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Willを求めないマネジメントで実践した3つのアプローチ

この記事は【Leaner Technologies Advent Calendar 2024】の9日目の投稿です。明日は弊社一人目のデザイナーの西田さんが記事を公開してくれます!

https://adventar.org/calendars/10629

こんにちは!
株式会社Leaner Technologies(以下リーナー)でインサイドセールスチームの責任者をしている立野(@YuyaTatsuno0104)です。

🎄Leaner Advent Calendar 2024🎄

9日目を担当する私はマネジメントの型を学び、実践してきたこの1年の中で「最も失敗したこととそこからの学び」について記載しようと思います。

2023年にチームのマネジメントを任されて以来、組織の成長とともに自らのマネジメントスタイルについて試行錯誤を繰り返してきました。
特にこの1年でチームの規模は3倍となり、個々のメンバーが持つ「熱量」や「コトに向かう力」をどのように高めていくのかということは、チーム全体の成果を最大化するうえで重要なテーマです。

本記事では、急成長中の組織マネジメントにおいてメンバー個人のWillを引き出すことに固執せず、別のアプローチで熱量を高め、チーム全体の成長を促進した方法について私自身の失敗と学びをもとに紹介します。

本記事は以下の方を想定して記載しています。

  • 急成長する組織でのマネジメントに取り組んでいる方

  • メンバーの熱量を引き出し、成果を最大化する方法を模索している方

  • 若手メンバーや新しいチームのマネジメントに挑戦している方

組織や事業の成長とともにマネジメントの在り方も進化していきます。本記事が、チームビルディングやマネジメントスタイルを考える際の一助となれば幸いです!



私が所属しているIS組織について

2024年1月には4名だったチームが、現在では12名にまで拡大し、わずか1年で3倍の規模となりました。リーナーには、入社してくれるメンバー全員が「目の前の顧客に貢献したい」「社会を変えるような大きなチャレンジをしたい」という熱い想いを持っています。

この熱量をどのように高め続け、最大限に活用して事業成長に結びつけるか。それが、マネジメントとしての私の大きな使命だと考えています。


Willを引き出せない焦りと葛藤

今後も組織拡大を続けていく計画の中で、現在のメンバーには事業成長の核を担ってほしいと考えています。
そのため、「メンバーが成長実感をちゃんと持ち、熱狂してコトに向かえる環境を作りたい!」という思いを持ち、
「マネジメントたるもの、チームメンバーのWill・Can・Mustを引き出し、内発的動機を刺激するのだ!!」
と意識しながら1on1や日々のコミュニケーションを行ってきました。

実は、私自身も前職の大手人材会社ではこのWill・Can・Mustのフレームワークでマネジメントや評価を受けていました。 これを参考に、現在のメンバーとも向き合ってきたのですが、実際にコミュニケーションを重ねる中で、"私が期待していたWill"がなかなか返ってこない、という壁に直面しました。

過去の体験をベースに未来を考える「フォーキャスト」的なアプローチでも、理想的な状態から逆算する「バックキャスト」的なアプローチでも、明確なWillを引き出せませんでした。
とはいえ、メンバーが目の前の業務にやる気がないわけでも、熱量が低いわけでもありません。

そこで思うのは、「引き出し方が間違っているのだろうか。でもちゃんと引き出せなければ、今後の組織拡大の中でこの熱量を十分に活かしきれないかもしれない」という葛藤です。


何のためにWillを求めるのか?

ある時、社外でマネジメント経験が豊富な方と意見交換をする機会がありました。その際に思い切って、「Willが出てこなかったり、うまく言語化できないメンバーがいるのですが、どのようにサポートしたら良いでしょうか?」と相談してみたのです。

すると、その方は「とある尊敬する経営者から教わったことなんですが…」という前置きとともに共有してもらったことが、私にとって、まさに目から鱗のような気づきを得られる言葉でした

若手や20代にWillは求めない方がいい。
社会に出て間もない段階で出てくるWillは真のWillだろうか?
CanとWillには相関があり、やれることが増えるとやりたいことが増える。そこに向けてマネジメントとしてどういう経験や刺激を与えられるか?

