気管支喘息について②
こんにちは。小児科医ゆうです。このアカウントでは、お父さんお母さんの皆さんが医療に関する情報を見た際に出てくる不安を少しでも解消できるようにという思いを込めて投稿をしています。インスタグラムもやっているのでぜひ!
気管支喘息の発作について
気管支喘息「発作」とは?
以前、「喘息とは、空気の通り道に炎症がジワジワ起こることで咳とかぜえぜえを繰り返す病気」とお話ししました。この「咳とかぜえぜえ」が起きている状態のことを「気管支喘息発作」と言います。クリニックなどで「ぜえぜえしているね」などと言われるのは「気管支喘息発作っぽいね」ということです。
では、その気管支喘息発作とは何をもって診断するのかというと
・聴診してそれらしい音がするかどうか
・吸入(煙を吸う治療)で効果があるかどうか
といったところです。
つまり、基本的には実際に聴診をしないと分からず、それで喘息発作っぽいと思ったら吸入して確認をする、といった流れになることが一般的です(あまり症状が強い場合は見てわかることもありますが、、)。何回か繰り返していれば、「それっぽいな」という様子があるかもしれないですが、今回は喘息に慣れていない方を対象にお話を進めさせていただきます。
なお、「喘息っぽい音」がなる原因は気管支が一時的に狭くなっているからです。
気管支というのは空気の通り道のうちで肺の近くのところだと思っていただくとイメージしやすいと思います。
注意をするべき状態は?
「ぜえぜえ」しているときのうち、注意するべき状況は以下です。
・息を吸うときに小鼻が開く(乳児に多いです)
・息を吸うときに胸が凹む
・苦しくて話せない、歩けない、眠れない
・息を吸うよりも吐くほうが明らかに時間がかかる
・ぼーっとしている、逆にとても興奮している
などです。つまり、ざっくり言うと「すごく息が苦しそうな状態」と言うことです。このような時はすぐに医療機関を受診して下さい
気管支喘息発作の治療
①吸入:マスクなどを使って煙を吸う治療です。気管支を広げる作用があります。何回かやることもあります
②貼付薬:背中などに貼る小さいテープの薬です。①の薬と同じ成分です
これの飲み薬もありますが、メインで使うのは貼り薬です
③ステロイド:発作の症状が強い時に使います。余裕があれば内服、なければ点滴で投与します。
この3つがメインになると思います。他の治療として
・アミノフィリンという薬の点滴:最近は副作用の観点から使用頻度は減っていますが、必要な時には使います
・持続吸入:これは入院の治療ですが、①の吸入をずっとしているイメージです
この辺りがあります。
ちなみに、「〇〇カスト」という薬を出されることもあるかもしれませんが、厳密にはその薬は次でお話しする喘息の「予防」の薬であって発作の時の薬ではないです。次回詳しくお話しします。
まとめ
今回は喘息発作とはどういうものか、そして実際に怒った時はどんなことをするのかということについてお話ししました。病院を受診してどんなことになるのかなんとなくイメージがついたでしょうか?実際の治療はこのように意外とシンプルです。
ただ、前回もお話ししたようにこの発作を起こさないように予防するというのが喘息ではとても大事です。
予防については次回お話ししようと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました!
ゆう