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DUNU-TOPSOUND SA6EST 試聴機

概要

これまでのSA6、SA6mk2にあったスイッチを廃し、一本に音を絞ってきたモデル。
外見は青・黒・白のマーブル模様のFP、若干ガチャ要素があるのか、個体ごとに若干違います。筐体の形状は先代を踏襲しています。でっかい「6」の主張がなくなった分上品な顔つきになった印象ですね。
ノズルが太めなところも変わらず、FP以外に外見的な変更はなさそうです。
ケーブルはSA6mk2に付属していたものと見た目は同じように見えますが、アップグレードされているそうです。
プラグ部分が3.5⇔4.4の交換式です。最近このパターンが増えてきた気がしますけど、やはり4.4㎜の浸透なのか利便性が高まってよいですね。
ドライバー構成は6BA+2EST。インピーダンスはやや高めの55Ω@1kHz、感度は117dB/mW。スペック上でも実際プレーヤーで再生した感覚でも、特段鳴らしにくいことはありません。
結構ガチャ要素強めだった先代に比べ、ガチャ要素も薄まり、買いやすくなったのではないでしょうか。ワタシは好きですね。この見た目。

音について

実はEST搭載機ってしばらく前まではめちゃくちゃ苦手だったのですよ。10kHz以上の超高音域がツンツンしていてそこが悪目立ちをしているのが多かったです。
最近ではUnique MelodyのMaslowあたりから、徐々にそのような超高音域の制御ができている機種を見かけるようになってきました。
ようやく実用的なTweeterが出てきたなと感じています。
似たようなものにintimeが採用しているVSTがありますが、そちらはまだまだ高音域の粗さや超高音域のトゲが目立っている感覚です。
低価格機の解像感の演出には使えそうですが、高級機の高音域を担うほどの音ではないかなと思います。
SA6ESTの音の特徴としてはまさにこのESTの美味しいところを生かした繊細な高音域と空気感があげられます。
音域ごとに見ていくと、低音域はボワつきや膨らみのないBAらしい締まった低音。ローエンドの深さがもう少し欲しいところではありますが、十分効いてきます。
音の拡がりが大人しい分シャープでキレよく聴こえる反面、立体感や空気感に欠けるところはあります。量感は寂しいです。
低中音域から中音域にかけてはどっしりとふくよかな音。繋がりも滑らかで、高域まで一気に抜けていく感覚です。
声域の広いシンガーの声に注目して聴いてみると、この音域の完成度の高さがよくわかります。
高音域はかなり良いですね。かさつきとか粗さではない粒立ちの良い繊細感のある高音域です。BAの音とは完全に違う音なので、ここだけ音の質がガラッと変わります。なので若干の不自然さを感じるかもしれませんね。BA同士のつながりの良さは文句なしなのですが、この部分はまだEST搭載機種の課題だと思います。

総評

パッケージとして見て、非常に高い品質でまとまっています。これで実売価格90,000円はまさに適正だと思います。最近、とにかくBAを詰め込んだり、DDを増やしたり、いろんなドライバーをごちゃまぜにして価格を上げているイヤホンが多い中、多種ドライバーを使用しているにもかかわらず、ちゃんと仕上げているところにはDUNUの技術力が見えましたね。
良いイヤホンだと思います。


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