[読書バトン2018] おすすめの25冊+α

支援先のピースオブケイクCXO深津さんからはじまり、CEO加藤さんへとつながり、さらに拡散しはじめている #読書バトンですが、せっかくなので自分も勝手にやってみました。ベタなのもあれば、「それオレが薦めたやつやんけ!」ってのもあるとは思いますがw 

そして、私からは特定の方を指名しませんが、ぜひ友人の皆さまのおすすめが知りたいのでnoteで書いても良いよ、って方はトライしてみていただけると嬉しいです!

【人生を変えた3冊】

特に少年期に、小説や物語の面白さを教えてくれ、結果として私の書籍との向き合い方を変えてくれたという意味でこの3冊は欠かせないかなと思いピックアップしました。

1. モモ(ミヒャエル・エンデ)

これはいまも元気な私の祖母が私が小学生のときに初めてプレゼントしてくれた本。物語の面白さに引き込まれ自然にページを繰っていく原初体験。同じくはてしない物語(映画ネバー・エンディング・ストーリーの原作)も貪るようにして読んだのを思い出します。

2. 緋色の研究(コナン・ドイル)

小学校の図書館にあった江戸川乱歩シリーズを読み終わった次に手を出したのがシャーロック・ホームズシリーズ。地球の自転すら知らない男が凄まじい洞察力で人物を通して事件の背景を読み解いていく様にしびれました。

3. 岬(中上 健次)

40代で亡くなられるまでに常に自分の作品を踏み越え、逸脱しつづけフロントラインを拡大していた小説家の芥川受賞作。私にとっての入口はこの作品でした。まるで音楽が聴こえてくるかのようなラストに感銘を受けたものです。以降三部作の「枯木灘」、「地の果て至上のとき」と血、土地、物語の外へ外へと展開していく流れにもグイグイ引き込まれました。もっと生きて、久々にその路線に戻ってきていた「異族」を完成して欲しかった。

【行動・思考パターンに大きく影響した3冊】

もう血肉化している部分も大きいので悩みましたが、、これかなぁ、という感じです。もっとあると思いますがあえての3冊なら。

1. 内的体験(ジョルジュ・バタイユ)

高校・大学の頃は親戚の書棚にあった本を借りたりして哲学や実存主義の本を読んでいた時期なので一番影響を受けたんじゃないかな。映画「ヒロシマ・モナムール」の脚本と掛け合わせて二週間位で無理やり卒論にまとめたのを思い出します。無神論という意味ではニーチェの思想流れですがもっと人間的というかひとのダークサイド、生々しい欲求に即して掘り下げていってる感じが自分には合ってました。哲学入門としてはおすすめはしませんw

2. バフェットからの手紙(ローレンス・A・カニンガム)

投資とは何か? を考えると真っ先に思い浮かぶのはウォーレン・バフェット。経営者としても尊敬しています。企業の本源的価値に投資をし、長期的なパフォーマンスを出し続けているというシンプルだけれど非常に難しいことを成し遂げているひとの言葉ですから重みが違います。私もVCでありながらも、一度投資した先にはIPOやM&A後も成長し続けて欲しいと思っていますし、そういう会社に投資し続けていきたいと思っています。自伝「スノー・ボール」もおすすめ。

3. 人を動かす人になれ(永守 重信)

読んだきっかけは何だったか忘れましたが、「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」は体現しやすい、染み付きやすいキャッチーな言葉です。そして日本電産がなぜここまで伸びているのか、腹落ちがする本です。永守さんの本で一冊選べとなるとこれでしょう。

【専門分野で、みんなが楽しめるオススメの3冊】

VCを志す方に。ちなみに私は後追いで読みましたがw

1. ハッカーと画家(ポール・グレアム)

いまやポール・グレアムといえばシードアクセラレーター、Yコンビネーターの創業者としてのほうが有名かもしれません。彼の基盤をつくっているものが何かを垣間見える本。やや専門用語も多いですが、本質はそこではなく彼の思考を知ることなのでエンジニアでなくても読めると思います。

2. eボーイズ—ベンチャーキャピタル成功物語(ランダル・E. ストロス)

ベンチマークキャピタルを舞台にしたドットコムバブル期のお話。VC業界が過去何度も熱狂を迎えているということが実感できます(と同時にいつか難局を迎えるということも)。

3. アメリカを創ったベンチャー・キャピタリスト—夢を支えた35人の軌跡(ウダヤン・グプタ)

ちょっと無理やりまとめた感もある内容なのでひとつの物語としての深みや読み物としての面白さを求める向きには物足りないところはあるかもしれませんが、ベンチャーキャピタリストとしての目線をどこに置くべきか、という意味では当然参考になる部分が多いです。

【専門分野で入門者に勧めたい3冊】

これは起業に興味がある、または起業家の方が繰り返し読むと良いのでは、という視点で選びました。

1. ゼロ・トゥ・ワン 君はゼロから何を生み出せるか(ピーター・ティール)

これから起業しようという方へ。シード期向き。直近のお話なので皆さんまだ読後感残っているかもしれませんが、普遍的な示唆に富む本だと思います。この3冊のなかでは一番読みやすいと思います。

2. ビジョナリー・カンパニー 2 - 飛躍の法則(ジム・コリンズ)

シリーズA調達前後くらいが良いでしょうか。大企業を前提に書かれた本のように見えますが、事業がいまいち伸び悩んでいる会社や、IPO手前で一度リスケを考えている起業家などには刺さるはずですし、逆にそうならないように仕組みをつくっておくためにも繰り返し読み返したい一冊です。

