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大人になるための予防接種

幼い頃、
予防接種はみな受けるだろう。

はしか、おたふく、インフルエンザ。

大人になるためにも
数々の予防接種が必要だ。

お局、クズ男、多くの失敗経験。

そうやって1度経験をしておくと、
今後その事象に会っても二度同じ轍は踏まないはずだ。

しかし、
この大人になるための予防接種はとても痛い。

チクリとかのレベルではない。

グサリ、である。

これらは私の胸に深く刺さって抜けてくれない。

もはや致命傷の域である。

これらの予防接種で受けた心の傷は簡単には癒えない。


私のお局の予防接種は18のときのことだ。

私のnoteで何度も出てきた、デパ地下の食品ブランドのレジ打ちバイトでのことだ。

そこはほぼ女性しかおらず、
そこに入って感じたこと、それは
【表面上での仲良しこよし】だ。

すごく仲が良さそうに、
お互いを尊重して感謝を忘れず仕事しているように"傍から見れば"見える。

だが、入ってみて感じたのは"一定の距離感"。

私の高2から続けている引越しバイトは、
もはやアットホームどころか家族のような、そんな距離感で、
これが仲良しすぎるあまり、私はこのバイト先の距離感に気がついてしまった。

言うなれば、
仕事のみの関係、プライベートでは一切関わらない、そんな関係性だろうか。

女性特有の過度な譲り合い褒め合いが気持ち悪かった。

そんな過剰に気を遣う居心地が悪いバイト先で、お局がいた。

一見、優しいおばあちゃんなのだが、
これまた大変なのだ。

言葉にトゲはない。おそらく。

だが、言葉の奥にトゲがあるのだ。

ここのルールに従え、
そんなことも分からないのか、

そんなことを言われている気がするのだ。

正直、私は浮いていた、と思う。

女性特有の気の遣い合いが苦手で、
なんらかの気の遣った褒め言葉を言われた際にだんだん上手く返せなくなっていった。

だから引越しバイト(ほぼ男性しかいない)は気が楽で合っているのだろうと思うのだが。

そうこうしているうちに、
お局と揉めた。

よく覚えていないが、
私はなにもしていないのにお局に何かを言われ
していないから反論したら

大人は認めるものですよ、という言葉を包含した柔らかい口調で宥められた。

それにカチンときて
さらに言い返し、揉めた。

その頃はもう心がズタボロで
(記事「あんたみたいな"ブサイク"」参照)
何を言われても涙が出る、そんな精神状態だった。

グッと涙をこらえ言い返しまくった。

同級生の優秀なアルバイトがいて、
その子と心の中で比較されているのだろうな、
という劣等感も重なっていた。

その子は女性特有の気の遣い合いが上手で
おばさま方に好かれていた。

全社員、パートから仕事の出来でも気の遣い合いでも比較され優劣を付けられていると思うと逃げ出したい、そう思うようになった。

そうして居心地が悪くなった。
居場所がないなと感じて半年で逃げるように辞めた。

大学への求人だったことは忘れた。
迷惑など考えていられるものか。

こうして予防接種という名の傷は
今も心に深く刺さっていて
ここの店舗があるデパ地下には未だに行くと動悸がする。



クズ男の予防接種は19~20になりたてくらいの時期だ。

バイト先の引越し業者の社員だった。

主語デカ構文で失礼するが、
引越しにいるやつなんてろくな奴がいない。
(私のいる店舗は本当に終わっている、笑えるほど)

わかっていたのに。

ハジメテは彼だった。
ゴムを付けないクズの時点で辞めておけばよかったのだが、

私好みの童顔丸顔と、
筋肉質な身体、高身長、それに包まれる温もりが忘れられなくて足繁く通った。

彼は地元に変えることが決まっていて、
遠距離恋愛はムリだからと付き合いはしなかった。

いなくなる日が近付くと、
プツと切られた。

関係を。

会話も気まずくなるくらいに。

これはメンタルがやられた。

大好きだった人に無視され、
存在しないかのように扱われる経験なんて
できることならしたくなかった。

当時はかなり荒れた。

彼の吸っていたのと同じ銘柄のたばこを吸い、
アプリで年上と出会っては温もりを求めた。

ある日ふと踏ん切りが付いたからよかった。
あんなやつ、と憎めるくらいには。

今はもう出会っても恋しくならないだろうと思う。たぶん、

辛い経験だった。
予防接種というにはあまりにも針が深く刺さりすぎている。

だがこれらをいい経験=予防接種だと思って
これからを生きていけば
今後の未来に光が差してくれる気がする。

この経験を踏み台にして
私は生きていくのだ。弱い心を守りながら。

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