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【解説】バッハ シンフォニア全15曲

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予め分析をしておかないと、演奏や指導をするのが難しいシンフォニア。 全15曲の解説ポイントを集約しました。 第9、10、12番には演奏を載せました。
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2021年1月の記事一覧

バッハ シンフォニア第5番【解説】 BWV791

バッハ シンフォニア第5番【解説】 BWV791

琴線に触れるような美しい装飾音が施されたサラバンド風の楽曲。リュート伴奏にのせた、二本のヴァイオリン、またはフルートによるトリオでの演奏を想起させる作りをしている。フランス風序曲を思わせる装飾の美しさに隠れがちだが、4度下に現れる模倣(カノン)、転回(声部交換)等が駆使された労作。

カノンこの曲では模倣(カノン)が4度下、4度上、5度下、2度上に出てきます。

よく主題が出てきたら強調するように

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バッハ シンフォニア第11番【解説】 BWV797

バッハ シンフォニア第11番【解説】 BWV797

シチリアーノ舞曲風の8分の3拍子で書かれた軽やかな楽曲。掛留音による不協和音や、小節をまたぐ下降音階によって悲嘆的な性格を持つ。2部形式。(1~36小節・36小節~72小節)

掛留音掛留音(けいりゅうおん)とは、直前の小節からタイで繋がり残った音がその小節では倚音(いおん・和音と合わない音)になる音のことです。
黄色のマーカーで塗ってあるところが掛留音です。

この掛留音のおかけで、2度の不協和

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