『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活』試し読み&編者解説――〈マドンナベリー文庫〉第五回配本について
2024年6月24日配信開始の〈マドンナベリー文庫〉第五弾、高橋徹さん『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活 JDスナック嬢に身も心も癒されて』冒頭の試し読み&編者解説を掲載いたします。
『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活 JDスナック嬢に身も心も癒されて』
第一章「疲れきった夜の出会い」
編者解説――〈マドンナベリー文庫〉第五回配本について
ゆずはらとしゆき
官能小説の新しい実験室〈マドンナベリー文庫〉第五回配本『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活 JDスナック嬢に身も心も癒されて』をお送りいたします。
そういえば、新しい実験室と銘打っているのは、〈マドンナベリー文庫〉執筆陣は基本、ライト文芸の作家さんやアダルトゲームのシナリオライターさんで構成されていて、本職の官能小説家がいなかったからです。
いや、編者も駆け出しの頃は官能小説家だったはずなんですけど、18年のブランクがありましたので……。
なので……もし、本職の官能小説家が〈マドンナベリー文庫〉を書いたらどういう作品になるかな? と思っていたのですが、ようやく実現いたしました。
そもそも、ありふれた普通の日常を生きる大人のセックスを生活感重視で描く〈氷河期世代の等身大な官能小説〉というレーベルコンセプトも『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』(オシリス文庫)という官能ライトノベルを読んでいたときにエレクチオン……もとい、思いついたものでしたから、その作者である高橋さんに依頼する機会をずっと狙っていたのですね。
言うなれば、本作はレーベルの原点にもっとも近い作品でもあります。
第一弾の夜ノ杜零司さんは官能小説の定型をちゃんと踏まえていたのに、二番手の編者がいきなり極限まで拡大解釈してしまったので、なんだかおかしなことになっておりますが……。ていうか、なんで『コンビニで出会ったエロい女の子と爛れきった関係になりました。』から『葉名と伯父さん』が出来上がるんだよ?
もっとも、高橋さんは本職の官能小説家ですが、官能小説は官能小説でもうっかり舐めたら即死する恋愛高血糖な物語の匠でもあります。
故にイラストレーションも小動物的な可愛さで萌え殺してくれる絵柄が多いのですが、今回は可愛さに加えて肉感的で淫らに……ということで、心友さんにお願いいたしました。
アダルトで蠱惑的な肉体でありながら素朴な可愛さもあって、それでいて日常から逸脱しないリアリズム……という、なかなかバランスの難しい依頼だったと思いますが、流麗なイラストレーションで見事に新しい甘さを演出していただきました。有り難うございました。
かくして、官能小説の新しい実験室〈マドンナベリー文庫〉、第五回配本も無事にお送りできました。
次回の第六回配本は、思春期エロスの鬼才、J・さいろーさんの幻の名作短編集『ノクターナルプレイグラウンド(仮)』です。〈幻の名作〉という惹句は如何にも怪しげですが、元の出版社がどっかの日大の新校舎を建てるためのふざけた地上げで倒産し、入手困難になっていた正真正銘の〈幻の名作〉です。イラストレーションも20年前の底本と同じく、間垣りょうたさんにお願いいたしました。
……それでは、次回も宜しくお願いいたします!
以上、冒頭試し読み&編者解説でした。
ちなみに、『ノクターナルプレイグラウンド(仮)』は『ノクターナルプレイグラウンド 私たちは淫らな秘密で繋がっていく』というタイトルになりました。
かくして、〈ライト官能文芸〉で〈新しき官能小説と文藝の実験室〉と銘打った〈マドンナベリー文庫〉第五弾、高橋徹×心友『ほろ酔い優菜と淫蜜純愛性活 JDスナック嬢に身も心も癒されて』、6月24日からKindle、BOOK☆WALKERなど各電子書籍ストアで配信開始です!
ちなみに10日からDMMブックスで先行配信(実験販売)されていますよ。
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