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お土産選びの難しさ

父がとても楽しそうに旅行から帰ってきた。
翌朝ダイニングテーブルにはたくさんのお土産。
父が楽しんできたのが伝わってきて、私も嬉しかった。

だけど、その楽しい空気感がちょっと微妙になる出来事があった。

今回父が訪れた京都にある浄瑠璃寺の門前で買ったという葉ワサビの佃煮。
浄瑠璃寺土産とあるが、裏の表示を見ると、中国産の葉大根。
そして、添加物もいっぱい。
もうひとつ同じお店で買ったという山椒きゃらぶき。
これは何と私の住む関東からの方が近い群馬県で作られたもの。
わざわざ京都のお土産としてこれを買うのは何だか虚しいし、がっかりもする。こんなことは言いたくないけれど、欺かれた気持ちになってしまう。

普段からなるべく添加物を避けている我が家ではあまり喜ばれないお土産となってしまった。
父曰く、門前の鄙びた雰囲気のお店だったからきっとその土地のものだと思った、とのこと。

旅行好きの父は各地でお土産を買ってきてくれるのだが、こういったことは何度もあって、壱岐で買ったウニの瓶詰めが海外もののウニだったり、京都で買ったキンツバはアジアのどこかで作られた白あんが使われていて工場は関東だったり。

裏の表示をしっかり見て買ってね、と母に念を押されても何度かこういうことがある。旅行中という高揚感と家族へその土地のものを買ってかえりたいという気持ちによって、普段より判断力が大らかになってしまうだろうし、そもそも、裏の小さな表示を見てから選ぶということを父はしない。

なんだか、虚しさと残念さが入り混じった気持ちになる。
アクセスの良い場所ならともかく、普段なかなか行かれないような場所にあるお土産やさんでもその土地で作られたものではないものを売る。丹波の佃煮 、といかにもその土地の名物です、というパッケージに惑わされて訪れた人は買ってしまう。

もう今は日本全国お土産屋さんで売られているものは、そういうものなのかもしれない。
おそらく全国的にお土産専門の加工メーカーにより作られたもので、その土地に合わせたものへパッケージだけを変えて各地で同じものが売られているのだろう。

そして、そうでないものを買いたい場合には個人として店舗を構えているお店を見つけるしかないのかなと思う。

ネットであらゆるものが購入できるこの時代、訪れた先で現地でしか買えないもの、現地ならではのものを買いたいと多くの人は思うのではないだろうか。
そんな人たちをガッカリさせるお土産はとても残念。
帰ってからも楽しんだり、一緒に行かなかった人と楽しさを共有するためのお土産は作りての心が感じられるものを選びたいと改めて思う。


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