東西モダン(東エリア)優勝!バントナドゥのプチガイドっぽいメモ
先日行われた東西モダン最強決定戦2024東エリアにて、Aさんがバントナドゥを使って見事優勝!!9回戦+SE3回戦の長丁場を見事に制してくれました。
このバントナドゥは俺が75枚リストを渡し、ついでにカードも貸しました。
今週末にはモダンで行われるプロツアー・アムステルダムが控えているということで、その前にバントナドゥの調整録や、なぜこの形になったのか?についてをお話ししたいと思います。
衝撃の強さ、ナドゥ
バントナドゥとは、『モダンホライゾン3』で登場したナドゥを使ったコンボデッキ。
自分のクリーチャーが呪文や能力の対象に取られた時に、ライブラリーの一番上をめくり、それが土地なら場に出て、それ以外なら手札に入るというカード。擬似的な除去耐性を自軍のクリーチャーに付与する能力ですね。これが毎ターン2回誘発します。
この能力を誘発させるのが「自分でも良い」というのがナドゥのポイント。0マナで自分のクリーチャーを対象に取り続けられる手甲が、ナドゥの登場で一気に注目を浴びました。
手甲をサーチするウルザの物語。ナドゥを高速召喚するための喜ぶハーフリング。そしてナドゥをサーチするための召喚の調べ。バントナドゥは、モダンホライゾン3のプレリリース週にアメリカで行われた大会で早速成功をおさめ、その力を知らしめました。
バントナドゥの魅力
なんと言ってもバントナドゥの魅力はそのコンボスピードと安定感です。
最速3ターンキルはモダンの水準でも早く、ナドゥというカードの性質上、コンボを妨害されても追加のカードを補充できるので、妨害1つですべてが崩壊するわけではありません。
また、ナドゥ本体とそれをサーチするカードで合わせて10枚程度、手甲とウルザの物語で6-8枚ほど取れることから、この2枚コンボは比較的安定して成立します。
最終的にナドゥと手甲さえ揃ってしまえば、そこからは軽いクリーチャーとそれをプレイできる土地が捲れ続け、ループが始まります。
そのため、ナドゥと手甲のパッケージ以外は比較的自由度な構築ができる点も、ナドゥコンボの魅力といえますね。
現にアミュレットタイタンにナドゥを入れたデッキや、ハンマータイムとのハイブリッド型、そしてオークの弓使いを入れたスゥルタイ型など、様々なリストが存在します。
非常に研究しがいのある、伸び代のあるアーキタイプだと思います。
デッキリストとカード解説
まあ当然4枚で、特筆すべき点も特にないのですが、プレイする際の注意点としては、「自分で対象に取れない時にプレイしておくのはやめよう」です。
出して相手に除去されて誘発が1回で終わるのは虚しいので、除去が入っている相手には最低2回は誘発させたいところです。
ストームのような、除去がほとんど入っていない相手にはどんどん出していきましょう。
さすがモダンホライゾン3!と思わずうなる強さの授与クリーチャー。
これまでの授与が比較的重めで授与先を強化してくるカードだったのに対し、春心のナントゥーコはなんと2マナで、しかも能力がとても強い!
