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無職の日々#17 前世は君だ、と、いいな

 さて、今回は6世紀ごろの東ローマ帝国(ビザンティン帝国)に旅立とうと思います。

 場所的には現在のトルコのイスタンブールあたりです。先ごろ旅したオスマン帝国より、1000年ほど時代を遡ります。
 前世ちゃん潜伏の可能性が高いのは、比較的新しい時代かも。と、再三に渡り推測しているのにも関わらず、わざわざ時代を遡る矛盾の理由は単純に、私個人の知識欲(?)だけです。どうせなら色々見てやれ、という。

 しかし、高校生の時「世界史担当の先生が嫌い」という理由で、あまり世界史に身が入らなかった報いを、こんなところで今更受けるとは……という状況に陥りすぎています。まあ、いいか。

 それはともかく、今回は、ターゲットが決まっています。
 
 ユスティニアヌス1世の皇后、テオドラです。

 この方、525年にユスティニアヌス帝と結婚後、ビザンティン帝国の統治に対し、大きな権力を持ちました。ユスティニアヌス帝が彼女を信頼し、ことあるごとに彼女の意見を求めていたようです。
 この方が在位中に、娼婦さんたちの救済措置を多く行い、後の世の女性の権利に大きく貢献したと聞きました。

つまり、私の前世ちゃんのキャリアの一つである
・ 仲間を集めて労働組合的なものを結成
・ 協力者を得て、人材派遣会社的なものを設立
 協力者=ユスティニアヌス帝とし、娼婦さんたちへの救済措置等の中に、これらに近い部分がみつかれば、または近いものが彼女の人生に出てくれば、この方が、我が前世ちゃんである可能性が急浮上してきます。

 ただし、6世紀の話なのでやや昔で、調査は少々困難であることが見込まれます。(ちなみに日本は、仏教伝来が538年頃、聖徳太子が生まれたのが574年です。)

 彼女の前半生に関する資料は、確かに、あまり多くはありません。

 プロコピオスという方の著作が主な資料になるようですが、どうやらこの方、非常に個性的な方だったのか、少々偏った見方をされることもあるようで、どの程度信用がおけるのか、少しばかり懐疑的になってしまうところではあります。

 で、テオドラですが、まずはWebでざっと調べてみると、踊り子さんだったとか、女優さんだったという情報が広く伝わっていますが、実質、この時代のこのような職業の方は、娼婦さんだったようです。

 テオドラの場合、テオドラの父親に当たる人物の職業が、ビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルの、ヒポドローなるサーカスの類の番人だったそうです。テオドラもこの流れで、ここでの踊りやお芝居などの興行に参加していたようです。
 となると、この時点で「親の手で身柄を売られた」わけではなく、テオドラがまだ少女のうちから、家業の一環のようにして客を取らされており、本人がそれに違和感を持っていたように想像できます。

 高級娼婦の扱いがよかったか、また、ここでテオドラが高級娼婦とされていたかどうかは不明ですが、美少女テオドラの人気が素晴らしく高く、実際にもてはやされていたことは、どうやら事実と考えてよいようです。(楽器やダンスはからきしだったようですが、小柄で色白、機転が利き愛嬌のある美人さんだったようです。いかにも、男性に喜ばれる女性の条件が備わっている感じです)

 やがて、テオドラは裕福な男性ヘケボルスの愛人(一説によると結婚)となり、彼とともにリビアへ赴きます。これがテオドラの意思だったのか「親に売られた」のかは不明です。

 ヘケボルスと離れた後(一説によるとDVが原因とか)、諸説あるようなのですが踊り子稼業をしながら、エジプトのアレクサンドリアなどを経由し、生まれ育った街である、ビザンティン帝国の首都コンスタンティノープルへ戻ってきます。(この辺で私は、早くも世界地図片手にわけがわからなくなっています)

 ここまで、ざっと見渡したところで、、

・ (自分の意思であるなしに関わらず)見世物小屋で女優やダンサー、娼婦としても働いた
・ とても人気があり、もてはやされた
・ ヘケボルスに身請けされるが、関係が悪化し別れる

テオドラについて伝わるこの3点につき、海先生のおっしゃっていた、我が
前世ちゃんの前半生の状況である

・ 貧しい階級の出身の女性であり、親に奴隷として売られる
・ 高級娼婦の扱いが華やかな場所で働いた経歴がある
・ 人間関係に限界を感じ人間不信に陥った時期がある

これらに該当する可能性のあるものと考え、いったんクリアとし次へ行ってもよいかなと思います。少々こじつけ気味みたいな気もしますが。(特に3点目)

 さて、リビアからエジプト方面を経由しビザンティン帝国に帰国したテオドラは、紡績業関連の仕事に就いたようですが、何故かここでユスティニアヌスに見初められます。(「紡績業」は建前かもしれません。紡ぎ女さんよりも踊り子さんのほうが、皇帝の目につく可能性は確実に高そうな気がします。)
 すっかりテオドラの美貌と才気の虜となったユスティニアヌス、時の皇帝で伯父でもあるユスティヌス1世の協力を得て、当時あった「娼婦および元娼婦と貴族は結婚できない」という法律を変え、テオドラと結婚してしまいます。恐るべき行動力です。

 それから間もなく、ユスティニアヌスは即位します。
 ビザンティン帝国社会の最下層の出身と言っていいテオドラは、なんと、たちまちのうちに、皇妃になってしまったのでした。

 長くなってしまいそうなので、続きは次回に譲ります。

 いつもながら、そんなに正確に調べられているわけではございませんので、なにか思い違い等ございましたら、穏やかにご指摘いただけますと幸いです。

 懲りもせず飽きもせずご読了くださいました皆様。
 このたびも駄文にお付き合いいただき、心より感謝申し上げます。







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