その言葉に、ハッとさせられました。
振り返ってみると、私自身が成長を実感できたのは、何か明確なWillを求められたからではなく、できることの幅を広げ、成功体験を積む機会を与えられたからでした。

そもそも、Willを引き出す目的とは、メンバーの内発的動機を刺激し、熱量高くコトに向かってもらうことだと考えています。

リーナーは事業も組織も急成長している状況であり、その環境下でメンバー自身も懸命に取り組み、成果を出しています。
熱狂を生み出しやすい環境が整っている中で、果たしてWillを無理に引き出す必要があったのだろうか?
その瞬間、私は「手段と目的を履き違えていた」と気づきました。Willを引き出すこと自体が目的化してしまい、本来のマネジメントの役割を見失いかけていたように感じました。


成長を促す3つの具体的なアプローチ

その後、私は"Will"を考えてもらうコミュニケーションを一切やめ、メンバーに対するアプローチを大きく変更しました。具体的には以下のような点を意識しました。

  1. 特性を観察し、Canを広げるアサインメントを行う
    リーナーのISはオンボーディング期間が完了するとサブタスクとして展示会運営、セミナー企画、CISなどの新しい業務をお願いするようにしています。
    メンバーが成果を出すプロセスや自然と発揮する行動をよく観察し、その特性に合わせたアサインメントを行うようにしました。そうすることで成功体験を積む確度が高まり、効果的にCanを広げられるようにしました。
    アサインメントをする際には期待を明確に伝えることも重要です。

  2. Willを求める代わりに評価FBの場で期待を丁寧にすり合わせる
    リーナーでは四半期ごとに評価を行い、360°FBにて貢献や期待に関するコメントを行います。このコメント量は圧倒的で、読むたびに「本当に愛のある組織だな」と感じるほどです。360°からのコメントを余すことなくメンバーに伝え、着実に成長につなげていくことが上長の役割だと考えました。
    そのため、全員のコメントを基に次の四半期の取り組みテーマを仮案としてドキュメントにまとめ、評価FBの場でメンバーとすり合わせをするようにしました。私とメンバーで共通認識を持つことができたら目標設定に反映してもらうようにし、具体的なアクションまで考えてもらいます。

  3. チームで相互理解の場を設ける
    チーム内で相互理解が深まれば、マネージャーに頼らずとも周囲に相談したり、お互いから学び合ったりするようになります。これにより、業務連携も自然とスムーズになります。そこでモチベーショングラフをチーム全員が作成し、価値観の変遷や、その背景となる経験をチーム全員で共有しました。

作成したモチベーショングラフのイメージ📈

これらの取り組みを通じて、リーナー歴に関わらずチーム全員がこれまで以上に熱量高く、一体感をもって目の前の業務に取り組むようになりました。個人の成功体験が積み重なるにつれて、チーム全体のパフォーマンスも着実に向上しています。


マネジメントとして学んだこと

この経験を通じて、私が学んだのは、「Willを求めて言語化してもらうことが、必ずしもチームや個人の成長につながるわけではない」ということです。確かに、Willは行動の源泉となる重要な要素です。しかし、それを過度に求めることで内向きのベクトルを生み出してしまっては、本末転倒になりかねません。

マネジメントとして重要なのは、メンバーが自ら生み出すWillに頼りすぎるのではなく、特性に合わせたアサインメントを通じて「できること(Can)」の幅を広げる機会を提供することです。これこそが、チーム全体の成長を促進する最優先事項であり、マネジメントの本来の役割だと考えています。

Will・Can・Mustの考え方については前職の尊敬する先輩であり、ソウルメイトであるりんちーさんのnoteも非常に参考になるので是非そちらもご覧ください。


さいごに

私自身、マネジメントの役割を持つようになって日は浅く、まだまだ学びの途中ですが、「Willを求めすぎず、別の方法で熱量を高め続ける」という視点を持つことで、より良いチーム作りにつながると信じています。

この記事が、同じようにマネジメントに向き合う方々の参考になり、一人でも多くのメンバーが”ピュアにコトに向かっていける”ようになればいいなと思っています。

相互理解コンテンツ後のお気に入りの一枚📸自慢のISチーム

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