加納裕三/Yuzo Kano

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    bitFlyer Blockchain のメンバーがお届けする公式ブログ。「ブロックチェーンで世界を簡単に。」をミッションに、情報革命により社会や生活に先進性や利便性をもたらす明るい未来の実現を目指します。世界を変えていく、そのリアルタイムの日々をお届けします。  bitFlyer Blockchain 公式HP:https://blockchain.bitflyer.com/

最近の記事

銀行のリスクを考える

シリコンバレー銀行は救済シリコンバレー銀行の破綻のニュースが世界中で話題となりました。本日(月曜日)までに預金者を保護しないと、連鎖倒産(システミック・リスク)の可能性があると考えられていました。ステーブルコインであるUSDCを運営するCircle社の信用問題にも広がりUSDC価格は下がりました。 またシリコンバレーのスタートアップの給料支払が滞る可能性も指摘されていました。 預金者については、ペイオフによって25万ドルまでは補償されますが、それ以上は一般債権化されて、管財

    • 政府債務は完済すべきか?

      政府債務は完済しなくて良い私は政府債務をいつか完済しなければいけないとは考えておりません。企業の有利子負債と同様です。これは財務レバレッジとして最適な負債と資本のレシオが選択されるべきであると考えています。 他方で、政府には負債はありますが、資本がありません。私は徴税権がエクイティーだと考えています。 ただ、徴税権の時価評価は非常に難しいと思います。税率を変える権利自体を政府がもっており、国民に強制できます。 それは企業の株式発行とは異なります。 そして政府債務を完済する

      • NFT・暗号資産の所有権

        私は弁護士ではないので、法的な見解については正確ではない可能性があります。私が思うことについて所見を述べます。正確な法的見解は必ず弁護士に確認してください。 今回は、楠さんのツイートがきかっけとなりました。 私が「楠さんが正しい」とコメントしたのに対して楠さんのどの部分が正しいのかとのツイートをもらったので詳細をNoteにしました。 元の書籍を読んでないので、楠さんの主張は書籍に忠実であるという前提においてコメントします。 ブロックチェーンの文脈で「所有権」を語るのは

        • 新年のご挨拶 & web3リサーチ2023の公開

          あけましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。   日頃よりbitFlyerを支えてくださるお客様、暗号資産ファンの皆さま、政府・省庁関係者の皆さま、業界団体関係者の皆さま、ブロックチェーン黎明期に私を信じて投資をしてくれたbitFlyerのすべての株主の皆さまに改めて感謝を申し上げます。   さて、2022年は「web3元年」になりました。ブロックチェーンがweb3にリブランディングされ、web3が国家戦略になり、活気あふれる若い方々をはじめ、多くの企業

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          パッティングの物理

          結論から申し上げますが、私はゴルフのパッティングにおいてのグリーンの傾斜に関する以下の方程式をご案内したいと思います。 ここでは①をパッティング調整方程式と呼びます。ただし、これはボールが傾斜(ボールが転がる方向)とカップを結んだ線上にある場合をを想定しています。芝目は傾斜と比べると小さな影響ですが今回は無視します。ボールがカップと傾斜に対して斜めに位置している場合は、いずれ考えてみたいと思います。 ・傾斜角はグリーンの傾斜角度を度で表記 ・距離はボールからカップまでの距

          パッティングの物理

          JAFCO買収の影響と長期・短期投資家の利害

          JAFCO買収の影響 JAFCO(ジャフコ グループ株式会社)は国内最大のベンチャーキャピタル(VC)です。VCはベンチャー企業に投資をする会社なのですが、一般的にVCは知り合い数人で始めパートナー制を取ることが多く、非上場企業です。しかし、JAFCOは歴史的経緯により上場しています。日本には上場VCは3社しかない(はず)ので珍しいのですが、今回、村上氏ファンド等に敵対的買収の可能性を示唆されたと報道されました。 JAFCOはこの手の買収防衛策としてお決まりのポイズンピルを

          JAFCO買収の影響と長期・短期投資家の利害

          誰でも分かるWeb3の原点(後編)

          Web3とは何かを理解するために、ギャビンの「ĐApps: What Web 3.0 Looks Like」を翻訳して、私がなるべく優しく(とは言っても最低限のIT知識は必要かも)解説しました。 前編はこちら ここから後編③Web 3.0の3つ目の部分は、コンセンサスエンジンである。ビットコインは、私たちの多くにコンセンサスベースのアプリケーションのアイデアを紹介しました。しかし、これは最初の暫定的なステップに過ぎない。コンセンサスエンジンとは、将来の相互作用(またはその

          誰でも分かるWeb3の原点(後編)

          誰でも分かるWeb3の原点(前編)

          Web3が昨今バズワードとなっていますが、定義はいまいち分からない状況で、これがWeb3、あれがWeb3と「ぼくのかんがえたさいきょうのWeb3」が乱立するという状況は、2014年に私がビットフライヤーを創業した時の「ブロックチェーン」に通じるものがあります。 やはり定義を考えるのは原点に返って見るということが良いと思い元イーサリアムのGavin Woodが書いた以下の「ĐApps: What Web 3.0 Looks Like」をDeeplで翻訳して、ブロックチェーンが

