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生徒さんに評判のよかった宿題3選
1. せっかくやるなら、楽しく取り組める宿題を。
1-1. 自己紹介
こんにちは。
フリーランス日本語教師の ゆうゆう です。
毎日自宅からオンラインで日本語のレッスンをしています。
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前回の記事では、わたしが日頃意識したいと思っている「教師の話し方」について、おすすめの参考書とともにご紹介しました。
こちらもぜひ、読んでいただけたら嬉しいです。
今回、取り上げるのは、「宿題」です。
オンラインかどうかにかかわらず、日本語の授業で宿題を出している学校や教師の方々は少なくないと思います。
どんな宿題にすれば、効果的かつ楽しく取り組めるか。
この問いについて自由に考えられるようになったのも、フリーランスになった利点の一つだと思います。
(大学や日本語学校では、決まったカリキュラムがあったので、宿題についてあまり自由には決められませんでした。)
宿題について考えるとき、よく自分の学校生活を思い出します。
小学校〜中学校のときは、「ドリル」や「レポート」みたいな宿題が多かったと思います。主に「復習」を目的とした宿題をしていました。
高校のときは、わたしの学校の校風で、「予習」を目的とした宿題が多かったです。事前に問題集を解いて、授業で答えを発表したり黒板に書いたり、という感じでした。
いずれも、効果はあったと思いますが、あまり楽しいと思えるものではありませんでした。
わたし史上、楽しいと思えていたのは、英会話教室で出される宿題でした。
それは、英語の絵本を読んだり、自分が英語を話しているところを録音したり、映画を見た感想を英語で発表する準備をしたり、という宿題でした。
学校よりも、クリエイティブで、オリジナリティのある宿題が多かったんだと思います。
「楽しい」の基準は人それぞれだと思いますし、クリエイティブなものよりも単純作業の方が性に合っているという方もいらっしゃると思いますが、
外国語を習得するプロセスには、多少なりともクリエイティブでオリジナリティのあるタスクが必要ではないでしょうか。
そこで、わたし自身の外国語学習経験を参考に、大学や日本語学校での勤務で得たものも参考に、生徒さんに寄り添った宿題を出せるように日々模索しています。
今回は、これまでに出した宿題の中で、生徒さんの評判がよかったものをいくつかご紹介していこうと思います。
1-2. この記事で書くこと
この記事では、わたしがフリーランスになってから出した宿題の中で、生徒さんから「楽しかった!」「勉強になった!」「もう一回チャレンジしたい!」といった反応があったものを3つご紹介します。
好きなものや人を描写する宿題
教師の経験をもとに書いた文章を使った宿題
身近な人にインタビューして結果を報告する宿題
それでは、始めましょう!
2. 生徒さんに評判のよかった宿題3選
2-1. 好きなものや人を描写する宿題
生徒さんそれぞれに、好き嫌いがあると思います。
得手不得手もあると思います。
わたしは日頃から、そういった部分を念入りにヒアリングして、レッスンプランに組み込めるよう試みています。
その一環として、好きなこと・得意なことを使って日本語を伸ばすために、生徒さんの好きな歌手、アニメのキャラクター、俳優、スポーツ、楽器、といったことを描写する宿題を出しています。
たとえば、「◯◯は ▢▢が ✕✕です」という文型を扱うとき、教科書にはこんな例文や練習問題が載っていることが多いと思います。
Aさんは 髪が長いです。
Bさんは 目が大きいです。
Cさんは 背が低いです。
これだけでは単調だと思い、生徒さんに、自分の好きなものや人を紹介するというタスクに挑戦してもらいました。
実際、こんな文を作ってきていました。
わたしはポケモンが大好きです。
ゲンガーがいちばん好きです。
ゲンガーは、体が大きくて、力が強いです。
そして、ゲンガーは、顔がちょっとこわいです。
きのう、友だちとサッカーをしました。
サッカーはおもしろいです。
ときどきテレビでサッカーを見ます。
でも、サッカーは、ルールがちょっとむずかしいです。
ワンピースのニコ・ロビンが好きです。
ニコ・ロビンは、パワーがかっこいいです。
ニコ・ロビンは、髪が黒いです。手と足が長いです。
よくギターをひきます。
わたしのギターは、デザインがおもしろいです。
わたしはギターに絵を描きました。
とてもカラフルです!
