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ガンダム00はめちゃくちゃだけど超クール~宇宙世紀への挑戦~

ガンダム00と宇宙世紀


この記事は、ダメなオタクが、ガンダム00を過去作ガンダムシリーズの宇宙世紀と絡めてダラダラ喋るだけの記事です。かなり野暮な視点で話しています。

・機動戦士ガンダム00のテレビシリーズ〜劇場版までの全てのネタバレを含みます。ガチでラストまでネタバレするので観てから読んでください。

・あと他のガンダムのバレもちょこちょこあります。こっちはキャラの生死とか重大なのはないです。

・文中で取り上げた作品を貶す意図は一切ありません。

よろしくお願いします。


「人類は知性を正しく用い、進化しなければならない。そうしなければ、宇宙へ、大いなる世界へ旅立っても、新たな火種を生む事になる。それは、悲しい事だよ」

劇場版 機動戦士ガンダム00 -A Awakening of the Trailblazer-


刹那とマリナが抱きしめあい、クオリアとエンドロールが流れた後。
機動戦士ガンダム00は、全ての仕掛け人たるイオリア・シュヘンベルグの語りで締めくくられる。

ソレスタルビーイング、そしてイオリア計画の真の目的は、人類の統一と進化を促し、争いの火種を抱えたままの人類が宇宙へ進出するのを阻止することだった。

かなり初期からエイフマン教授が勘づいていたのをはじめ(この人なんなの?)、本編で再三語られていた話が、改めてイオリア本人の口から語られる。
大いなる対話(ELS襲来)に備え、人類は分かりあわなければならない。

でも、「争いの火種を抱えたまま宇宙に進出してしまった人類」って、どこかで見た話だなあと思いませんか?

そう、「機動戦士ガンダム」から始まった、宇宙世紀
バチボコに戦争しまくった黒歴史。

人は、宇宙に出て、その本能をよりのびやかに開化させたのかもしれない。
歴史は、逆転したのである……
人は、かくも愚かなのだろうか?

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ(上)

宇宙世紀と、ガンダム00の世界の西暦は同じ問題を抱えている。それは、
「地球を滅ぼさないために、人類が今後絶対に戦争を繰り返さないように、人類は進化しなければならない。」
ということだ。

宇宙世紀の人々はニュータイプに、西暦の人々はイノベイターにならなくてはならない。
しかし、人類全部を進化させるなんてどうすればいいのだろう?
逆襲のシャアにはこんなシーンがある。

シャア「地球は、人間のエゴ全部を飲み込めやしない!」
アムロ「人間の知恵は、そんなもんだって、乗り越えられる!」
シャア「ならば、今すぐ愚民ども全てに叡智を授けてみせろっ!」

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア

イオリア「任務了解」

それができりゃ苦労してねえよ!!!!!!!!!!!!!!!!!(爆笑)

イオリアはソレスタルビーイングによる人類意思の統一と、脳量子波を伝達するGN粒子によって、ガチで人類全部に叡智を授けてしまった。めちゃくちゃ。

しかし、ガンバレバ・ナンデモデキル粒子GN粒子の存在しない宇宙世紀で、それを実現させるには過激な手段が必要になる。

シャアは人類全てを宇宙に住まわせることで、全人類をニュータイプにすることを目指した。
地球をヒトの棲めない星にするという手段で。
アムロはその過激な思想をエゴだと否定する。
それが先ほどの問答の背景だ。

宇宙世紀はどん詰まりの世界であるゆえに、世直しの必要性の訴えと、そのために必要とされる過激な手段の否定が繰り返される。
アクシズ落とし、マフティーによるテロリズム、コスモ貴族主義、etc……。

「世直しのこと、知らないんだな。革命はいつもインテリが始めるが、夢みたいな目標を持ってやるから、いつも過激なことしかやらない」

アムロ・レイ(逆襲のシャア)

これはシャアへの批判だが、わりとイオリアとソレスタルビーイングには耳が痛い話だ。
作中でも彼らは狂信者の集団とまで言われ、本人たちも矛盾と罪の重さに自覚的だ。
「00って、インテリが過激な世直しを達成しちゃう話、という構造があるよね」という指摘はかなりその通りかなと思う。

それでも、あえて架空の紀年法ではない「西暦」の人類が革新し、分かり合える世界を実現するという、宇宙世紀では絶対に描けない領域を描き切ったガンダム00って、最高にイカしてると思いませんか?

イオリアとGN粒子はかなりデウス・エクス・マキナしてるけど、刹那たちの成長がちゃんとストーリーの縦軸になってるからあまりそれを感じさせない。
(永遠に問題解決しないけど、それでも若者たちが頑張る宇宙世紀ももちろんめちゃくちゃ面白い)

自分はガンダムシリーズの作品に対して「ガンダムらしさ」みたいなものは求めない派のつもりだが、(ガンダムらしさって何?)、00はガンダムシリーズでやらなければ意味がなく、なおかつアナザーガンダムでしかできない話なのがいいところだなあと思う。というか誤解を恐れずに言えばガンダムに喧嘩売ってて好きだ。

最後にこの、喧嘩売ってるポイントの話をしたい。リボンズ・アルマークとかいうやべーやつ。

リボンズは、ガンダムの主人公アムロにそっくりな声を持ち、アムロのRX-78ガンダムのそっくりさんな0ガンダムに乗った、アムアムの実を食べた全身アムロ人間。人間じゃないけど

2ndシーズンの最終決戦の対戦カードは、ガンダムエクシアの刹那と、0ガンダムに乗ったリボンズとなる。
ガンダム00の主人公が、ガンダムの主人公のそっくりさんをぶっ飛ばして新時代を切り拓き、2ndシーズンはハッピーエンドを迎える。

大丈夫このアニメ??????怒られない???????

とか思ってたらE・A・レイとかいうガチで古谷徹が声当ててるキャラが最後の最後で湧いて出てくるのなんなんだよ。ガンギマリアニメ。

そう、そもそもガンダム00はそういうアニメだ。
主人公は俺がガンダムだとか言っててクレイジー。だけどめちゃくちゃかっこいい。

話が逸れました。

つまり、ガンダム00は「西暦人類が、宇宙世紀に至らないルートを描いたガンダム」であり、だからこそ宇宙世紀の象徴たるアムロのそっくりさんがラスボスなのかもね、それってめちゃくちゃクレイジーだけど、超クールじゃん。

というガノタの戯言でした。
ありがとうございました。


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