授与していてもいなくても、土地を置くだけでトークンを生み出せるので、召喚の調べを簡単に打てるようになります。
ナドゥ、手甲と揃った時も春心のナントゥーコがいないとループが高確率で止まります。というか、ナドゥと手甲のループ中に春心のナントゥーコを戦場に出すことで、コンボ完遂になります。
これほど重要な春心のナントゥーコですが、授与を利用することで戦場に残すことは比較的容易です。1ターン目に唱えたクリーチャーに授与すれば、普通の単体除去だと2枚必要になります。(授与先を倒してから春心のナントゥーコを倒さなければならないためです)
逆に、授与先を用意できないと春心のナントゥーコは少し使いにくいと感じました。2ターン目にただ出すにはあまりに心許なく、更にもう1ターン待ってフェッチランドからトークン2体…だと召喚の調べをX=3で打ってナドゥをサーチするには少し足りません。
ナドゥを回していて多くの負けパターンが、春心のナントゥーコが定着しないことによるものでした。
場のクリーチャーの頭数が足りず、更地でナドゥ手甲が揃うも、そこからの展開ができなかったり、召喚の調べが手札に溜まったり。
とにかく春心のナントゥーコを授与したいと感じることが多かったのです。
そこで重要となるのが、この次に紹介するカード。
そう、このカードを4枚入れることこそ、今回のバントナドゥの一番の調整ポイントでした。
通常のバントナドゥは1マナ域が喜ぶハーフリングと森を護る者のみ。しかしそれではとても2ターン目の授与は上手くいきません。
そもそも喜ぶハーフリングは相手視点で是が非でも除去したいカードですから、除去に躊躇いはありません。しかし、樹上の草食獣に除去を打ちたいでしょうか?ほとんどの場合で放置されると思います。
そこに春心のナントゥーコを授与することで、相手はまず倒したくもない樹上の草食獣を倒さなければなりません。少なくとも1ターンは春心のナントゥーコは生きて、フェッチランドからトークンを2体生み出されることでしょう。それも3ターン目に好きなアクションを取りながら。
また、樹上の草食獣はアグロデッキに対するブロッカーとしての性能も高い。地上のクリーチャーは全て止まり、魂の導き手による飛行クロックもチャンプブロックできて、コンボ成立までの時間を稼いでくれます。
優勝したAさんも「草食獣が強すぎた」と言っていました。僕はバントナドゥの樹上の草食獣は、これから全員が4枚採用するようになると確信しています。
特筆すべきない、最強のマナクリーチャーですね。伝説のパーマネントがナドゥのみなのでその恩恵は得づらいですが、それでも打ち消されないナドゥを出せるのは強力。
オークの弓使いで死なない1マナのマナクリーチャーというだけでも満足です。
通常のリストであれば4枚入っているカードです。召喚の調べを使う際に2マナ分になるので、相性を考慮して4枚が一般的です。
樹上の草食獣を4枚入れる関係上、僕のバントナドゥは通常のリストに比べて土地が多めです。ウルザの物語を4枚入れた上で26枚の土地を採用しているので、喜ぶハーフリング、根の壁でマナソース34枚は多いと感じ、少し削ることにしました。
召喚の調べは春心のナントゥーコの定着率が上がっているので特に気になりませんでした。2枚程度で問題なかったです。
マナになったりリソースになったり…そんなカードなら根の壁の代わりに入れる価値があると思い、2枚ほど投入。オークの弓使いで死ぬものの、ドローによる誘発は発生しないのでマシです。土地を供給してくれると嬉しい。
諜報ランドで少しめくるものを操作できます。
ナドゥコンボには別のフィニッシュ手段もありますが、なんだかんだタッサの神託者が一番安定だと思います。
ナドゥ+手甲+春心のナントゥーコが揃ってループが始まり、デッキを全部掘るところでいくと、森を護る者ですべての土地を生贄→忍耐キャストでたちがライブラリーに戻る→春心のナントゥーコで忍耐に授与→すべての土地を置いて最後の上陸で忍耐のコピーを生成→森を護る者ですべての土地を生贄、としていくことで、無限マナが発生。最終的に破滅の終焉でフィニッシュが可能です。
そのため、タッサの神託者を破滅の終焉に変えることも可能です。破滅の終焉はナドゥをサーチできる便利なカードですしね。
とはいえ、一つの指輪でプロテクションを作られてしまったらダメですし、破滅の終焉か忍耐か森を護る者のいずれかが追放されてしまうとダメで、そう言ったコンボ不成立パターンを防ぐために、素直にタッサの神託者を使っています。こちらならばタッサの神託者さえ追放されていなければ大丈夫です。
ティシャーナの潮縛りなどで誘発を消されたら、春心のナントゥーコをタッサの神託者に授与しましょう。最終的に上陸でタッサの神託者のコピーを出せば勝ちです。
ナドゥを守り、ついでにナドゥが誘発するすごい1マナクリーチャー。実はインビテーショナルカードです。若い人たち、知ってました?
