【未来予想】Withコロナ時代における食品業界について
こんにちは。
某大手食品メーカーに勤務してるがっきーです。
今回は自分なりにコロナ以後の時代において食品業界はどう変化していくのかについて考察していきます。
まずは新型コロナウイルスによってどの様な影響を食品業界に与えたのかでしょうか。
やはり外食産業は非常に大きな打撃を受けました。
例えば居酒屋やチェーン店、ホテルのレストランなど多くのお店が影響をモロです。
中には倒産してしまったり、営業ができなくなってしまったお店も数知れず。
それはそうですよね。
自粛になり家から出られないのですから外食できるはずがありません。
また家庭用の商品カテゴリーではスポーツドリンクなどの消費は減った様に感じます。
しかし一方でカテゴリ別で見ると、爆伸びしたものも一方であります。
下のランキングをご覧ください。
こちらは2020年3月〜4月に売れた商品の販売額ランキングです。
ちょうどコロナで自粛が始まった期間ですね。
では何が食品で売れたのか。
赤丸の部分が食品のカテゴリになっていますが、
1番売れたのはエッセンス類(バニラエッセンスなど)、次はプレミックス類(パンケーキミックス、ホットケーキミックスなど)、そして小麦粉と続いています。
また冷凍水産や袋インスタント麺、マカロニ類なども爆売れしました。
では次に、ここから分かる今後の食品業界の動向を僕なりに考えてみます。
キーワードは【簡便性】と【日持ち】、【暇つぶし】の3つです。
1つ目の【簡便性】はこれまでも女性の社会進出や共働き世帯の増加といった要因で重要なニーズでした。
しかし、このコロナによって独身であまり料理ができない人などはレンジで温めるだけでできる様な食品を買い求めるようになりました。
結果として、今まで以上に例えば冷凍食品やレトルトは類は爆伸び。
なかにはあまりにも売れすぎて供給しきれず(中には休売や欠品なども起こっていた)ビジネスチャンスを逃した企業さんも多いのではないでしょうか。
仮に新型コロナのワクチンができたとしても、おそらく次々と新しいウイルスは発生し今回の件は一過性のものではないと僕は見てみます。
そうしたことを踏まえるとマーケティングテーマとしてやはり【簡便性】はマストだと思います。
2つ目のキーワードである【日持ち】についてはどうか。
これも今では言うまでもないでしょう。
皆さんも納得していただけるのではないでしょうか。
コロナの件以外にもこれまで多くの自然災害などで日持ちがする即席麺やレトルトは物凄いニーズが生まれ爆売れしていました。
また今回の感染症は家にいるので、即席麺やレトルトに加えパスタやパスタソース、冷凍食品、缶詰めなどとにかく賞味期限が長いものが重宝されました。
結果として、こちらも物によっては休売になったりスーパーでは欠品を起こし棚はガラガラ。
メーカーもまさかこんなにも売れるとは想像もしておらず、供給しきれていないのが現状です。
さっきも言いましたが、今回の件は今後ずっと続くウイルスといかに共存しているかの時代になります。
従ってより【日持ち】がする商材の価値は爆伸びするのではないでしょうか。
では最後のキーワード【暇つぶし】について見ていきましょう。
これは人によって意外に感じるかもしれません。
コロナによって、様々な「おうち時間」が売れました。
Netflixで映画やドラマを鑑賞したりYouTubeを見たりといった動画視聴。
またハンドクラップといったおうちでできるエクササイズなど様々な娯楽が発展。
さらにはzoom飲みといったオンライン呑み会という新たな食の楽しみ、コミュケーションの取り方が生まれました。
では食品においてはどんな暇つぶしが生まれたのでしようか。
冒頭ら辺で紹介したランキングを思い出してください。
ランキングを見てみるとプレミックスや小麦粉などが超爆売れしました。
こんなこと今までありませんでした。
最近ではスーパーに一切なくメルカリなどで高値で転売されていたりするほどです。
恐ろしいぐらいです。
ではプレミックスや小麦粉を買った消費者は何をして暇つぶしにしたのでしょうか。
答えは、パンやケーキなどのお菓子作りです。
実際、私の母も小麦粉を買い多くのパンやケーキ、お菓子を作っています。笑
母からLINEで送られてきた写真です。
めちゃくちゃ楽しんでいます。
こうしたパンやお菓子作りって時間がそれなりに掛かるので暇つぶしには持ってこいなんですね。笑
そして食べる楽しみもあり、そうしたことから多くの人がパン作り、お菓子作りを楽しまれたのでは。
ちなみに、スーパーからホットケーキミックスや小麦粉は姿を消しているところも多いですが国から小麦粉がなくなったわけではないので安心してください。
シンプルに供給のスピードを需要が圧倒的にそれを上回ってしまっただけです。
おそらく今の需要を全て満たすためにはほとんどの企業で新たな設備投資をしなければニーズを満たせないほどの勢いでした。
フル生産しても追い付かないのですから設備そのものを増やさないと買いたい人全員にお届けすることはできないでしょう。
ということで、今後の食品メーカーのマーケティングテーマとして【簡便性】、【日持ち】【暇つぶし】はどの企業でも外せないキーワードになってくると思います。
ですから新規事情として冷凍食品の市場に新規参入したりと、これまで以上に競合が増え熾烈なビジネス環境になってくることは言うまでもありません。
いかにして生き残っていくかの世界になるでしょう。
今後の食品メーカーの動向が楽しみです。
僕も食品に携わる人間としてアンテナ高くして、先を予測して先回りしていかないとダメだと痛感しました。