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ライフとスタイルと未来と「好きです」の話

なぜ有料定額noteを始めようかと思ったかというと、連載がそう遠くない未来に終わるというのはもうわかっているからです。

漫画家はきっちりかっちり歩合性で、書かなくなったら「パッタリってこんなに大きな音するっけ?」と言うくらい轟音を響かせて収入がなくなります。

これまでの蓄えがないわけじゃないので生きていくことはできると思うんですが、ちはやふる基金(https://chihayafund.com)というものを始めて、何がなんでも続けて行きたいので、単に生きていく以上の出費があります。

みなさんから寄付やグッズ購入をしてもらってて、本当にありがたいんですが、スタッフの人件費・オフィス費までそこから出すわけにいかないので(基金の収入はみんなかるた界に使いたい)それは私が自腹で払っていく決意をしています。

でも持続するためには、漫画を書いていない時期にも収入があったほうがいいし、ないと続けられない。

そういう気持ちで、漫画と違う場でも収入を持てるようにとnote開始です。出版はできないけど、プライベートでもたくさん漫画を書いているので、そういうのも見てもらいたい。

みなさんと繋がれるととても嬉しいです。

noteさんの仕事が早すぎて、定額のシステムの審査に一週間かかるかと思ったらあっという間に審査に通ってもう有料定額システムが開始に!

でも今日はズズーっと無料で読んでいってください。

こちらを読んでくださったたくさんのみなさんありがとうございます!

理音ちゃん推しの人は、ずーっとそばに居続けるというところが不思議な人でしたが、自分から何かを求めなかったという点で、私にとっては豊かな経験として残ってます。

でも、そうじゃない場合もあって。


「奪う」接近と「与える」見守り


過去にあった例を思い返すと、

■ツイッターで「○○に行ってきます」と呟いたために、出かけた先で待っている方が現れて、「この色紙に詩暢ちゃんを書いて、このレターパックで返送してください」とレターパックをもらう。

■編集さんとの原画展の打ち合わせの帰り、一人で電車で最寄り駅まで帰る私をつけてきて、お二人の方が「この色紙にサインを書いて、このレターパックで返送してください」とレターパックをもらう。(原画展会場から出てきたために末次とわかった)

■友人と個室で飲み会で、友人と別れて一人で最寄り駅まで帰る私をつけてきて、「この色紙に詩暢ちゃんを書いて、レターパックで返送してください」とレターパックをもらう。(講演会で一度末次を見たことがあり、顔を知っていた)


なんでみんな色紙とレターパック持ってるの?


と、思いはするものの、そんなにサインを欲しいと思ってくださってありがたいなあ、と思って(みなさん熱心なファンの方なのは伝わってきたので)、前の二回は返送したんです。サインとイラストを書いて。お手紙も書いて。


でも三回目ともなると、呑気な私でもわかってきました。


こういうこと・・・・・例えば、森川ジョージ先生にする?尾田栄一郎先生にするかな・・・?

せっかく会ったんだから、「ファンです」と声をかけて握手を、ということならわかる。でも、誰もいないところまでついてきて、話しかけて、返送してと色紙を渡す・・・?

これって、実は随分と甘く見られてるんじゃないか・・・。

そう思うとちょっと情けなくなってきて、最後のレターパックはお返しできないままでいます。

悪気はなくても、この方達は私から何かを得ようとした、奪おうとしたということになります。

「さあ、何か書きますよ」と言わせた理音推しの人とはそこが違う。

基本的に、自分なんぞ誰にも想われてないというモテナイ魂を奥底で持ち続けてるので、どこで会ってもファンの方は嬉しくてありがたいです。

本当に「まじでですか」と思う。思っちゃう。

その思いを伝えてくれようとすることだけでものすごく嬉しいし、その時何かいいもの持ってたらなんでも上げようとする方です。

でも色紙を買ってきてスタンバイして、奪おうとする行為をされたらめっちゃシュンとしちゃう・・・・・。

これなんででしょうね??自分でも不思議です。


このチャンスを逃したらもう一生何ももらえない、と思うと落ちる落とし穴


わかるんです。もしも自分の好きなアイドルさんに会ったら、一瞬そう思うかもしれない。写真を撮ってもらいたい・・・とかきっと思うに違いない。でもそれって、なんのためでしょう。

「知り合いに自慢するため」がもし理由だったら、逆にどんどん行っちゃうかもしれない、と思うんです。だってそれほど好きじゃないってことだから。

本当に好きだったら、嫌われたくないから、とてもそんなに押すことはできない。

「このチャンスを逃したらもう一生何ももらえない」

と思うと落ちる落とし穴なんです。

「このチャンスを逃したら、もう一生好きって言えない」

こっちの方が、ずっと胸がキュンとくるじゃないですか。どっちも。言う方も言われる方も。

千載一遇みたいなチャンスで頑張るべきは、「何かをもらうために頑張る」じゃなくて、「気持ちをもらってもらうために頑張る」なんじゃないでしょうか。

そして、自分もそういう行為…深く考えずに「○○してください」なんて、好きな人に言ってないかな?と思うきっかけになりました。してる。きっと。気をつけよう。


これまで私がしてもらった素敵な応援はいっぱいあります。

■「さっきまでカフェで隣に座っていた者です。お仕事頑張ってください」と席を立ってしばらくしてからTwitterで話しかけてくれた人。

■「コンビニにネームのコピーを置き忘れてますよ。預けたので○○に取りに行ってくださいね」とDMで教えてくれた人。

■「お会いできたらと思って、これ使ってください」と取材先で入浴剤を20個くれた人。


「好きです」ください


何にももらえなくていいんだけど、「好きです」はやっぱり一番大きくて一番きれいで一番勇気をくれるものです。

どこかで私に会うことがあったら、「好きです」だけいっぱいください。

そんなあなたが私も大好きだから。

注)レターパックのみなさんの思いはありがたい以外ないのです。でも私の元気がちょっとなくなるので、今度からは声をかけるだけにしてもらえたらと思います。もしくは掌にサインします🌟新しい!

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こちらは私に愛と元気をくれたトーバーサラダ🥗

うっかりしないで宣伝だ。最新刊今日発売です!


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