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【FA業界】CKD(株)の強みについて
前回までは空気圧制御機器トップメーカーであるSMCの強みや弱みについて筆者目線で取り上げた。今回は国内では2番手であるCKDの強みについて取り上げたいと思います。愛知県では有名な優良企業であり、業界でもこのメーカーはなんだかんだよくエンカウントする。
1.製品の品質
CKD株式会社の強さは製品の品質にあると筆者は考える。競合のSMCと比較して、低コスト化の徹底化をしていない為、簡単に言えば同じものでも頑丈だ。こういった声は現場からよく拾い上がる。特に有名なのはガイド付きシリンダである。SMCと完全互換品にも関わらず、SMCでは半年で壊れるのに対して、CKDは1年経っても壊れないなんてこともよくある。ガイドの剛性から軸受けの設計まで細かい部分でCKDは品質を上げているのであろう。筆者としてはSMCよりも1グレード良いものを2グレード高く売るメーカーというイメージである。もしCKDも同等の品質を担保しながら低コスト化ができれば今後更にシェアは伸びるであると予測する。直近ではHPシリーズというユーザー目線の長寿命に特化したシリーズにも力を入れている。エアシリンダに限らず、電磁弁の高寿命化にも力を入れている。筆者としても窒素発生器などの魅力的な製品が多数ある同社の開発力には一目置いている。
2.半導体前工程向け装置での重要性
同社の売上の要となっているのは、半導体製造業界であるのも事実だ。この業界の前工程にある洗浄プロセスやリソグラフィープロセスに、必須な流体制御機器いわゆる薬液バルブに強いのだ。同社の製品が半導体前工程市場で評価される理由としては、製品品質のみならず評価環境への設備投資、テフロン継手メーカー(日本ピラー、フロウエル、淀川ヒューテック)とのコラボ活動などが起因となっていると筆者は分析する。この分野ではSMCは比較的低シェアであることをCKDも理解しており、積極的な設備投資を国内外でおこなっているのも事実だ。流体制御機器特に薬液バルブという分野は同社の強みだと筆者は考える。
3.2次電池製造装置メーカのお面
CKDはあまり知られていないかも知れないが、2次電池製造工程で必須な『捲回機(けんかいき)』を製造して大手ユーザ向けに外販をしている。『捲回機(けんかいき)』とは、リチウムイオン電池などの2次電池を製造する際に、正極シート、負極シート、セパレータを重ねて巻き取る工程(巻き取り工程)で使用されている装置である。本装置を納入していることから、2次電池工程に求められる仕様や前後ろの工程を担う自動機メーカーとのパイプも深いのが事実である。こういった要素から2次電池業界ではCKDのシェアが少し高めであるのも事実である。特にP4シリーズという低露点対応機器はよく仕様書にスペックインされていることが多い。SMCの25A-よりは見かけないが、一定の顧客では高いシェアを誇るのも事実である。このように装置メーカーとしてのお面は同社の強みであり、製品開発にも繋げているのだと考える。他にも医薬品業界向けの包装機等も製造している為、医薬品業界でもCKDのシェアは比較的高いのである。
以上の3点でCKDの強みについての執筆は終わりますが、思い出すことや進展があれば随時追記します。本投稿が興味深いと思われたら、フォローやスキをお待ちしております。次回はCKDの弱みについて筆者目線で記載しようと思う。