2020年 姫路 増位山随願寺 鬼追い式(追儺会)・1
兵庫県姫路市にある増位山 随願寺(ますいさん ずいがんじ)へ、毎年2月11日に行われている鬼追い式(追儺会・ついなえ)を初めて見に行ってきました。鬼・虚無僧・山伏を見られる、特盛な行事です。
随願寺への道のりと境内の様子
姫路駅からバスで15分程。白国(しらくに)下車の後、30分程歩きます。実はこの日だけバス停~随願寺を往復する送迎バス(地元自治会の方運営)が出ていたらしいのですが、それは帰りに知りました。
暖冬の影響か2週間程早く梅が開花したそうな。丸い蕾がとても可愛らしく、都会では見られない風景。徒歩も悪くありません。
到着です。まだ朝9:00くらいですので参拝の方々は少なめです。
まずは本堂へお参り。ご本尊は薬師如来。左脇侍に千手観音、右脇侍に聖観音の薬師三尊形式でした。とても厳かで立派でした。撮影は罰当たりかと思いしておりません…天井画は狩野探幽 作との事。
境内は準備中。中央にいるこちらのスーモ君みたいな塊は後に燃やされます。10:30から行われる虚無僧碑前の献奏まで時間があるので、御朱印を書いて頂きに庫裡へ。
御朱印は3種あるとのことで、次にいつ来られるかわからないので、お忙しい最中に申し訳なく思いつつも、全てお願いしてしまいました。薬師如来は如がちゃんと手や薬壺になっていてかわいいです。
そして婦人会の方にお招き頂き、食事まで頂いてしまいました。赤飯、粕汁、お漬物や煮豆等々…地元の者でもないのに本当に有難くて、夜行バスと登山ですでに結構疲れてる(笑)身体にしみ渡りました。
虚無僧保存会の皆様による献奏
時刻は10:30。虚無僧碑前で虚無僧保存会の皆様による献奏が始まります。
11:00より、本堂にて尺八古典本曲からお馴染みの曲まで、計10曲。
私は虚無僧様方の撮影を主な目的として訪れたので、献奏の様子は記事を分けて詳しく書きたいと思います。
天気も良く(毎年崩れがちで、こんなに良い天気なのは珍しいそうな)、徐々に人も集まりだしました。地元の自治会の皆様による食事やくじ引きのお店が出ますので、遠方から来る方でもごはんの心配はありません。
本堂内での鬼追い式と、餅まき
13:00より、本堂の中で鬼追い式が執り行われます。式の最中は扉を締め切り、どなたも出入禁止となります。
12:00近くから早くもカメラマンの方々が場所取りをされています。これも本当に本当に有難いことに柵の内側に入れて頂き、間近で見ることができました。
子鬼と空鬼、そして赤鬼&青鬼がいよいよ登場した時の高揚感。松明をぶつけあって散る火花の迫力は、写真や動画で見る以上のものがありました。
外に出て、皆で餅まきです。前に陣取らないと取れません…私は反射神経がにぶいので1個も取れませんでした。しかし福はやはり地元の皆さんが受けられるのが良いと思いました。
毎年、鬼は地元の厄年の男性の中から抽選で選ばれるそうです。左から赤鬼(毘沙門天)、空鬼(薬師如来)、青鬼(不動明王)の御三方。お役目、誠にお疲れ様でございました。
修験道 行者の皆様と火渡り
その後は修験道の行者(山伏)の皆様による行者問答の実演や火渡りなど。
時刻は15:00を過ぎた頃。さて日がある内にそろそろ下山せねば…と、先程お世話になった婦人会の皆様へお礼のご挨拶をしに伺ったところ、1個も取れなかった福もちを頂いてしまい、これまた泣きそうになりました。。大量にまかれた福もちも、皆様で作られたそうです。帰宅したら美味しく頂こうと思います、本当にお世話になりありがとうございました。
随願寺と白国の皆様に福あれ…!
『悠々千古心』Web site▶ https://www.yuyu-senkono-kokoro.com
日本各地を巡り、虚無僧、虚無僧所縁の地、尺八関連の写真を撮影しています。悠々千古心とは『永遠の昔から永遠の未来へと生き続ける心』という意味の禅語のひとつ。その言葉のように、虚無僧という文化を通じて己が生まれ育った日本と、時の流れを感じられたらと思っています。