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『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』『魂の邂逅』/米本浩ニ

『評伝 石牟礼道子 渚に立つひと』
『魂の邂逅』/米本浩ニ
石牟礼道子と、彼女を支えた盟友・渡辺京二の歴史

2人の生き様はもちろん、その関係性が面白い。
渡辺京二が書いた追悼文にすべてが詰まっていると思う。

「私は故人のうちに、この世に生まれてイヤだ、さびしいとグズリ泣きしている女の子、あまりに強烈な自我に恵まれたゆえに、常にまわりと葛藤せざるをえない女の子を認め、カワイソウニとずっと思っておりました。カワイソウニと思えばこそ、庇ってあげたかったのでした。」

『魂の邂逅』/米本浩ニ

この「カワイソウニ」を、瀬戸内寂聴は「男が女にほれた表現です」と断言しているのも、またすごい。

読んでいると、熊本の馴染みのある地名や、大好きな喫茶店・アローが出てきたりして、妙な親近感が湧く。
詳しく調べてみたら、石牟礼道子が晩年暮らしていた場所と、私が以前暮らしていた場所が近くてびっくり。
どこかですれ違っていたのでは?と思うほど。

彼女は若い頃から希死念慮に振り回されながらも、言葉を紡ぐことで生き抜いた。その姿、生き様に何度も深く共感し、励まされる。

この2冊を一気に読み終えた後、すぐ隣に道子さんが来てくれたような気がした

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