好きなものについて話すのはやはり楽しいのか、人によっては超長文だったり、3つぐらい考えてきてねって言ったにもかかわらず 10こぐらい作ってきた生徒さんもいました。
この練習は、他の文型にも応用できるし、生徒さんもとても楽しそうに話していた印象なので、個人的におすすめの宿題です😉
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2-2. 教師の経験をもとに書いた文章を使った宿題
小さいころ、どんな先生に親近感を持っていたか、考えてみました。
わたしの場合、「自分のことをよく話す先生」でした。
(何を考えているかわからない先生は、ちょっと怖かったです💦)
これは一般化できるものでもないとは思いますが、わたしのエピソードの中に生徒さんにとって共感できるポイントがあれば、そのときに使った語彙や表現が記憶に残りやすいかな?という期待もあり、わたしのエピソードもよく教材として使っています。
たとえば、以前、「自動詞・他動詞」がどうしても定着しなくて困っている生徒さんがいました。
また、この生徒さんは、JLPTのために読解練習もしたいと考えている方でした。
そこでわたしは、毎週、自動詞か他動詞を選ぶ穴埋め問題を宿題として出しました。その文章として、わたし自身の経験をもとに書いたものを採用してみたのです。
たとえば、こんな感じです(N3相当)。
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こういった練習を10週ぐらい続けた結果、その生徒さんは以前より自動詞と他動詞を使い分けられるようになりました。
その生徒さん曰く、
先生の本当の話、いつも楽しみです!
JLPTの本の文章は、ぜんぜん知らないトピックがあって、難しいです💦
先生の話は、いいと思います。興味があります\(^o^)/
だから、宿題をがんばります!
とのことでした。
JLPTのためには、もちろん、興味のないトピックの文章も読めるようにならないといけないのですが、特定の文型を練習し、読解に慣れることを目的とするなら、興味が持てる文章から始めてもいいのかな?と考えています。
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2-3. 身近な人にインタビューして結果を報告する宿題
教科書を使ってレッスンをしている先生なら、今までに一度は「ペアワーク」の練習問題に遭遇したことがあると思います。
でも、こういった練習問題は、生徒さんが2名以上いる場合を想定して作られているものがほとんどなので、わたしのようなマンツーマンのレッスンでは、やりにくい!ということもしばしば。
たとえば、2名以上の生徒さんがいるクラスで、「〜と言っていました」という文型(第三者が言っていたことを報告するための文型)を扱うとき、クラスメイトとペアになって話して、それをみんなの前で発表する、といったアクティビティをすることがあると思います。
わたしはこれを、思い切って、宿題にしてみました!
今日の宿題は、インタビューです!
ここにある質問1〜10について、身近な人にインタビューして、来週のレッスンで結果を報告してください。
「〜と言っていました」を使うのを忘れずに😉!
生徒さんのレベルやニーズに応じて、ペアと話す部分だけレッスン中にいっしょに練習するのは、いいと思います。
でも、わたしと話したことをわたしに向かって話してもらっても、あまり「報告」という雰囲気が出ないので、練習の効果が半減すると思いました。
そこで、身近な人から聞き取ったことをまとめて、レッスンで発表するというスタイルに変換してみた、というわけです。
何人かの生徒さんに、この宿題を出してみたところ、思っていたよりいい反応が返ってきました。
家族と話すときは母国語だったけど、家族から聞きとったことを日本に訳して、それを報告する形に直して…。これはとてもいい練習でした!
家族に日本語と母国語の両方でインタビューしたら、家族が「日本語の勉強がんばってるね!」「あなたが日本語を話しているのを初めて見たけど、上手になってる気がする!」と褒めてくれました。うれしかったです。インタビューの宿題、またやりたいです。
こちらとしては、生徒さんからいいフィードバックがもらえただけでなく、インタビューの結果報告から生徒さんの身近な人の情報をいただけて、雑談のネタが増えたので、諸々ありがたかったです。
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3. まとめ
この記事では、これまでに出した宿題の中で、生徒さんの評判がよかった宿題を3つご紹介しました。
いずれも、「生徒さんが楽しく積極的に取り組めるように」と考えて用意した宿題でした。
今回の内容に派生して、「教科書の練習問題の広げ方」についても、今後記事にできればと思っています。
いつもフォロー・スキ・サポート、ありがとうございます。
とても嬉しいです!
最後まで読んでいただきありがとうございました😉
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