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【結城友奈は勇者である考察】勇者であるシリーズの地名について

みなさんこんばんは。来覇(くるは)と申します。

久しぶりの投稿となってしまいましたが、今回も勇者であるシリーズの考察を通して世界観をより深く楽しんでいきたいと思います。

今回は勇者であるシリーズに登場する地名についてです。
勇者であるシリーズはアニメ1期の「結城友奈は勇者である -結城友奈の章-」が香川県讃州市を舞台として描かれていることからもわかる通り、現実の香川県にはない土地の名称が使われている部分がいくつか見受けられます。

今回はそうした勇者であるシリーズに登場した地名と現実の地名との差異について考えてみたいと思います。

1.勇者であるシリーズにおける地名の変遷

勇者であるシリーズの中で、主に神世紀の時代を描いた「結城友奈は勇者である -結城友奈の章-」や「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」では、舞台となる地名が『讃州市』や『大橋市』といったように現実とは異なる名称で呼ばれています。

一方で、西暦の時代を描いた小説「乃木若葉は勇者である」の舞台は『丸亀市』となっており、現実の香川県と同じ名称が使われています。また、勇者たちが休養として訪れた温泉宿も『高松市』にあると描写されています。

年が明け、今は1月初旬。
若葉たちは高松市の温泉に来ていた。
高松市は香川一の都会であると同時に、四国有数の温泉地でもある。

『乃木若葉は勇者である上巻p109』より引用

これらの描写から西暦の時代の四国各地の地名は現実と同じ名称が用いられていると考えられます。

では、西暦の時代から神世紀298年や300年までの間に、どこで四国各地の地名が変わったんでしょうか?

それがはっきりと言及されたのが「結城友奈は勇者である -勇者史外典-」での描写です。

そういえば、四国各地の地名は近いうちに変更されるという噂を聞く。だったら地名に基づいて名前をつけられたうちみたいな学校も、名前を変えるんだろうか。

『結城友奈は勇者である -勇者史外典- 上巻p177』より引用

この描写があった「芙蓉友奈は勇者でない」は神世紀29年の時代を描いているので、四国の地名が変化したのは神世紀30年前後であることがわかります。

このことは「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」でも言及されており、地名はいくつか変わりましたが丸亀城やゴールドタワーといった建造物の名称は変わっていないようです。

『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき 花結いの章第7話』より
『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき 花結いの章第7話』より


ではここから、神世紀30年前後を境にして、四国各地の地名がどのように変化していったのかを詳しく考えていきます。


まず最初に現実における香川県の地図がこちらになります。

香川県は画像にある通り8市9町で構成されています。
今回は、勇者であるシリーズの西暦時代もこの地図と同様の地名であると仮定して、作中で登場した神世紀の地名との関連性を考えていきます。

2.讃州市


まず、「結城友奈は勇者である -結城友奈の章-」の舞台となった『讃州市』は観音寺市の場所に位置していることは間違いないでしょう。

作中で登場する背景は観音寺市にある三架橋や琴弾公園ですし、観音寺中学校と讃州中学校の外観が酷似していることからもわかります。

『結城友奈は勇者である -結城友奈の章-第1話』より

「讃州」という言葉の由来は、おそらく香川県の昔の名称である「讃岐国」の別称が「讃州」であったことが由来だと思われます。今でも讃州という名称は企業名や店名などで使われているようですね。


3.大橋市

次に、「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」の舞台となった『大橋市』が坂出市の場所に位置していることもまず間違いないと思われます。

作中で登場する『大橋市』のイネスが坂出市の坂出駅前にあるイネスにそっくりですし、また作中でバーテックスを迎え撃っていた瀬戸大橋は坂出市の代表的な建造物となっています。

「大橋」の名前の由来はやはり坂出市の代表的建造物である「瀬戸大橋」からとった名称なのだと思われます。作中では主に大橋と呼称されてはいますが、神世紀の坂出市でもシンボルとして説明されています。

