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バッハ シンフォニア第11番【解説】 BWV797


シチリアーノ舞曲風の8分の3拍子で書かれた軽やかな楽曲。掛留音による不協和音や、小節をまたぐ下降音階によって悲嘆的な性格を持つ。2部形式。(1~36小節・36小節~72小節)


掛留音

掛留音(けいりゅうおん)とは、直前の小節からタイで繋がり残った音がその小節では倚音(いおん・和音と合わない音)になる音のことです。
黄色のマーカーで塗ってあるところが掛留音です。

この掛留音のおかけで、2度の不協和音が生まれます。
赤く塗った箇所です。


下降音階

さらに冒頭8小節に渡るト短調の下降音階によって悲しい性格の色合いは、より強くなります。
音階の部分を水色で示しました。

下降音階は他にも、17小節目~25小節目のソプラノ(b-a-g-f-e-d-cis)

41小節目~46小節目のバス(g-f-e-d-c-b)

48小節目~56小節目のバス(g-f-e-d-c-b-a-g-fis)にも現れています。



オルゲルプンクト

この曲のもう一つの特徴は、「オルゲルプンクト」と呼ばれる、同じ音でベースを長く延ばすパイプオルガンによくみられる奏法です。
24~29小節目、57~64小節目にかけて、バスが属音として保続します。

ピアノで演奏する場合は音が減衰してしまう為、ほとんど消えてしまうかもしれません。
しかし、オルガンのイメージを持って音が延ばされていると感じるか感じないかで、違いが出るのではないでしょうか。


終結部と全体の構成

第1部(1~36小節)に見られる3つの終結部は

掛留音と共に後半の第2部では姿を消し、構成が少し即興的になりますが、終わりの8小節は冒頭の8小節の形がほぼそのまま繰り返され、全体の構成のバランスは秀逸に保ってあります。

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