オークの弓使いにこそやられてしまうものの、能力は完璧。召喚の調べX=1でこれを構えられながらナドゥのコンボがスタートするのが鬱陶しすぎます。
前述のように、ループ成立後は忍耐と組み合わせることで無限マナになります。
メインに入れておくと不慮の事故に対応できる便利なクリーチャー。ついでの墓地対策も強力。
自分のライブラリーを修復したくて、また忍耐自身をデッキに戻したいのであれば、生贄にする能力を先に解決することで、墓地に落ちてからライブラリー修復が発生します。
ナドゥが戦場にいると、手甲と同じことができるクリーチャー。このカードしか白のカードがメインボードには入っていませんが、その価値はあります。
手甲はアーティファクトなのでカーンで止まってしまいますし、手甲スタックでナドゥを除去されてもコンボが決まりません。
しかし、コーの先導はインスタントタイミングで対象を取り続けられるので、除去に対応して大量にリソースを稼ぐことができます。
召喚の調べでサーチできるのも強力。1枚は入れるべき。
クリーチャー主体のデッキなら文句なしの最強サーチ呪文。春心のナントゥーコとの相性が抜群で、少ないマナでナドゥを呼び出します。
戦場に出すのはナドゥか、手甲とのコンボが成立した後の春心のナントゥーコか、森を護る者。たまにコーの先導。
追加の召喚の調べのようなものですが、次のターンに4マナが重く、そのターンに勝つ必要があるため、それなりにリスクの高いカード。枚数を取りすぎると、手札でかさばった時に動きづらいので、枚数を2枚にしています。
とはいえナドゥであり春心のナントゥーコであるのは変わらず。とぐろ巻きの巫女などを減らして召喚士の契約にするのも良いかなと思います。
ただ、召喚の調べと召喚士の契約が手札で溜まるパターンはかなり弱く、負け筋になるので、なかなか難しいところ。クリーチャーを展開しないと召喚の調べが打てないのに、召喚士の契約からクリーチャーを展開するわけにはいかないですからね。
コンボパーツなので4枚です。少し弱いカードですが仕方ありません。地味に樹上の草食獣のパワーが上がると嬉しかったり、ウルザの物語のトークンで殴る時に便利だったりします。ナドゥにつけて殴ると4/4飛行で大きい!
メイン戦ではコンボをするためだけの装備品ですが、サイド後はつけて殴っていくこともしばしば。手甲ビート、決めていきましょう。
このカードを増やしたかったというよりは、樹上の草食獣を4枚入れたくて、そのために増やした土地。草食獣からウルザの物語を1ターン目に置いた時のプレッシャーは凄まじいものがあります。
3ターン目にナドゥを出しただけで手甲とのコンボが確定するので、ウルザの物語を1ターン目に置く動きは大きなプレッシャーとなります。樹上の草食獣からなら2ターン目に起動もできるので、ナドゥの頭数はバッチリです。
ウルザの物語のトークンは召喚の調べを唱える助けにもなるので、このカードはデッキと合っています。最近は枚数が減っていってますが、4枚採用すべきだと思います。もちろん樹上の草食獣と4枚ずつのセットで。
一番軽くて強い除去なので採用。同型にもカードが欲しいのでナドゥに触りつつ、過酷な指導者などのヘイトクリーチャーにしっかり触る必要があるので、あまり選択肢は多くありません。
自分のクリーチャーに打って土地を伸ばしたり、上陸で春心のナントゥーコを誘発させられるのもお忘れなく。
打ち消しよりは黒相手の除去とハンデス意識です。その性能は説明不要でしょう。
マナクリーチャーが多いので比較的構えやすいのもポイント。
コンボデッの良きお供。ヘイトカードを戻してドローしたり、ソーサリー除去を完封するなど、サイド後の方が活躍するカード。クリーチャー主体のコンボである以上、メインに入れるのは好きではないですが、サイドに取るには最高だと思います。
サイド後にナドゥが封じ込められた際のフィニッシャー。減衰のマトリックスなどでコンボが決まらなくなった時に召喚士の契約で出して殴ります。
1枚採用しておくだけでサイド後の攻めの幅がグッと広がります。
主に過酷な指導者メタ。生贄にすることで1ターン過酷な指導者が機能しなくなるので、コンボの時に使います。
赤いデッキが増えてきたら複数採用も検討。
安定の置物対策。ウルザの物語から持って来れますので、困ったらどうぞ。ただし減衰のマトリックスと呪われたトーテム像の前では無力。
役割はストーム対策ですが、火の怒りのタイタン、フレージに耐えるタフネスである点は大きなメリット。願いでサーチされてしまいますが、願いから除去だと4マナかかるので、まあ許せます。
ついでに墓地デッキに対しても使えるのは魅力的。
こちらもストーム対策。だが土地がタップインになるのはかなりウザいので、同型などでも活躍します。
