白い船が来る
見知らぬような
どこか懐かしいような
さびれた港に
白い船が来る
船はゆっくりと
こちらに近づいて来る
僕の他にも何人かが
それを眺めている
船が港に到着する
ふと気づけば、いつの間にか
乗船のための行列ができている
みんな様々な表情を浮かべている
何だか僕も乗らなきゃいけない気もするし
別に乗らなくて良い気もする
切符なんて持っていないし
どこで買うかも分からないし
んー、僕は乗らなくていいかな
ひとまず、まだ乗らなくていいだろう
あの白い船は見送ることにする
旅立つにはまだ早い。
「白い船が来る」
詩・山田正史