余談となりますが、「結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-」 にて鷲尾須美が手紙をもらう場面があります。
そこに書かれている鷲尾須美の家の住所は大橋市大橋町であり郵便番号は762-0025となっています。

『結城友奈は勇者である -鷲尾須美の章-第3話』より

この郵便番号は現実では香川県坂出市川津町となります。ここからも『大橋市』が坂出市の場所に位置していることが伺えますね。


4.大束町

続いて「楠芽吹が勇者である」の主な舞台となった『大束町』について考えていきます。
「楠芽吹は勇者である」は主に香川県大束町にあるゴールドタワーが舞台となります。上で示したようにゴールドタワーは現実に存在する建造物で、そうした建造物の名称は神世紀になっても変わってないということになってます。

そのため『大束町』は、現実のゴールドタワーが位置する宇多津町と考えて間違いないと思います。
ゴールドタワーだけでなく、防人隊が元日に初詣に行った宇夫階神社も宇多津町にある神社ですので、ここからも『大束町』は宇多津町の場所に位置していることがわかります。

「大束」の名前の由来は宇多津町を流れている「大束川」であるのではないかと思います。


5.玉藻市

さらに楠芽吹の出身地である『玉藻市』についても考えていきます。
『玉藻市』については作中での描写は決して多くありませんが楠芽吹の出身地であり香川県の県庁所在地であることが語られています。

歴史を語るなら、かの有名な弘法大使空海は香川県出身! それに四国一の都会です。県庁所在地、玉藻市の繁栄ぶりは有名でしょう!

『楠芽吹は勇者である p43』より引用

また、「楠芽吹は勇者である ドラマCD Vol.2」にて山伏しずくが『玉藻市』に外出するエピソードが語られています。
そこで『玉藻市』は、
・大束町から各駅停車で40分
・うどん県香川で異様なほどラーメン屋が多い
・高さ約151mのシンボルタワーがある
・シンボルタワー内にはラーメンポートがある。

ということがわかります。ここで注目したいのが"高さ約151mのシンボルタワーがある"という点です。香川県にある高さ151mのタワーと言えば高松市にある高松シンボルタワーですね。

現実での香川県の県庁所在地は高松市ですし、宇多津町から高松市まで各駅停車を使えばおおよそ40分程度時間がかかることからも、勇者であるシリーズに登場する『玉藻市』は高松市の場所に位置していると考えられます。

「玉藻」の名前の由来は高松市中心部の町である「玉藻町」からきていると思われます。
玉藻町の由来は飛鳥時代の歌人である柿本人麻呂が
「玉藻よし 讃岐の国は 国柄かか 見れども飽かぬ……」
(玉のような藻の美しい讃岐の国は、国の由来ゆえか見ても飽きないことだ。)
といった歌を詠んだことに由来するとされており、日本三大悪妖怪の一つとされる玉藻前とは直接的な関係はないようです。

ここまでの流れをみると、神世紀で変化した地名はもとの地名に関連のある名前になっていることが見えてきますね。


余談ですが、現実の高松市にある高松シンボルタワーにも、「高松拉麺築港」と呼ばれるラーメンポートが存在します。うどん県香川にてラーメンを前面に推している場所であり、作中では山伏しずくと加賀城雀がラーメンを食べていた場所でもあるため、聖地巡礼として行ってみるのも面白そうですね。


ここまでで一旦、判明した神世紀での地名について整理してみます。
神世紀において名前が変わった地名は以下のようになっています。
観音寺市→讃州市
坂出市 →大橋市
宇多津町→大束町
高松市 →玉藻市

8市9町のうち、3市1町の神世紀における名称が判明しましたね。地図にしてみると、「鷲尾須美は勇者である」が舞台となった大橋市と「楠芽吹は勇者である」が舞台となった大束町は隣同士であり、「結城友奈は勇者である」が舞台となった讃州市は少し離れた場所に位置していることがわかりますね。


さらにここからは、主に「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」で登場した地名について考えていきます。

6.象頭町

まずは、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」の赤嶺友奈の章にて赤嶺友奈と弥勒蓮華が集められた場所として登場した『象頭町』です。

