FLOS-ミラノサーロネ2022
1962年の設立から60周年の記念の年となるイタリアの照明メーカーFLOSは、"See the stars again"をコンセプトに、往年のスターデザイナーの作品を勢揃いさせた贅沢な展示を展開していました。
場所は、プラダ美術館近く、Fabbrica Orobia15という、1920年代の工場跡地。中心地からはかなり距離がある上、周辺にはサローネの他展示もないので、まさにわざわざFLOSのために足を運ぶ、という距離感。この場所はミラノの人々にとっては、デザインというよりも、アートや実験、テクノロジーのための場所なのだそうです。
Calvi Brambillaのキュレーションによる展示では、まずFLOSのこれまでの名作照明から新作の照明まで、その歩みを辿ることができます。マルセル・ワンダーススタジオ、マイケル・アナスタシアデス、ロナン&エルワン・ブルレック、ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン、など。
さらに奥に進んでいくと、照明のパーツ群から成る印象的なインスタレーションが現れます。部品一つ一つの美しさ、それらが組み合わさることでの構造としての面白さ。FLOSがどのように光を作り、表現し、美しさと新しさを追求してきたか、世界のリーディングブランドとしての実力と貫禄を感じさせる空間でした。
併設の庭では、ポップアップレストラン、ワークショップ、サウンドエンターテイメントなども催されていました。2015年からAres社が加わったことで、屋外部門もFLOSの重要なセクターとなっています。この素晴らしい庭園空間でも、FLOSによる光の演出が美しく効いていました。
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