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経営会議が停滞する本当の理由

今までに関わってきた会社の中で、様々な会議体に参加してきた。経営に関するもの、事業に関するもの、カスタマーサポートやマーケティングに関するもの、技術に関するもの、組織に関するものなど。

実施される数ある会議の中で、最も扱いが難しく、停滞しやすいものの筆頭が「経営会議」だと思う。

名前の通り、「会社の経営に関する話」を議題として、経営陣はもちろん、管理職などの中核メンバーが参加する会議になる。

各社で行われている様々な会議の中でも、重要度が最も高い会議の一つに挙げられるだろう。

ただ、不思議なことにそれほどに重要度が高い会議なのに、驚くほど「停滞感の漂う」会議の一つでもある。

今回はなぜ経営会議が提案するのか、本当の理由とできる対策を考えてみたい。

なぜ経営会議は停滞するのか


そもそも経営会議に参加できるのは、その会社の中でも「仕事ができる」「組織をまとめられる」と認められる人であるはず。

それなのに、会議が停滞しやすいというのはなぜ起きるのだろうか。

まず最初にチェックすべきは「何人が経営会議に出席しているか」。基本的に会議で議論を活性化させたいなら、参加人数はできるだけ少ない方が良い。

10人も20人も参加しているようでは、話を回しているだけで時間は過ぎてしまう。

ただ様々な会社の経営会議を観察していると、停滞感の最大の原因は別のところにある。

最大の原因は

「そもそも経営会議は実施することが目的になっていて、何のために実施されているのか、何の議論をして、どんな結論を出すのか、出された結論をどのように組織全体に落とし込むのか」

が設計されていないことが挙げられる。もちろんこれだけでなく、「経営陣や管理職内でも、人間関係の上下」が存在し、お互いを忖度して、言うべきこと、指摘すべきことが言い合えていない状況がある。

また、経営会議で見ているポイントが「先週から今週、そして来週」ぐらいの時間軸になっている会社もある。経営層が見ている時間が直近であれば、現場は今日、明日ぐらいしか見ない、見えない。


どうしたら経営会議が停滞しないのか


経営会議から停滞感を一層するには、次の5つの方法をすぐに行うことをオススメしたい。

①参加する人数を思い切って絞り込むか、別枠で設定する



経営の視野・視座・視点を持って、会議で対話できるメンバーは、厳しく見るとそれほど人数はいないはず。各部署の管理職が参加していても、経営の対話ができないのであれば、参加すべきではない。むしろ直近の会社の状況を話すのであれば、別枠で会議を設定した方がいい。


②報告は事前で最小限に留めて、議論と意思決定に時間をかける



最悪な経営会議の典型例が、各部署の管理職が順番に「先週までの状況はこれ。課題はこれで、今週はこれを取り組んだ。来週に向けてこれを取り組んでいく」という報告会で時間が終わる状態。

これでは経営の議論ができるはずもない。報告のほとんどは事前にデータで行えるはずなので、報告は最小限に留めて、空いた時間すべてで経営の議論と意思決定に最大限の時間を投下したい。


③忖度抜きで対等な立場でストレートに対話する(それができない人は経営陣から外れてもらう)



いくつかの会社を見ていて、経営会議に参加するメンバー同士で忖度し合って、言うべきこと、指摘すべきことをぶつけ合っていない状態のところが多いと感じた。

経営メンバーで忖度して何も言わないという関係性であれば、その人は経営陣から外れてもらった方がいい。事象を捉えて、頭をフル回転させて議論をぶつけて、最高の意思決定をするのが経営会議であり、それができる人が参加すべき。


④見るべきは現時点から5年、10年先。一番リスクの高い領域を取り扱う



経営会議で取り上げるのは、会社で一番リスクの高い領域にした方がいい。分かりやすいのが「会社にとっての未来のありたい姿」を決めること。

会議で話すのは5年先、10年先の社会の変化と、私たちの存在と行動にしたい。


⑤経営会議の決定事項はその日のうちにメンバーまで伝えきって行動を始める



経営会議が終わったのに、その内容や意思決定を現場のメンバーになかなか伝えない人がいる。自ら仕事をしづらい環境を作っているだけなので、すぐに改めたい。

経営会議に参加するメンバーは、意思決定された事項についてその日のうちち、メンバーの末端まで伝えきることで、その日から行動が変わり始める状態にしたい。

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