格上のチームと戦う時の守備の原則
こんにちは。馬目裕也です。
今回は、「格上のチームと戦う時の守備の原則」について話したいと思います。
1.なぜこの記事を書くことにしたか
J1第32節 浦和対G大阪の試合を見ていました。結果は1-1の引き分けでしたが、その試合でのG大阪の守備に疑問を持ちました。
構図としては、浦和がボールを持つ時間が長く、G大阪が守備の時間が長かった試合でした。
G大阪の守備は、4-4-2で中盤で構え、おそらくゾーンを基準の守備をしていたと思います。
ただ浦和に2トップの脇を使われ前進されていました。
ここのスペースを使われるのは致し方ないですが、気になったのは、特にSHにどんなタスクを求めていたのかが見えませんでした。
どんなタスクとは、
・前に出て規制をかけるのか。出るとしたらどのようなタイミングで出るのか。
・内側(ボランチとの間)にパスを通させない、受けさせないような立ち位置をとるのか。
・SBにマンマークのようについていくのか。
といったものがあると思います。この辺でどうしたいかが見えずに、浦和にいいように攻められていたと思います。
またチームとしてあった問題が、選手同士の間にパスを通されたり、相手に抜け出されたりという場面がいくつかありました。
特にSHがSBに意識がいき内側のスペースに通される場面がありましたが、ただこれはSHがというよりも、チームとしてどこを守りどこを捨てるのかが見えず、結局中でも外でも相手に振り回され、後手後手になっていたと思います。
2.どのような守備が求められるのか
ではタイトルである、格上のチームやボールを保持されるチームに対してどのような守備が求められるのかについて説明していきます。
またこれはあくまでゾーンを基準に守備をする場合の話になります。
格上やボールを保持される相手に対しては、やはり中盤もしくは自陣で、ブロックを構えて守る時間が長くなります。ハイプレスをかけ続けるのはむずかしいと思います。
そのブロックを構える守備で大事になってくるのは、選手同士の間でいかにプレーさせないかだと思います。
プレーさせないというのは、選手同士の間にパスを通されない、選手同士の間を相手に抜け出されないことです。
そのためには、ボールサイドに重心を寄せることを選手に意識させることによって選手同士の間を抜かれるパスを防ぐことにつながると思います。
そうすれば自然と全体がコンパクトな陣形になり一つの塊のようになり、結果ボールが外回りになると思います。
ボールがサイドに入ったときも同様で、ボールがあるサイドの斜め後ろ(選手にとってのライン間)にパスを通されないように重心をとることで、ライン間すなわち選手同士の間にパスを通されることを防ぐことにつながります。
3.現代サッカーに求められるもの
とはいっても現代サッカーだと、サイドを捨てても物凄いウインガーがいたり、DFからでも高精度のロングフィードが蹴れる選手がいたり、戦術的な発展もあり、ベーシックなコンパクトな守備をするだけでは守りきれないのではと個人的には思っています。これも最終的には自分たちの選手と相手次第にはなりますが。
特にニアゾーンといった内側の深い位置を使われないようにするにはどうするかといったことは、今のサッカーには求められているものだと思います。
ただし5バックであれば、後ろが最初から5枚になっているので、内側を開けにくく、選手に抜け出されることを防ぎやすくなります。
逆に横幅を4枚ではもう守りきれないと思います。なので4バックのチームであれば、内側のスペースにボランチが降りたり、もしくはCBが出て、ボランチがCBがいた場所を埋める守備をとってきます。
ゴール前の守備では5人目が必要なのはもう原則になっていると思います。
4.コンパクトな守備とそこから何が必要か
以前に大分トリニータの守備についての記事を書きました。
大分は今シーズン、ゾーン基準のミドルプレスを軸に戦っています。相手や試合状況によっては、ハイプレスをしたり、自陣に引いて守ったり、または人を基準にしたりと変えていますが、ベースはコンパクトな守備をつくることだと思います。
この記事で書いた点として大分がよかったと思う点は、中盤や自陣に引いてブロックをかまえたところから、ボールを取りにいく守備に移行していたこと、それを持ち合わせていたことです。
大分の場合、相手がバックバスをしたら出るというタイミングも共有されているように思います。
なのでただ引きっぱなしではなく、ボールに対していくことで、相手に下げさせたり、自分たちのラインをあげることにつながっていました。
ただ引いて守っているだけだと、守れてはいても、相手に何度も攻撃の試行回数を積み重ねられていずれ失点してしまうと思います。なので構えた中でもボールにいくフェーズがあるかどうかが大事だと思います。
なのでまとめますと、格上のチームと戦う時の守備の原則は
選手同士の間を使わせないコンパクトな守備
と
構えたところから、ボールを取りに行く守備に移行できるか
になります。