カイヤ・アーリッカ展:アーリッカの創設者のお話
こんにちは、フィンランドAalto大学大学院にデザイン留学をしています、Mayuです。
先日、ヘルシンキのタイデハッリで開催されていた、カイヤ・アーリッカの展示を見てきました。
カイヤ・アーリッカ(Kaija Aarikka1929-2014)はフィンランドのデザイナーで、アーリッカ社を設立した起業家でもあります。アーリッカと聞いてピンとこずとも、この羊を見たことがある、という方は多いのではないでしょうか。アーリッカはヘルシンキのエスプラナーディ通りにも店舗があり、フィンランドでも人気のライフプロダクトブランドです。
アーリッカと言えば、ポップで可愛い色遣いや木の遊び心あるデザインを思い浮かべますが、カイヤ・アーリッカのキャリアのスタートは実はテキスタイルデザインです。卒業制作のためのドレスに合うボタンに納得がいかず、自ら木片でボタンを自作したところ、その時のボタンが人気になったことを受けて、夫のエリッキ・ルオコネンと共にアーリッカ社を設立します。
その後、もともとの専門分野であったファッションアクセサリーに加えて、室内装飾品や子供用玩具などを幅広く手掛けていきます。多くのプロダクトが今なおフィンランドの暮らしに根付いています。
作品を見ていると、その表現力の豊かさに驚きます。多くが単純な幾何学形態からできているのですが、単純な形の組み合わせでこんなに色んな表現ができるんだな、と、まさに子どもがブロックを色々に組み合わせて様々なモノやカタチを表現していくような遊び心と無限の想像力を感じさせます。
カイヤ・アーリッカのすごいところのもう一つが、生涯現役を地で行っていたこと。85歳で亡くなるその年まで、新作を発表し続けていました。デザインに熱中するあまり、娘たちの習い事のお迎えにこなかった、ということも何度もあったらしいです。1994年にはPro Finlandiaに選出されており、まさにフィンランドを代表するデザイナーの一人です。
ちなみにPro Finlandiaはフィンランド獅子勲章のことで、フィンランド共和国の独立を記念して1918年に設立されました。フィンランドの独立や発展に貢献した人々に贈られています。
展示会には結構年配の方がいらっしゃってる印象で、「これ懐かしいよねー」とか話されてるのかな?と想像すると楽しくなりました。(全然言ってないかもしれませんが)
会期は1月7日までですので、冬休みにフィンランドに行かれる方にもおすすめの展示です。
Kaija Aarikka展
会期:2023.09.09 - 2024.01.07(毎週月曜休館)
場所:Kunsthalle Helsinki
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