ブンゲイファイトクラブ3・由々平秕によるグループDの評
鮭さん「イカの壁」
4点(印3+技4+題3+思1/細1)
一文一文の完成度がすさまじいです。最初はちょっとやんちゃな男の子の砕けた口語体という趣きなのですが、そこに絶妙なテンポで「泣きだしてしまって」や「下がってしまうよ」「…だもの」といった謎の端正さを織り交ぜるのも、「つぶらな瞳をしてやがる」のあとに「ポンポの野郎」と主語を置き直してみせるのも、「松の木」を大きさの尺度とするのも「愛さん」の体言止めも、涙が出るくらいセンスが冴えきっている。イカの周囲に「白い棺桶(shiro