Timberbornのススメ:ビーバーの社会学
この記事を書くに当たってどうすれば強い記事のタイトルにできるか1分半近く悩んだんですが、まあ多分記事のタイトルとか瑣末な問題でしょう。
今我々が論じるべきはビーバーによる社会形成についてです。
あの齧歯類がいかにして社会を形成するのかとか、まあそんな話をするわけではないんですが、今日はTimberbornというゲームについて話をしに来ました。
Timberbornとは

Timberbornとは、現在Steamにて早期アクセス配信中の街づくりゲームです。
早期アクセスの開始時に日本語を含む複数の言語のサポートが行われ、現在では日本語を含む様々な言語で遊ぶことができます。翻訳の質も大変良い。
Steamで現在付けられているタグの中から幾らかタグをピックアップしてみると
・街づくり
・コロニーシミュレーション
・建設
・資源管理
・サバイバル
・ポストアポカリプス
となっています。
要するに、タグで語られている通りTimberbornはBanishedやKingdom and Castlesなどのゲームのような街づくりゲームです。
しかし、ちょっと普通の街づくりゲームとは違う異質なポイントがあるので、幾らかピックアップしていきましょう。
Ⅰ.主人公はビーバー
読んで字の如しです。このゲームでは人が街を作るわけではなく、ビーバーが街を作ります。
この世界では、ビーバーが労働をし、ビーバーが生活をする、ビーバー社会が形成されます。

ビーバーによる、ビーバーのための、ビーバーの社会です。
さて、ビーバーの世界の住民について知っておきましょう。
このゲームに登場する生物(?)は以下のとおりです。
・ビーバー
・ゴーレム
・蜂
お解り頂けたでしょうか? 人間とかいう下等生物は既にこの世界の生存競争に敗北し滅亡しています。
厳しいこの世界を生き延びることが出来たのはビーバーだけなのです。

ちなみにギャグっぽい紹介は多分ここまでです。
ここから先は、真剣に(当社比)面白さの説明をしていきたいと思います。
Ⅱ.治水の概念
これの話をする前に、ビーバーという生き物についてちょっと知っておきましょう。
ビーバーは「自分の生活のために周囲の環境を作り替える、ヒト以外の唯一の動物」であるとも言われる。
ビーバーのダム作りは、持って生まれた本能的な行動で、教わらなくても自然にできるようになると言われている。 水辺の木を齧り倒し、泥や枯枝などとともに材料として、川を横断する形に組み上げ、大規模なダムを作る。オスの役目で縄張りには尿をかける。ダムによってできた“ダム湖”の中心部にも木を組み上げ、密閉された個室状の巣を作る。巣の床は水面より上にあるが出入り口の通路だけは水面下にあり、天敵の侵入を巧妙に防いでいる。ダムを利用することでこうした水位を常に保っている。
長い年月の間にはいくつもの“ダム湖”が作られ、これによって岸辺の総延長が伸長し、食物をとる範囲が増えることになる。
(Wikipediaより)
ご存じの方も多いかと思いますが、ビーバーはダムを作り治水を行う生物です。
そして、Timberbornを語る上で絶対に外せない話題がこの治水。
Timberbornではダムを作ったり水を堰き止めたりすることで、川の水の流れを管理したり、貯水をしたりすることができます。
そして、このゲームでは季節的な概念として、乾季の訪れがあり、乾季が訪れると川からの水の流れが停止してしまいます。
このままではビーバーはもちろん喉の渇きで死んでしまうし、地面が乾くと作物も育ちません。
この乾季をいかに乗り切るのか?というのがこのゲームのポイントです。
生半可な対策では、たちまちビーバーたちは乾き餓えて死んでしまいます。

爆薬で地形を変え、ダムを建設し、貯水槽に水を貯め、灌漑をし、ビーバーたちと乾季を乗り切るのです。
また、ビーバーと水との付き合いは灌漑や乾季だけではありません。
ビーバーたちが扱う技術の中には動力が必要なものも存在します。
その動力の供給源は、例えばビーバーが必死にホイールを回して供給する事もできますが、彼らは水車を作ることも出来ます。
川の流れからエネルギーを得て施設を稼働させるといった面でも、このゲームに置いてビーバーと水は切っても切れない関係にあります。
もちろん下手なダムを作ると洪水のリスクもありますが、上手いこと付き合って行くことによりビーバーの繁栄につながるのです。
Ⅲ.立体的な建設
先程のダムのスクリーンショットでも「お?」と思った人がいるかもしれませんが、このゲームでの建築はいわゆる平面上に建物を並べるだけでなく、一部の建築物では建築物の上に建築物を重ねることができます。

このゲームではシード値によってランダムでマップが生成、というわけではなく、いくつかのマップが最初から用意されている形式です。
しかし、その中には崖などの高低差が激しいものなどもあり、かと言って切り崩すのもまた大変です。
ところが、ビーバーの建築技術を以てすれば、立体的な建築で崖を利用することすらできます。

機能的かつ見た目の美しさもある建築を行うことができる、というのもまた、Timberbornの注目すべき特徴です。
実は、早期アクセス体験版でもある程度の立体建築に触れることができます。
最後に
Timberbornは先程も書いた通り、「早期アクセス版」が配信されている状態です。
つまり、これから色々な要素が追加され、(体験版の状態から)解禁され、今後もっと発展する可能性があります。
今始めれば古参ぶることもできますし、公式Discordとかでちょっと要望を書いてみたら改善されるかもしれないし、完成を待つのもいいですが、現状でも既にとても面白い為ぜひ一度触れてみることをおすすめします。
Timberborn Steamストアページ
公式サイト(英語)
Screenshots by Timberborn official press kit and preview demo.
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