3. イノベーションのジレンマ—技術革新が巨大企業を滅ぼすとき(クレイトン・クリステンセン)

一番学術書っぽいつくりなのでややとっつきにくいかもしれませんが、ここで言う「破壊的技術」への備えなくして持続的な企業の成長はありえません。上場企業、もしくは上場非上場に限らず事業が順調すぎて(おかしい)と思っているような起業家におすすめです。むかし元SMSの創業者、諸藤さんにおすすめされたのを思い出します。あと、CVC設立を検討されている方にも良いかもしれません。

【雑学で面白い3冊】

まぁ、大して雑学はないので、野球かなとw

1. マネー・ボール(マイケル・ルイス)

映画にもなったのでご存知の方も多いでしょうが、野球を科学して弱小球団が強くなったというノンフィクション。結果が出ないのには理由がある。改善するためには打ち手を変える必要がある。どちらかと言えば経営視点に結び付けられるお話ですかね。当時自分のチームでもOPSやWHIPを算出して楽しんでいましたw

2. もう一度、投げたかった—炎のストッパー津田恒美最後の闘い(山登 義明、大古 滋久)

まぁ読んで下さい。そして知ってくださいこんな男がいたことを。弱気になったときに勇気をもらえます。

3. 惚れる力 — カープ一筋50年。苑田スカウトの仕事術(坂上 俊次)

スカウトってVCと似てません? 編集者とVCも似てると思うのですが、同じくらいにアナロジーが効きそうな職業だと思います。スカウト上手のカープの神についてのお話。

【綺麗に完結した漫画を3冊】

綺麗に。というのはひとそれぞれなので、完結していて何度でも読み返したいマンガを選びました。

1. 石の花(坂口 尚)

石の花はできれば文庫版ではなく完全版(大きいやつ)でご覧ください。絵力を感じるためにも。高校の友人に薦められて読んだときの衝撃といったら。ユーゴ内戦における様々な人間模様を描いています。映画で言うと「ミツバチのささやき」や「シン・レッド・ライン」と同じく「視点」がカギとなる名作です。手塚治虫の「アドルフに告ぐ」も凄い作品ですがそれ以上に深みを感じます。

2. ブッダ(手塚 治虫)

宗教ってスタートアップですよ。という意味で、なぜ自分が立ち上げるのか、なぜ今なのか、どうすればグロースするのか、成長を持続するための組織づくりとは、競合や身内の的にどう対処するのか、そして何を次世代に引き継いでいくのか、どう身を引くのか。史実と異なる部分も混じっているでしょうが、私はその正確性よりもこのひとりの男の物語から何を引き出すかが重要だなと思っています。当然、「火の鳥」とか「ブラック・ジャック」も名作なのですが。

3. ペット リマスター・エディション(三宅 乱丈)

ジョジョを初めて読んだ時に感じた「なんじゃこりゃ?(良い意味で)」という衝撃を受けた作品。ひとの記憶を操作できるキャラクターをはじめとする特異な世界設定に人間の根源的欲求を乗せてテンポよく進めていくストーリー展開に秀逸なラスト、唯我独尊の作品だと思います。好き嫌いはあるかもしれませんが私は大好きです。これで三宅さんにハマったらコメディ「ぶっせん」SF「イムリ」もおすすめです。

【もっと流行って欲しい漫画を3冊】

現在進行系のマンガを。もちろん流行ってなくはないと思うのですが、意外と周りで読んでいないひともいたので。キングダムやヒストリエ、アンゴルモアとかがお好きな方にはぜひ手を伸ばしてみて欲しいです。カテゴリに統一感ないので外しましたが、野球部出身の方には「バトル・スタディーズ」というPL学園野球部出身の方が書いているマンガがおすすめですw このカテゴリは特に説明しません! 読んでないなら1巻をまず読んでみてください!

1. ヴィンランド・サガ(幸村 誠)

2. チェーザレ 破壊の創造者(惣領 冬実)

3. アド・アストラ ースキピオとハンニバルー(カガノ ミハチ)

【オススメの小説を3冊】

何を持って誰におすすめすべきなのか、が難しいのですが、ランダムに選んでみました。

1. 十九歳の地図(中上 健次)

既出の中上さんですが、「岬」の前に書かれた作品ではこれが一番初期衝動を織り込んで完成形に近い、メジャーデビュー盤的作品だと思います。若くてお金も無くて見えない壁にぶちあたってもがいているひとにぜひ読んでみて欲しい短編です。

2. ケインとアベル(ジェフリー・アーチャー)

これ、リメイクで誰か現代版として映画化してくれないかなぁ。すごく好きなんですよ。実業界でぶつかり絡み合う2人の男の人生譚。こんなドラマチックな人生を送ってみたいものです。クサくなる一歩手前感が良いです。「陸王」ハマったひとなら好きになると思うけどなぁ。

3. 沈黙(遠藤 周作)

「信じる」とはどういうことか? 宗教は関係なく普遍的な意味での問いかけがなされている作品です。貨幣という信用メディアが民主化されようかという「信」のあり方がゆらぐ現代だからこそ、読む理由がある一冊なのかなと思って挙げました。最近マーティン・スコセッシ監督により映画化されたのでご覧になった方もいるかもしれませんが、ぜひ小説版を読んで下さい。若干ラストの受け止め方が変わるんじゃないかなと。映画はちょっとラストで損したと思います。私は小説のほうが好きです。

ということで、長編になりました。たまにはこうやって自分の一部を晒すのも楽しいものですね。ぜひ皆さんのご参加お待ちしてます!


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