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美味しいものは心に効く
今日の朝は、心も身体もなんだか重たい朝だった。
昨日の夜に、「次のサークルはもうないんだな」と考えてしまったこと、そして「サークルに行く度に会えていた人たちと会えないんだな」と、寂しい気持ちになっていたこと、それらがあとを引いていたからだろう。
それに、今日が終わって欲しくないな、と思って昨晩は夜更かしもしてしまった。
だから、今朝は起きてもなかなか布団から出られなかった。
それでも、今日は父と母の誕生日記念ディナーということで、外食が予定されていた。(父と母の誕生日は、3月なのだ)食べるものはカニだった。なので、そのことは少し楽しみではあった。
昼間はダラっと過ごし、夕方くらいに礼服を買ったあと、夜ご飯の場所に向かった。目当ては、カニ刺しとカニしゃぶだった。
父曰く、「カニしゃぶとカニ刺しは、店以外だとなかなか食べれないからだ」という。
だから、僕の家族は大抵の祝い事の時には、カニを食べに行く。たまにする、贅沢だ。
そしてやっぱり、カニ刺しとカニしゃぶは美味かった。彼らは期待を裏切ることをしない。ひたすらにこちらを魅了する。
僕も父も母も、心から美味しいと感じて食べていたと思う。父は「しゃぶしゃぶなら、牛肉よりもカニが美味しい。その次はタコ」と言っていた。
僕もそれには心から納得できた。
また、「自分が子どもの頃はカニしゃぶなんて食べたことなかったよ」と、父は言った。
その言葉を受けて、僕は本当にこうして食べれることは滅多にないんだなと思った。会計の金額を見ても、その事は強く実感した。
そして今、そんな一日を振り返って書いている。昨日の夜までの寂しさはまだ残っているといえば、残っている。
けれど、カニの感動も心の大きい部分を占めている。暇な時に、ふと考えて感じてしまう寂しさをけっこう紛らわせてくれている。
そんな今を考えると、美味しいものは、身体にも心にもいいものなのだなと実感できる。
辛い時には美味しいものを食べるといい。それは、よく聞く話だ。けれど、それはやっぱり真実だと思う。
美味しさがくれる感動はきっと、心を少しばかり救ってくれる。そのことをかなり実感した一日だった。