赤嶺友奈と弥勒蓮華は高知県出身ですが、中学1年生の時にお役目のため『象頭町』へと集められ、象頭中学に転入しました。

この『象頭町』がどこに位置しているかについてはほとんど語られていませんが、イラストの背景描写から地名を探っていくことができます。

『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき 赤嶺友奈の章』より

その一つがこちらの鞘橋です。鞘橋は香川県琴平町を流れる金倉川に架かる橋であり、琴平町の有名な観光スポットの一つとなっています。
背景に移っている橋の見た目が現実の香川県琴平町にある鞘橋とそっくりなので、象頭町は琴平町の場所に位置していると考えられます。

『象頭』の名前の由来は、香川県琴平町にある象頭山だと思われます。琴平街道から眺めた山容が象の頭を思わせることからこの名がついたといわれているそうです。

7.五岳市

続いて、「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」の花結いの章で名前だけが登場し、きらめきの章にて天馬美咲の出身中学である五岳東中学が登場した『五岳市』についてです。

『五岳市』はこれまでに登場してきた町と比べて語られている情報が少なく、イラストなどにも登場していません。かろうじて位置が推測できるのは赤嶺友奈のセリフにある五岳が象頭のお隣さんという部分のみので、作中から位置を絞るのはなかなか難しくなっています。

「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき きらめきの章 第13話』より


そのため、これまでとは逆に『五岳』という名前から五岳町の位置を割り出していきます。
現実の香川県には五岳山と呼ばれる山があり、この山は善通寺市に位置しているようです。

これまでの流れとして、西暦時代に町だった場所は町に、市だった場所は市にそのまま変わっていることや象頭町の位置にある琴平町の隣に善通寺市があることからも、五岳市は善通寺市と考えてよいのではないかと思います。


余談となりますが、『象頭町』や『五岳市』という名前自体は「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」だけでなく、「結城友奈は勇者である -勇者の章-」にも登場しています。

『結城友奈は勇者である -勇者の章- 第1話』より

勇者部の活動の一環で象頭町や五岳市の幼稚園にも訪れていたようですが、讃州市が観音寺市、五岳市が善通寺市、象頭町が琴平町と考えると、勇者部の活動範囲は思っていた以上に広いことがわかりますね。

8.まとめ

これで作中で登場した地名で位置を推測できるものは以上となります。
ここまでをすべてまとめると下の画像のようになります。

香川県の西側を中心に、8市9町のうち4市2町が判明しましたね。
今回考えた地名以外にも、綾川町は「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」に登場し、神世紀で地名が変わっていることが言及されています。

『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき イベント「桜思う心は今も」』より

また、「芙蓉友奈は勇者でない」では三豊市の荘内半島が登場しています。神世紀になって名付けられた地名が元の地名に関連の深い名称となっていることから、三豊市は神世紀に『仁老市』や『荘内市』といった名称になっている可能性も考えられますね。

今後も勇者であるシリーズが続いていく中で、また新たな地名が出てきて、神世紀における香川県の地名が判明していくこともあるかもしれませんね。

9.最後に

いかがだったでしょうか。
今回は勇者であるシリーズに登場する神世紀の地名と実際の香川県の地名を比較して、西暦から神世紀にかけての地名の変遷について考えていきました。

勇者であるシリーズは、『讃州市』や『大橋市』といった架空の地名が使われていることや勇者の力を使えば長距離を一瞬で移動できてしまうことから、地理感や距離感がつかみにくい部分もあったかと思いますが、実際の地図に当てはめてみることで、彼女たちが生きていた神世紀の香川県の様子を少し身近に感じられたのではないでしょうか。

今回の考察では神世紀になって変化した地名は4市2町しかわかりませんでしたが、私が見落としていただけでまだまだ神世紀の地名を指し示す描写は作中にあるのかもしれません。
そうした地名に関する作中での描写などを見つけた方はぜひぜひコメントなどで教えていただきたいと思います。

それでは今回は以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。


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