードチョイスに関して言うと、現在進行形の恋愛における自分の日々の失敗を過剰に表現してるっつー説もあると思うけど、今日は別の説を提唱したい。

まず、この歌は別れた元カノに対して歌った失恋ソングであり、握り潰してしまったそれは彼女の「抜け殻」だった説。

大切にしたくて、言葉で縛ってがんじがらめ

別れてしまった今、思い出してみると、自分は、ただただ彼女を大切にしたい一方で、言葉で縛ってがんじがらめにしてしまっていたけど、あの時既に、彼女の心は自分の手の内からスルリと抜け出してしまっていた

絡まった中には君の影も見当たらない

自分からしてみれば「守る」という体裁で繕って、かこつけて、言葉としてカッコよく塗り固めてるけど、実際、彼女からしてみれば、それはただの「束縛」でしかなかった。

束縛には二種類ある、それは相手のための束縛か、自分のための束縛か。

ここでの束縛は彼女のための束縛というよりも、自分のための束縛。

この意識と価値観のすれ違いの描写が上手すぎて、はい、もう、ひたすら好きです、ってなる。

この二人の価値観のすれ違い、行き違いっぷりは、歌の随所に散りばめられている。

僕は鏡越しの自分をみていた 君がみていたのは紛れもなく、僕だったのに
からかいあってたはずなのに いつの間にか 冗談に聞こえなくなって 気づけば 君は泣き出してた
多くを欲しがったら揺らぐバランス

自分のことばっかり見ている、自分のことが大好きな自己中心的な主人公。

頭ではわかってはいるけど、口に出す言葉にちょっとトゲがあったりして、怒らせてしまう、距離感測りベタな不器用タイプ。

そもそも、「守ろう」って言う言葉から滲み出る亭主関白感。

さっきも言ったように、"守ろうとした手のひら"の「守ろう」っつーのは、自分の行為を正当化するための繕った言葉に若干聞こえちゃう。

だって、この人は彼女のことは見てないし、自分のことしか考えが及んでないもん。

つまり、この歌は、亭主関白型の傍若無人の恋愛不器用マンが主人公として描かれてるわけだ。

PVではロボットの巨神兵みたいなのが出てくるけど、これはきっと"不器用な象徴"として描かれてる。

愛情を注いでいれば、花も咲くと信じ込んでいた。

うん、やっぱりいわゆる『釣った魚に餌をあげない』タイプの男であり、そりゃ彼女は冷めるって。

サボテンだってさ 簡単にダメにしてしまったなぁ

サボテンダメにするってよっぽどじゃない?

サボテンの花言葉は「枯れない愛」だし、既に終わった恋愛について歌ってる根拠の一つがコレ。

つまりは、簡単に愛をダメにしちゃった男って読み取れる。

その彼女の冷めていく呆れてる心情描写がきっとココ。

差し込んだ 月明かりは僕の前で消えていくよ

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【時系列問題】

最後に書きたいのは、時系列の話。

まず、アカツキの詩と言うタイトルでありながら、アカツキ(暁)というワードは使われてはいない。

あかつき【暁】
1.よあけ。あけがた。夜半から夜のあけるころまで。

キーワード『夜』で、時間帯の情景描写は全部で3回出てくる。

順番に書くと、

①夜が少し遠くなっていた
②夜がひっそり座り込んでた
③夜が少し動き出してた

なんかこれ、時系列にめっちゃ違和感あるんですよ。

自分が納得する時系列に直したらこう。①②③じゃなくて、②①③

説明します。

<<1番の歌詞>>

もうずいぶんたったなあ こんな時間に 
寝不足になったような感じで起き上がるのもイヤになるよな
夜が少し遠くなっていた

過去の恋愛を思い出し、深夜に悶々して、ふと外をみれば、いつのまにか暁(アカツキ)の時間になっていたという深夜に悶々と夜更かしをしてしまった長さが伺える。

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<<2番の歌詞>>

差し込んでいた月明かりは 僕の目の前で消えていくよ
夜がひっそり座り込んでいた

元カノとの具体的な過去の失敗シーンを鮮明に思い出してるのが、ココ。

夜が座り込むって、それは真夜中であって、それは暁の前じゃない?

だから、時系列的には、②→①な気がしてならない。

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<<最後>>

夜が少し動き出してた

そして、最後にチョロッと「夜が少し動き出してた」って一言歌ってるんだけど、え、これって、もう夜が始まってる?

???

だとしたら、昨夜の猛省っぷりが翌日まで尾を引いてる感じがたまんねえ。

ココを繋げちゃうと、ずっと未練タラタラ感が表現できてしまうじゃんか、やめてくれ。

未練タラタラの無限ループが「夜が少し動き出してた」って言っちゃうことで出来上がってしまう。

おそらく、この男は今晩も思い出すだろうし、明日の晩も思い出すだろう。

過去の恋愛を思い出して、悶々と夜更かししてしまった、しがない男の未練タラタラ失恋ソング。

ここまで綺麗にまとまった反省文みたいな歌ある?

これを踏まえた上で、もう一度聞くと、最初の『もう随分たったなあ』にとんでもねえ哀愁を感じるわけだ。

それは深夜から暁の時間まで「随分たったなあ」なのか、別れてから今日まで「随分たったなあ」なのか。

それは、スキマスイッチぞ知るって感じだけど、ここまで主人公像を考えちゃうと、別れたのは昨日今日の話じゃねえぞとさえ思ってしまう。

はい、アカツキの詩、最高です。

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一人でも多く、スキマスイッチのアカツキの詩のファンが増えたら、ただただ嬉しい限り。

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