          誰でも分かるWeb3の原点(前編)

          bitFlyer8周年とブランドロゴのお話

          2022年最初のnote更新です。 1月9日でbitFlyerは創業から8周年を迎えることができました。これもひとえにbitFlyerグループのサービスをご利用くださっているお客様や、当社グループを支えてくださる関係者の皆さまのおかげです。心より感謝申し上げます。 2014年1月9日に小宮山さんとbitFlyerを創業しました。当時は、ビットコインを知っている人が殆どいない世の中でしたが、ビットコインやブロックチェーンが世界を変える未来を確信し、四谷三丁目のパン屋で小宮山

          bitFlyer8周年とブランドロゴのお話

          働き方のビジョンと制度設計

          定年45歳の話だが、定年だけ弄っても絶対に上手くいかない。 まずは令和の日本において働き方はどうあるべきかを見つめ直し、政府はビジョンを掲げるべき。 幸せな人生とは人によって違うが、その多様性を尊重して、あるべきビジョンに基づいてなるべく公平で一貫した法改正をすべき。役所の縦割りの論理でビジョンに沿わない一貫性のない制度設計は全体最適が図れない。 民間企業はその新しい法律の範疇で、また自由に制度設計し、他社との差別化をはかり、社員に選択肢を与えるのが良い。 沢山働いて

          働き方のビジョンと制度設計

          ブロックチェーンSNS

          Twitterに始まった一連のトランプ大統領のアカウント停止を契機に、幾度となく繰り返される表現の自由を巡る議論が白熱している。その上で表現の自由を制限する強大な権限が潜在的にプラットフォーマーに与えられていることが露呈した。今後は管理者を必要としない非中央集権的なSNSが求められていると思う。 表現の自由の侵害表現の自由というのは憲法で保障された非常に重要な人権の一つで、それが民間プラットフォーマーによって制限されることの問題を社会に投げかけた。メルケル首相はアカウントの

          ブロックチェーンSNS

          徒然なるままに

          つれづれなるままに、日暮らし、硯すずりにむかひて、心にうつりゆくよしなしごとを、そこはかとなく書きつくれば、あやしうこそものぐるほしけれ。 1 実はBTCのデノミ(通貨単位の切り下げ)は過去に議論したけど、業者間で纏まらなかったんですよね。 2 クリプトの税制改正(分離課税)については各業界団体がずっと頑張ってます。3 手数料をどう頂くかの議論だけど、業界最大手でも赤字だからね。4 何言ってるんだ?Twitterは民間企業で規約に基づいて手続きを取っただけだ。5 海外の取引

          徒然なるままに

          大晦日

          今年もbitFlyer Groupのミッションである「ブロックチェーンで世界を簡単に。」を実現すべく社員一同努力してきました。 国産プライベート・ブロックチェーンであるmiyabiも、大手のお客様に利用してもらえ嬉しい限りです。 「ブロックチェーンを国家戦略に。」して頂くことは来年に持ち越しとなりそうですが引き続き関係者の方々にブロックチェーンの5大利点を説明して行こうと思います。仮想通貨の負のイメージが残りますが、技術基盤としてのブロックチェーンは次の数年で社会にパラダ

          ブロックチェーンを国家戦略に。

          『ブロックチェーンを国家戦略に。』をスローガンに日本がブロックチェーンを国家戦略とするように各所にお願いをしております。このままだと世界に遅れてしまうのではないかとの危機感があり、そもそもブロックチェーンは何が良くて何ができるの?といういわゆる「Whyブロックチェーン?」にも答えて行きたいと思います。 日本は2016年に仮想通貨(現在は法的には暗号資産が正確な名称)の法律を国として最初に成立させました。ニューヨーク州(監督局はNYDFS)がそれよりも早くレギュレーションを策

          ブロックチェーンを国家戦略に。

          ブロックチェーンの優位性②改ざん耐性

          Immutability ブロックチェーンは改ざん(改竄)不可能であると言われています。これはImmutabilityとも呼ばれています。mutable(変わり安い)の否定形です。 どうして、通常のシステムであっても書き換え不可能にすることができるのに、なぜブロックチェーンではわざわざ改ざん耐性(改ざん不可能性)があると言われているのでしょうか? 改ざんとは、第三者が他者のコンピュータにアクセスし、コンピュータの管理者に無断でデータを書き換える行為のことである。 通常の

          ブロックチェーンの優位性②改ざん耐性

          ブロックチェーンの優位性①疎結合

          ブロックチェーンの優位性 ブロックチェーンの議論が盛り上がってきましたが、まだまだ理解されてないと思うのでNoteにしました。 ここで言うブロックチェーンとはプライベート・ブロックチェーンを想定していますが、疎結合に関してはパブリックでも同じことかと。いきなり疎結合から話すと、BCの優位性はそれだけかと反論が予想できますが、ビザンチン耐性やImmutabilityはあとで説明するのでお待ちください。 プライベート・ブロックチェーン miyabi 疎結合とは?疎結合とは

          ブロックチェーンの優位性①疎結合