いい歯のために 40歳から始めたこと
近所の行きつけの歯医者さんからの帰り道、子供だった私はその日も泣きながら歩いていた。歯を抜いた後の痛みやら血が止まるまで綿を噛んでいるように言われ、唾液が溜まって気持ち悪いやらで。
乳歯から永久歯に生え変わる時、自然に乳歯が抜けた、という記憶があまりない。永久歯が出てきても抜けないので、いやだけど歯医者さんへ行って抜いてもらうしかない。そんなことばかりだったから、お決まりの歯医者=怖いとこ、というイメージが染み付いていた。
歯磨きもまともにした記憶もない。だから乳歯時代から虫歯虫歯。そしてまた、いやだけど歯医者。
その繰り返しで、つくづく学ばない子供時代を過ごしてきた。
高校生、大学生になってもそれは変わらず。歯石がびっしりで、人差し指の爪で引っ搔いて取ったりしていた。
歯磨きもしなくはなかったが、やる時は極端にゴシゴシと力任せにしていたせいで、歯茎との境目に溝が出来てしまっていた。
大学時代に、左下の奥歯2本、虫歯を散々なことになるまで放っておいた結果、抜いた。
抜いた後、入れ歯を作ってもらったが、なんとなく合わないまま、これもまた放置。
子供時代の体験を理由に、大人になってからも歯医者さんへは、歯が痛くなって、それでも我慢できるまではそのままにして、どうしようもなくなってからやっと行く(そんな行き方は私だけではないように思う)、という典型的なダメダメパターンを続けていた。
そんな私に変化が起きたのは30代半ば過ぎ。たまたま知り合った歯科医の先生から歯科医研修のビデオ撮影の仕事をいただき、専門的で理解できないまでも、歯への意識が少しずつ高まり始めたのだった。
その先生の医院で治療のため麻酔をかけられた時の驚きを今も覚えている。麻酔をかける時の針が痛くないようにするのは知っていたが、針を刺したこと自体わからないまま麻酔が終わっていたのだった。
この時から、子供時代から感じていた歯医者=痛い、怖い、のイメージが変化した。
放っておいた虫歯を治してもらいながら、改めて歯の磨き方から教わり、日ごろのケアの大切さを実感させられた。
しかしながら、それまでの放置が祟り、右下の奥歯2本も結局抜くことに。
そのころ6024運動や8020運動というスローガンがあったが、私は、40歳を前にして、すでに残存24本(親知らずを入れて27本)になっていた。
それでも遅ればせながら口の中への意識は高まり、これからは今の本数を維持することが目標となった。
幸い下の歯両方の奥歯を無くしたものの、その奥の親知らずが、偶然まともに生えていて、そこにかける形で入れ歯を作ることが出来たので、とても助かった。
その後は、二つの入れ歯の掃除を含めて、歯のケアを入念にすることを心がけた。
それから25年あまり。40歳から現在に至るまでの私の口腔ケア方法について記します。いいかどうかは分かりません。それでも40歳時点の口腔内をキープ出来ているようには思っています。
・毎日の口腔ケアは、夜寝る前の歯磨きのみ。
・歯磨きは、まずフロスor歯間ブラシを使い、食べかすや歯垢をある程度
取っておくところから。ブラシが届かないところは必ずあるので。
・使う歯ブラシは2種類 普通の歯ブラシと部分用のタフトブラシ
・歯ブラシの持ち方は、良く言われるペンの持ち方を基本に、向きによって
順手で持つ場合も、3本ほどで軽く持つ感じを心がけている。
・歯磨き粉は自分の好きなものを選んでいるが、あまり研磨剤を感じない
もの(個人の感想)を使っている。
・最初に歯茎との境目を意識してそこにブラシが当たるようにする。
・ブッシングは基本的に横に動かすが、歯を列として捉えるのではなく、
1本ずつ順番に磨く意識で。
・境目のブラッシングの後に歯の表面全体を磨く。
・ブラシを縦にして持ち、歯と歯の間に当てて縦に磨く。でこぼこ歯なの
で、ブラシを当てる角度を1本ずつ変えながら。
・表側が終わったら、裏側も同様に意識しながら磨くが、やはり裏側は難し
くイメージ通りにブラシが当たっているか良く分からない。極力、今この
歯のこの部分に当てて磨いていると意識するように心がけているが。
・一通り終わったら一旦すすぐ。
・次にタフトブラシで、普通ブラシが届きそうにないところに重点的に当て
るようにして磨く。
下前歯の裏側は歯石が付きやすいので、タフトブラシを歯茎との境目や
歯間に当てるように意識する。さらに奥歯の奥の部分には普通ブラシは届
かないので、タフトブラシが必須。親知らずの周りの歯垢取りは特に意識
して。
・すすいで歯磨き終了。ここまでおそらく15分~20分くらいだろうと思う。
・最後に入れ歯を専用洗浄剤を付けて専用ブラシで磨く。
これらを25年以上続けてきた結果、虫歯はたぶん無し。歯周病もほぼないと思われる。
現在、6024は達成した。次の目標は8024とする。と同時に入れ歯の土台として頑張ってくれている親知らず君は、ことさら丁寧なケアを心がけ、併せて8027を達成しよう。
毎食後に歯磨きはしていないが、食後の歯間の掃除と口のすすぎはいつもしている。そして可能な限りキシリトールガムを噛むようにしている。キシリトールの効果への期待とともに、唾液をきちんと口腔内に行き渡らせることへの意識だ。歳とともに、口の中が乾きやすいと感じることもあって、今後も意識高めにしようと。
出来る限りの“いい歯”のために。
追伸:先日、自治体の勧める歯科健診に行った。口腔がん検診も併せて。
無料健診の範囲内ではあるが、全く問題なし、歯も良く磨けているし、歯肉炎も見当たらない、とお褒めをいただけた。がん検診も異常無しで、ホッ。
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