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Starry Audio Syzygy試聴機

概要

2EST、4BA、1DDのハイブリッド構成でお値段は1,720USD(約25万円)という、いわゆるハイエンド機になりますね。
ワタシの個人的な印象は「ハイブリッドのハイエンド機にろくなものがねぇ」なんですよね。64audio NioやVolürも悪くはないのですが、ハイエンドらしい凄みを感じるかというと、若干物足りないというのが正直な感想です。Syzygyに関しては、それほど長い時間をかけて試聴できたわけではないのですが、一聴でわかる良さを感じたので、もっと聞きこんでみたいなと感じています。

音について

全体的なバランスは概ねフラット。特に強調された部分は感じませんでしたが、EST搭載機である影響なのか、音色はかなり明るめです。音場感はやや広め~広め程度。カチッとした定位感が印象的ですね。分解能が非常に高く、どの帯域においてもごちゃつきを一切感じませんでした。
低音域。量感はそれほどありません。量感で圧してくる低音というよりは、効きで主張してくるタイプの低音です。相当深いところから出てきます。でもなぜか不思議と迫力すら感じるという、これがうまい低音と重低音のバランスなのかと思いました。非常に上質な低音です。
中音域。雑さとか粗さとか全く無縁。非常になめらかで繊細。このあたりBAっぽさが感じられる部分です。主張が強いと感じるほどではないですが、音像は結構近め。BAなので仕方ないですね。この近さがボーカルを引き立てていい感じなので、ぜひ声メインの曲をお勧めしたい。
高音域。繊細。それに尽きる。やかましいと思うほど強く出てはいません。それなのに高音がすーっと抜けて消え行っていく、そんな感覚が味わえます。シンバルの残響とかほんとに最高です。EST搭載の機種は結構高音が暴れる印象があるので、意外でしたね。
Syzygyの特徴はワタシ的にはこの高音域にあると感じています。こんな上品で自然な抜け方する高音はなかなか聞いたことがないですね。D8000LTDの高音域にも通じるものがあるなと。

総評

日本で視聴できる機会が非常に限られているのがもったいないと感じるほどの完成度です。StarryAudioにも良い代理店がつかないかなぁとYoruを聞いたころからずっと思っています。派手な個性はないけれど、しっかりと特徴を持ったハイエンドイヤホンだと感じました。これが約25万円なので、ほぼNioと同価格ですね。特徴が違うので単純にどちらが良いとは言い切れませんが、あれくらいの視聴時間でさえ欲しいなと感じられる、良いイヤホンだと思います。


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