過酷な指導者、減衰のマトリックス対策として。白白は結構きついですが、召喚の調べから主に出すので大丈夫です。
追加の忍耐は墓地対策の意味合いが強いです。リビングエンドのような相手に入れましょう。
主にミラーマッチです。活性の力が効くマッチアップが減っているので1枚ですが、劇的に効く相手が存在するカードなので、増えたりすることもありますね。
同型の差し合いを制するカード。
ウルザの物語からサーチできる墓地対策。それ以上でも以下でもありません。
デッキの回し方
非常に簡単で、とにかくナドゥと手甲のコンボを揃えるだけです。
もう少し掘り下げると、ナドゥと手甲を揃えると、土地がめくれれば場に出て、それ以外のカードは手札に入ります。土地が1枚めくれて1マナのクリーチャーがめくれれば、そのままその新しいクリーチャーが手甲の対象になり、再び2枚をめくることができます。
この状態ではいつか土地が2枚来たり、1マナでプレイできないカードが溜まってきてループが止まってしまいますが、この場に春心のナントゥーコがいると変わります。
土地を置くと1/1のトークンが出るため、セットランド=ナドゥ誘発2回になるのです。
そのため、ナドゥと手甲を揃えた後は、なんとか春心のナントゥーコを戦場に出す必要があります。
春心のナントゥーコを戦場に出せる状態になったら、ナドゥコンボを一度止めて、先に出しておきましょう。止まるリスクを無駄に背負う必要はありません。春心のナントゥーコが戦場に出てナドゥが手甲の対象になった時にこのゲームは終わります。
手甲がない場合はウルザの物語がちょうど3ターン目に手甲をサーチできるため、手札にナドゥがある場合は1ターン目に置くことも多い。
ただし、召喚の調べからナドゥをサーチする場合は3ターン目にX=3でキャストしなければならない。捻出するのが難しそうならウルザの物語を2ターン目に置き、トークンを出して召集にあてる展開も意識しましょう。
「相手が除去を構えていそうだからナドゥは森を護る者がサーチできるまで待とう」という意識は持たないでください。手甲と相手の除去で2ドローは確定するので十分です。森を護る者をサーチできるカードはナドゥをサーチできるので、結局同じことです。
既に書きましたが、手甲がない状態でナドゥをプレイする際は少し慎重になる必要があります。1ドローは少し勿体無い。手甲は8枚ありますし、召喚の調べとコーの先導を含めると実質13枚あるので、あまり焦らないでください。
ナドゥが複数枚ある場合はどんどん唱えて相手にプレッシャーを与えていきましょう。除去できない=妨害手段はないということになります。相手視点でナドゥは必ず倒さなければならない激ヤバクリーチャーです。
春心のナントゥーコはなるべく授与したいカードですが、授与することで召喚の調べのコストが1つ減るので注意しましょう。同型やアミュレットなど、除去が入っていない相手には素出し一択です!
マリガンガイド
手甲、ウルザの物語、ナドゥ、召喚の調べと、コンボの片割れがあればキープ基準になります。特にナドゥと召喚の調べは他に雑なクリーチャーがあれば即キープ。
手甲側はキープする時は他の手札によりますが、早いターンからパーマネントを展開できる手札は概ねキープできます。「上からナドゥを引けば勝ち」という状態を作っておくのが大事です。
逆に手札がナドゥと召喚の調べだらけで、初動が3ターン目になるような手札はマリガンしても良いです。ただし手甲と揃っていたらキープ。ウルザの物語も実質手甲なのでOKです。
喜ぶハーフリング、根の壁、忍耐、手甲、土地3みたいな何もなさそうな手札でもキープしましょう!
サイドボーディングガイド
VSボロスエネルギー
+1 ブレンタンの炉の世話人
+1 スカイクレイブの亡霊
+2 流刑への道
-2 とぐろ巻きの巫女
-1 コーの先導
-1 召喚士の契約
VSストーム
+1 魂なき看守
+1 エメリアのアルコン
-1 森を護る者
-1 春心のナントゥーコ
VSジェスカイコントロール
+1 ブレンタンの炉の世話人
+1 アルゴスの庇護者、ティタニア
+1 スカイクレイブの亡霊
+2 時を解す者、テフェリー
-2 樹上の草食獣
-2 召喚士の契約
-1 手甲
VSエルドラージトロン
+1 活性の力
+1 スカイクレイブの亡霊
+1 機能不全ダニ
-1 忍耐
-1 森を護る者
-1 春心のナントゥーコ
VSマーフォーク
+2 流刑への道
+1 アルゴスの庇護者、ティタニア
-1 ウルザの物語
-1 忍耐
-1 召喚士の契約
おわりに
今回は短いですがこのあたりで。
プロツアー、どんなデッキが勝ちあがるんでしょうね?今から楽しみです!