【博物館】みんぱくゼミナール「日本の仮面」
2024/04/20
みんぱくで開催中の特別展「日本の仮面」についてみんぱくゼミナールで取り上げるとのこと、この特別展は見に行くつもりだったので予習がてら行ってきました。
みんぱくゼミナールは私がいつも行くウィークエンドサロンよりも規模が大きく、400人ぐらい入る広い講堂で開催され、時間も1時間半とボリュームたっぷり。特別展の展示構成や注目ポイントなどたくさんお話が聞けました。
仮面と一口に言っても舞楽や伎楽に使うもの、能狂言で使うもの、神楽や神事で使うもの、いろいろあります。獅子舞の獅子頭なんかも仮面の一種で、そういった各地のお祭りなどで使われるお面が造形も奇想天外でやっぱり面白いです。
今回の展示で目玉になっているのが「メンドン」で薩摩硫黄島で行われるお祭りに出現する神様です。なんだか禍々しいチェブラーシカみたいなお面と藁で出来た服を着て、木の枝などでバシバシ襲ってきます。特に女性と子供を狙って押し倒したりするのでみんな悲鳴をあげて逃げ惑うのですが、実は来訪神でメンドンに叩かれると厄が払われると言います。
他にも「ボゼ」という神様も異様なお面と風体で男根を模した棒を持ち、女性や子どもに泥を塗りつけるという困った神様がいるんですが笑、こちらも泥を塗られた女性は子宝に恵まれるというありがたい来訪神です。それにしてもこの姿は水木しげるの漫画みたいですねぇ〜
村の神楽などで使われるお面の貸出し業者がいた話や、1人で次々に面と衣装を取り替える早変わり一人芝居の話、呪われて顔から面が取れなくなる肉付き面、怪談の名手・噺家の円朝が使っていた面を動かすと祟ると言われた話など面にまつわる面白い話をたくさん聞けて充実の講演でした。
で、特別展楽しみだな〜いつ行こうかな〜〜と思いながら講演後の質疑応答を聞いてたんですが、最後に質問された女性が
「メンドンについてなのですが、面を付けて中にいるのが誰なのか分からないようにして、女性を襲ったり押し倒したりする様子が少しショックで…これは加虐性というか何と表現すればいいのか分からないのですが、例えば逆のパターンなんかもあるのでしょうか?」といった内容の質問をされ、ちょっとハッとしたのでした。
メンドンの振る舞いは、まぁ民俗学的にはよくある行動だし、ボゼの持つ男根様の棒なども割とお決まりのアイテムではあるんだけど、今の倫理観で言えば抵抗を感じる人がいても不思議じゃないよなぁ。歴史的なもの、伝統だから、と言っても無形文化財は守る人がいなければすぐに消えていくもので(実際、紹介された他の祭りでも既に10年以上行われていないと紹介されたものもありました)その地に住む人たちが守っていきたいと思うかどうか、こうすればいいという正解があるものではないけど、続けていく上での課題の一つなのかなと考えてしまいました。
そういえばナマハゲも子どものトラウマになると言って、今はソフトになったり実施されなかったりしてるんだよね。ソフトなまはげ…飴とかくれるんかしらん?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?